マネーボイス メニュー

もう老後資金に悩まない。家計3大支出に振り回されず人生を謳歌するライフプラン作成法=牧野寿和

家計の3大支出と言われる「住宅購入資金」「教育資金」「老後の生活資金」。それぞれ必要になる金額は家庭ごとに異なります。老後生活を快適に過ごすために必要な資金を確保するために、ライフプランの作成と家計支出を把握する方法をお伝えします(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)

【関連】仕事は60歳でスパッと辞めよ。人生100年は嘘、死ぬ間際に後悔しない「FIRA60(ファイラ60)」の人生プラン=榊原正幸

プロフィール:牧野寿和(まきの ひさかず)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。

巨額になる人生の3大支出

「住宅購入資金」「教育資金」それに「老後の生活資金」は、人生の3大支出といわれています。

しかし、これらの3大支出は、すべてのご家庭の家計に当てはまるものではありません。

そこで今回は、ご家庭ごとに将来の高額な支出に備えて準備しておく、家計の3大支出を考えてみます。

確かに、人生の3大支出の予定があるご家庭は、そのための家計の準備が必要なことは、いうまでもありません。

一例として、住宅を購入するには、頭金や住宅ローンの契約手続きのための諸費用、また不動産販売業者などとの契約金といった、通常、数10万円から100万円単位の高額な現金が必要です。

住宅ローンを組んで融資を受ければ、その返済も長期にわたり必要になります。

また、子どもに教育を受けさせるための費用は、その子の希望や親の思いによって、子どもが幼いころから、必要になる家庭もあるでしょう。

特に大学に通学させるためには、その準備として進学予備校の月謝や大学の受験料に入学金、毎年の授業料総額にすれば、数百万円から数千万円単位の高額な費用も必要です。

それに、老後の生活資金についても、年金が家計収入の中心の高齢になっても、急に現役時代の生活のレベルを落として、家計の支出を減らすことは困難です。

従って、現役時代と年金時代の収入との差を、現役時代にその資金を貯蓄する計画を立てて、実行することが必要です。

なお、以前世間を騒がせた2,000万円問題は、この貯めておく金額の目安額でした。

家計の支出額の計算方法

このように、人生の3大支出といわれている、支出項目については、必ずしもすべての家計にあてはまりません。

老後の生活資金も、現役中に貯めることは必要です。その金額は、2,000万円とは限りません。いくら貯める必要があるかは、ご家庭の家計ごとにちがうのです。

そこで、ご自身のご家庭では、これから必要となる3大支出はなにか、まず、普段の家計支出からみていきます。

家計から支出項目として、上述の住宅購入資金や住宅ローンの返済資金、教育資金、それに老後の生活資金のほかに、なにがあるのか、書き出してみます。

・衣食住のための生活費
・電気水道ガス代
・パソコンやスマホなどの通信費
・健康保険料と40歳以上は介護保険料
・所得税や住民税、

といった支出は、生涯必要です。

・民間の生命保険や損害保険の保険料
・自家用車の購入と維持費
・住宅の修繕やリフォームといった改修費用
・固定資産税や都市計画税の納付

といった支出は、所有している期間中必要です。

・旅行費用
・お稽古ごとや趣味に使うお金
・家賃
・相続税や贈与税の納付

といった支出は、必要な方のみです。

なお、国民年金保険料は、60歳の誕生日前月まで、厚生年金保険料は、60歳以降も会社に勤務すれば、原則70歳までの支出が必要です。

Next: まずは生涯必要になる生活費をシミュレーションする



最初に始めるのは生活費の把握から

このうち、言わずと知れたことですが、生活費は、生涯誰しも必要なお金です。

現在、毎月いくら使っているのか、子どもの成長とともに、食費がどのくらい増えるのか?

また、子どもが独立すると、家計全体の支出額にどんな変化が起きるのか?

老後に向けて、夫婦のふたりだけの生活費はいくらくらいか、子どもが誕生する前の生活費と同じくらい?

また、夫婦と子どもとの家庭の構成人員が定まった段階でシミュレーションをして、必要に応じて、なにを節約して家計支出を減らすか、副業などして収入を増やすといった、家計の支出を調整することも大切です。

家計の3大支出暫定案を作成する

家計の3大支出を決めるために、準備しておくことがあります。

それは

(1)将来に向けたライフプランを作成して、そのライフプランに支出予定額を記入する
(2)現在の家計支出額を計算する

そして(1)と(2)で作成した支出計画を軸に、金額の大きなものから、家計の3大支出の「暫定案」とします。

家計の3大支出を予算化する

そして、家計の3大支出を実現するために、これから給与や年金を含めた生涯の収入、それに現在の貯蓄額とこれからの貯蓄額も考慮しながら、ライフプランが実現できるように、将来の支出計画を具体的に予算化します。

予算化して、支出金額の大きなものから順番に、ご自身やご家庭の家計の3大支出となるのです。

前出の家計の3大支出暫定案と、ここで算出した3大支出の内容が変わるかもしれません。

また、3大支出の一部を実行して空いた分を、新しい支出の内容にすることもあるでしょう。

もちろん、この3大支出の内容は、家計ごとにちがいます。また作成する年齢によって変化するのです。

人生を楽しむためには、ときには大金を使うことも必要です!

ただ、使った後の生活の心配をしないように、家計収支を把握しながら、計画的に、お金を使うことが大切です!

【関連】いくら貯めれば老後破綻しない?生活レベルに合わせた必要貯金額の算出方法=牧野寿和

【関連】ドケチな青春、惨めな老後?「働きたくない」FIRE志望20~30代が早期リタイアで失う幸せの種とは=午堂登紀雄

【関連】日本人の8割が加入する生命保険はムダだらけ。対策すべきは不慮の事故より長生きリスク=俣野成敏

image by:imtmphoto / Shutterstock.com

【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2022年6月29日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ

[無料 週刊]
ご自身の描いた老後の生活を実現するために、 40代から、退職・完全リタイアをするまでに、 やっておくべきことがあります。 そんなことはわかっているよ!! でも、行動に移せないんだよね…… 実は、何から始めようか迷っているんだよ!? そもそも、何をしたらいいのかわからないんだよね??? そんな方のために、同年代の私、 「人生の添乗員(R)」が、 ファイナンシャルプランナーとして13年の実績と、 自身の人生経験から、 40代から、退職・完全にリタイアをするまでにすべき、 「貯蓄」と「節約」について、 毎週、1テーマずつお伝えします

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。