今年は日本列島上空をたくさんの台風が通過しますね。台風が引き起こす問題で大家さんの頭を悩ますものに雨漏りがあります。でも、私が実践している「3つの知識」があれば、雨漏りも怖くなくなりますよ。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)
プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。
DIYは大規模修繕までのつなぎ、トータルコスト重視の物件管理術
大家さんを悩ませる、台風&大雨シーズン
今年は夏から秋にかけて台風や大雨が多く、物件に雨漏りやダメージが発生しないか、心配している大家さんも多いと思います。実際、雨漏りの件数が増えているらしく、私がお願いしている工務店さんでも雨漏りの修繕依頼が増えているとのことでした。
私の持つ物件でも、いくつか雨漏りが発生して修繕をしました。遠方の物件は、業者さんに依頼し、すぐ近くの物件は自分で修繕しました。ちなみに、業者さんに依頼した方は約4万円かかりましたが、自分で修繕した方は1,000円くらいで済みました。
これまでも何度か修繕について書いていますが、私の場合、基本的に見えないところのお洒落はしない方針です。「目立たないところは見た目が悪くてもよい」くらいの感覚で修繕しています。雑といえば、雑なんですが、大事なのは雨水が入り込まないことなので、次の大規模修繕まで雑でも低コストに修繕し続けるつもりです。
それで今回は、この修繕において重要だと思う3つの秘訣「コツ、モノ、考え方」をお伝えします。
- 一番大事!「雨漏り箇所」を特定する(コツ)
- 兼業大家のDIY修繕に適した素材とは(モノ)
- メリハリをつけてトータルコストを最小化する(考え方)
ひとつずつ見ていきましょう。
Next: 雨漏り箇所を見つけるコツ/かんたん修理グッズの紹介
一番大事!「雨漏り箇所」を特定する(コツ)
雨漏りしている場所を特定するコツは、「ヒアリング」と「目視確認」をいかに効率的に行うかで決まります。
まず、雨漏りは住人の方からの連絡で発生が確認されるので、できれば住人の方に直接お会いして、どの部分からどのように雨漏りが発生しているかをヒアリングします。例えば、上からなのか、横からなのかなどを聞いて、悪い部分を絞り込んでいきます。
次に、別の晴れた日に外からチェックをします。雨漏りが発生する箇所には一定の傾向があります。例えば、壁の継ぎ目、壁と壁の角度が変わっている箇所、別々の素材が結合されている箇所。要するに、建物の素材の弱い部分にヒビワレが生じ、そこから雨漏りが発生するということなのです。逆に言うと、真っ平らな部分から雨漏りすることは、そうそう無いということです。
建物の素材の弱い部分とは、下記などです。
- 例えば、柱と地面の接合部分
- 外壁パネルとパネルの接合部分
- 外壁と窓枠の接合部分
- エアコン、排水ダクトなどと外壁の接合部分
- 陸屋根の防水の塗りの端っこ部分
こういうところを、外から点検します。
3階など近寄れない場所については、双眼鏡を使って目視で確認します。この作業を1時間ほど行えば、8割方、雨漏り箇所は特定できると思います(この作業で特定できないなら、業者に頼むべきです)。
2. 兼業大家のDIY修繕に適した素材とは(モノ)
DIYで用いるのは、基本的に近所のホームセンターで手に入るモノでOKです。特に業者が使用しているようなものでなくとも、同じ効果が得られます。ホームセンターでは外壁に貼るタイルやコンクリートブロックなども買えるので、結構便利です。
さて、そんな中でも、かんたんDIYで何にでも使えるモノを1つ紹介します。
それが、これ。「セメダイン 外壁用 ひび割れシール 120ml」です。色はグレイとホワイトがあり、塗装もできます。なにより、120mlと少量なのが使いやすいです。以前はもっと大きなシーリング剤を使っていたのですが、毎回、残してしまっていました。そして固まってしまって、使えないということが多々ありました。この量であれば、使い切ることもできますし、キャップを閉めておくと、そこそこ保存できるので便利です。雨漏りはいつ発生するか分からないので、近所のホームセンターに行ったときに、1~2本ほど買って常備しています。
これにヘラやマスキングテープなどを使えば、比較的きれいに作業ができます。ヘラは、使い捨ての割り箸やプラスチックナイフなどを使っても良いし、マスキングテープは養生テープを使えば良いです。
Next: 「メリハリ」をつけてトータルコストを最小化しよう
3. メリハリをつけてトータルコストを最小化する(考え方)
最後に、これは私の考え方です。私のDIYは、あくまで大規模修繕までのつなぎであるということです。
雨漏りに限らず、物件を所有している以上、一定の修繕コストはかかります。大規模修繕は行わなくてはならないものです。大規模修繕では、鉄部分のサビであったり、外壁の塗装であったり、屋根の防水であったりと、全体を一気に改修します。ですが、修繕が必要となる不具合は、一気に出てくるモノではありません。屋根はあと5年、外壁はあと4年、鉄部分はあと3年というように、痛みのステータスがばらばらです。
この例では、一番短い3年に合わせて大規模修繕をすべきか、一番長い5年に合わせてすべきかが迷いどころです。そこでDIYの出番です。鉄部分がどのように痛んでいるのかを見て、水がかかってこれ以上サビないようにするDIYを行います。多少の見た目は犠牲にしても、2年間延命することで、大規模修繕の時期を合わせることができます。そうやってトータルコストを抑えるのです。
DIYはそれだけで完璧にするものではなく、トータルコストを下げるための策だと私は考えています。そういうことは、自分の家の近くに物件があって、たくさんのトラブルに見舞われることで身につく経験値です。なので、1軒目は自分でDIYできるエリアで買うことをオススメしています。
『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』(2016年9月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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