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物価高は追い風か逆風か。二極化する「消費関連株」の勝ち組4銘柄とは?=田嶋智太郎

ガソリンや食品をはじめ生活必需品の「値上げラッシュ」で、消費関連株は上がる銘柄と下がる銘柄に二極化している。このところ物色の矛先が向かっているデフレ銘柄と言うより「生活防衛銘柄」のいくつかをご紹介したい。(『田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット』田嶋智太郎)

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※本記事は有料メルマガ『田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット』2022年4月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:田嶋智太郎(たじま ともたろう)
慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後の一時期は大学教諭として「経営学概論」「生活情報論」を担当。過去30年余り、主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、地域金融機関改革、引いては個人の資産形成、資産運用まで幅広い範囲を分析研究。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等において、累計3,000回超の講師を務めてきた。これまでに数々のテレビ番組へのレギュラー出演を経て、現在はマーケット・経済専門チャンネル『日経CNBC』のレギュラー・コメンテーターを務める。主な著書に『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)などがある。

物価高で家計は「生活防衛」へ。節約志向強まり消費関連株は二極化

ここにきて、身の回りのあらゆるモノの価格が、値上げラッシュの嵐に巻き込まれている。その結果、食品や日用品、小売りといった消費関連の銘柄の多くが、不人気に陥って値を下げている。

たとえば、カルビーの株価などは、先週の安値がコロナ・ショック時の安値を下回る展開となっている。

カルビー<2229> 週足(SBI証券提供)

以前から原料高の問題が不安視されてはいたのだが、3月29日に『かっぱえびせん』や『サッポロポテト』などの主力商品について、内容量の変更と価格改定のリリースが出たことも株価を押し下げる大きな要因の1つとなった模様である。

とはいえ、同じ消費関連株のなかに、かえって最近人気化している銘柄もある。

個人の節約志向が強まるとの見方から、ディスカウントストア株などに投資マネーが流入。物価高の長期化が不安視されるなか、消費株の二極化が進んでいる。

以下に、このところ物色の矛先が向かっているデフレ銘柄、と言うより「生活防衛銘柄」のいくつかをご紹介しておきたい。

パン・パシフィック・インターナショナルHD<7532>

注目の生活防衛銘柄の代表格。以前から、同社は給与が伸びない日本の消費者や訪日外国人の支持を集め、1998年に上場して以降、連続で営業増益を達成。

足元では、国内で緊急事態宣言の解除されたことにより、客足が回復しているうえ、化粧品や酒類、プライベートブランド(PB)商品の販売を強化したことも収益向上に寄与している。

消費者の節約志向が強まるなか、ご存じ『ドン・キホーテ』などのディスカウントストアに客足が向かいやすくなっていることから、今後も収益の拡大が続くと見込まれる。

22年3月期の会社予想では、売上高が前期比9.4%増の1兆8,700億円、営業利益が同4.6%増の850億円、純利益は同7.2%増の576億円で過去最高純益となる見通し。また、QUICKコンセンサスベースの23年6月期営業利益予想は941億円と22年6月期の会社予想比11%増で、3期ぶりの2桁増益が視野に入る。

パン・パシフィック・インターナショナルHD<7532>週足(SBI証券提供)

足元の株価は、昨年4月高値から今年1月安値までの下げに対する38.2%戻しを達成したところで戻り一巡となっているが、ここにきて26週移動平均線を上抜ける動きも見せており、次に52週移動平均線を上抜けるかどうかが焦点となる。

Next: 衣料も食品も「庶民の味方」の安売り銘柄に注目



しまむら<8227>

4月4日に22年2月期の決算を発表。連結純利益が5年ぶりに過去最高を更新し、前月比7.6%増の5,836億円となった。また、営業利益は同30%増の494億円、純利益は同35.4%増の354億円と、ともに事前のアナリスト予想を大きく上回った。

会社側は、23年2月期も増収増益を予想しており、2期連続で最高純益更新となる見通し。

ちなみに、3月の既存店売上高は前年同月比2.9%増と、5カ月連続で前年を上回っている。社会全体がコロナ禍から徐々に抜け出そうとしているなか、再開された学校行事などに向けた需要も増えつつある。

しまむら<8277> 週足(SBI証券提供)

足元の株価は、予想PER=11.48倍、実績PBR=1.03倍という水準にあり、なおも上値余地は十分に見込めると思われる。前期決算発表後の株価急伸もあって、今週の週足が一目均衡表の週足「雲」を上抜ける動きとなっていることも見逃せない。

神戸物産<3038>

3月14日に発表された2021年11月~22年1月期の連結決算は、純利益が前年同期比11%増の51億円となり、同じ期間では過去最高だった。同四半期月は、飲食店事業者の来客が回復したことも大きい。

足元では、フランチャイズチェーン(FC)展開する食料品店「業務スーパー」の出店が拡大。今年1月末時点の店舗数は1年前に比べて56店舗増の956店となり、それを10月末までに1,010店に増やす計画。

22年10月期の通期業績予想を、会社側は売上高が前期比5.0%増の3,800億円、純利益は同1.1%増の198億円(最高純益)としているが、市場ではこれを「保守的」と見る向きが多い。

神戸物産<3038>週足(SBI証券提供)

足元の株価は、昨年6月安値から同年9月高値までの上げに対する61.8%押しの水準まで調整した後に戻り歩調を辿っており、目下は一目均衡表の週足「雲」下限水準で踏みとどまっている。

当面は、週足「雲」を上抜けるかどうかが1つの焦点となる。

Next: 化粧品ほか商材拡大、ポイントキャンペーンで商機を見出すZOZOに注目



ZOZO<3092>

「巣ごもり需要」は一服したものの、足元では「ペイペイモール」での販売が好調となっており、22年3月期は最高純益を更新した(前期比7.7%増の333億円予想)模様である。

目下は、化粧品の取り扱いを始めるなど、商材拡大で取扱高増加を狙う。ポイント還元やキャンペーン実施などで割安感を演出し、生活防衛のニーズに応えると期待する。

23年3月期もEC需要は旺盛な状態が続くと見込まれ、増収増益となる見通し。

ZOZO<3092>週足(SBI証券提供)

足元の株価は、20年3月安値から昨年10月高値までの上げに対する半値押しの水準まで調整した後に戻り歩調を辿っているが、目下は一目均衡表の週足「雲」下限水準が目先の上値抵抗として意識されている状態。

中期的に、この週足「雲」を上抜ける動きになっておくものと期待したい。

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image by: Siam Stock / Shutterstock.com

田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット』(2022年4月8日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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