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サントリー、カフェイン200mg入り缶コーヒーに意図せぬ過剰摂取を案ずる声。ストロング系同様“消費者の健康は二の次”の企業姿勢にも批判が

サントリーの缶コーヒーおよびペットボトル入りコーヒーのシリーズ「ボス」の新製品が、一見すると普通のカフェオレのようなパッケージながらも、実はカフェインが多めに配合された商品だったということで、一部で物議を醸しているようだ。

渦中の商品は先月28日に発売されたばかりの「ボス カフェイン ホワイトカフェ」と「ボス カフェイン キャラメルカフェ」で、一本の容量245gのなかにカフェインを200mg含有しているとのこと。

ただ、それほどのカフェインが入っているとは意識せず、ごく普通のカフェオレだと思って飲んでみた人からは「心臓がドキドキ」「動悸やばくなって」と身体の不調を訴える声が。SNS上では「カフェイン弱い系の人は気をつけて」といった注意喚起もあがっているようだ。

何気なく手に取ってしまう人が続出?

サントリーによるリリースを見てみると、従来の缶コーヒーの商品設計とは異なり、カフェインの摂取しやすさを中心に据えた「カフェイン中心設計」の考え方で作られたという「ボス カフェイン」。

そのため、カフェインを200mg含有しているということだが、あの「レッドブル」でも、250ml入り缶に含有するカフェインは80mgだということで、世に出回るエナジードリンクの類と比べても、今回の「ボス カフェイン」のカフェイン量はかなり多めと言えそう。

ちなみにカフェインの摂取許容量に関して、日本においては明確な規定はないものの、海外ではカナダ保健省が、健康な成人の場合で1日あたり400mgまでが目安と定めている模様。「ボス カフェイン」換算だと2本でその許容量に達する計算で、1日に何本と常飲していれば、上記の許容量は軽く超えてしまう恐れがありそうである。

ただパッケージを見てみると、従来のエナジードリンクがメタリック感のある、どこかしらギラギラとしたイメージのものが多いのに対し、今回の「ボス カフェイン」はというと、比較的大きな文字で“おいしくカフェイン200mg”とは書かれているものの、従来の缶コーヒーとはさほど変わらない雰囲気。そのために、何気なく手に取ってしまう人が増えているといった状況のようだ。

適量の摂取であれば、脳の神経細胞を刺激することで眠気を防いだり、疲労回復や集中力を高めたりといった効果があるカフェイン。だが、量を多く摂取してしまうと中枢神経系や心臓が過剰に刺激されてしまい、めまい、過呼吸、頻脈、興奮状態、激しい嘔吐や動悸などの症状が現れ、それによって救急搬送されるというケースも少なくはないようで、なかにはそのまま死に至ることもある。

「ボス カフェイン」の大量摂取は、そういった危険も招きかねないのではないかという、SNS上であがる批判なのだが、ただしカフェインの量ということで言えば、他の既存の缶コーヒー、あるいはコーヒー以外だと日本茶の玉露などは、「ボス カフェイン」と同等あるいはそれ以上のカフェインが含まれるということで、この商品だけを責めるのも如何なものか……といった声もあるなど、様々な意見が飛び交っているといった状況だ。

「サントリーの企業倫理ちょっとおかしい」との声も

いっぽうで今回の件に関しては、同じくサントリーが販売している缶チューハイ「-196℃ ストロングゼロ」に絡めての批判も散見される。

「ストロングゼロ」に代表されるアルコール度数が9%程度のいわゆるストロング系チューハイといえば、飲みやすいテイストとともに、安価に手っ取り早く酔えるということでも知られる商品だが、そのいっぽうでアルコールの過剰摂取を誘引しかねない存在として、医療関係者からは「危険ドラッグとして規制した方がよいのではないか」といった意見も出ているところ。

一部メーカーでは消費者の健康を考え、この手のストロング系の製造を止めるところも出ているなか、消費者からの人気が絶大ということで、精力的に売り続けているサントリーの姿勢には、疑問を抱く向きも少なくないわけだが、今回の「ボス カフェイン」の件においても、そういった“消費者の健康は二の次”といった企業姿勢が透けて見える……というのだ

「ストロングゼロ」はもちろん今回の「ボス カフェイン」にしても、コンビニなどに行けば手軽に手に入る商品なのだが、とくに「ボス カフェイン」に関しては、カフェインへの耐性が低い子どもでも簡単に買えるため、その点を心配する親御さんの声も少なからず上がっている。そういった可能性も含めた、カフェインの大量かつ急激な摂取が孕む危険性に対して、サントリーはあまりに無頓着ではないか……そんな声も聞こえてくるところだ。

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Image by:Ned Snowman / Shutterstock.com

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