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「30未達」の光と影。何が藤井聡太四段と安倍総理の明暗を分けたのか?=近藤駿介

将棋の藤井四段の連勝記録が29でストップした7月2日、自民党は都議選で23議席の惨敗を喫した。「30未達」の歴史的快挙と大敗を分けたのは何だったのか?(『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』近藤駿介)

プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝える無料メルマガに加え、有料版『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』を好評配信中。

安倍自民の「嫌われぶり」が露呈した都議会選挙、その敗因は?

「30戦目の潔い投了」と「23議席の歴史的大敗」

藤井聡太四段のデビューからの連勝が「30」を目前に止まったが、29連勝は輝きを失うことのない「永遠に不滅です」と言える立派な記録

一方、都議会議員選で予想をはるかに上回る歴史的大敗を喫し「30」議席にも届かなかった自民党。29連勝しても謙虚な姿勢を貫いた藤井四段に対して、主要国政選挙に4連勝したことで傲慢不遜な態度をとり続けた安倍総理との差が出た格好。

「他の政権よりよさそう」という消極的理由で支持されてきたことの弱さを露呈した。相手が民進党であれば楽勝だったかもしれないが、有権者に「安倍政権よりよさそう」と映った小池都知事の登場により、風向きが変わっていることを軽視したことが敗因の1つ。

絶叫議員資質に欠ける防衛相などが足を引っ張ったのは事実だが、支持率が落ちてきていた根本的な原因は、森友学園問題や加計問題など安倍総理自身の問題。こうしたことを無視して街頭演説で起きた「帰れコール」に対して、一部の政党の活動だと切り捨てようとした不遜な態度もダメ押しになった。

「安倍政権よりよさそう」な政党が存在しない国政で安倍総理が反省するかどうか。「安倍政権よりダメそう」な民進党が厳しくヒステリックに追求しても、都議会選ほど盛り上がらない可能性は高い。

安倍自民党同様に都議選の敗者だった民進党が反省して、他山の石として自らが抱えている疑念を晴らすことで、国政に対する信頼を取り戻そうと努力するかも注目だ。

Next: 墓穴を掘った稲田防衛相が「35回」も繰り返した浅はかな言い訳



稲田防衛相が35回も繰り返した「誤解」

「私としては、防衛省、自衛隊、防衛大臣としてお願いするという意図は全くなく、誤解を招きかねない発言であり、撤回をしたということであります」

「誤解」という単語を35回も使い、問題を「防衛大臣としての資質」から「真意が伝わらない表現を使ったこと」にすり替えようと必死に弁明を繰り返す稲田防衛相。

しかし、防衛大臣は国家存亡に関わる極めて重要な指示を自衛隊に出す立場にある。こうした立場にある防衛大臣に必要な資質は、誤解を招きかねない表現をせずに、「明確な指示を出せる能力」を有していることのはずである。

「誤解を招きかねない発言」を撤回することで逃れられると考えている時点で、防衛大臣の資質に欠けることに気付かないことこそが、「防衛大臣の資質に欠ける」証明。

どのように弁解しようとも「防衛大臣の資質に欠ける」という事実を覆すことはできないことに、総理とご本人はいつ気がつくのだろうか。
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元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』(2017年7月3日)より
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