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「安倍失脚間近」で強まる黒田続投論。結局この緩和に出口などない=今市太郎

内閣支持率の急落を受け、安倍首相のお友達・本田悦朗氏の次期日銀総裁説がかなり後退し、黒田総裁の続投説が急浮上。つまり「延々と」金融緩和が継続しそうです。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2017年7月19日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

黒田総裁の続投が濃厚に。今後も金融緩和は何があろうと継続だ

“アベ友”本田悦朗日銀総裁の線はほぼ消えた

安倍首相の支持率が急落し、失脚も大いにありうる状況となってきました。このことから財務省内では、安倍首相のお友達・本田悦朗氏の次期日銀総裁説がかなり後退し、黒田総裁がそのまま継続することになるのではないかという説が急激に浮上しはじめています。

そもそも、いらんことをマスコミにべらべらとよくしゃべる本田何某が適任なのかどうかはよくわかりませんが、少なくとも森友・加計問題の影響で、妙なお友達が日銀総裁にまでなることはなさそうな雰囲気になってきました。

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黒田総裁続投で「延々と」緩和継続決定

そもそも黒田総裁は、ゼロ金利釘付け政策を打ち出した時点から、いけるところまで緩和を続けることを決めているはずです。金利を上昇させて国の国債に関する利払いを増やしたりすることは、絶対にできないのが基本です。もともと出口などは一切用意されていない状況にあることは間違いありません。

今年に入ってから、年間の実質国債買い入れ額は40兆円程度に抑えられてしまい、日銀は実質のテーパリングに入っているという指摘もあります。しかし、すでに国債発行額の40%を保有する日銀は、金利が上昇しないのであれば、できるだけ国債の買い入れを減らしたいと思うのは当たり前の話です。ある意味、何もしないで金利の上昇を食い止められてきたことを喜んでいるはずです。

しかし、金利上昇の状況になれば指値オペに踏み切るなど、依然として強きの姿勢を保っていますから、とにかく今ここで緩和をやめるわけにはいかないという状況が今後も続きそうな気配です。

政府も日銀も、実は2%の名目インフレなどを目標に掲げているものの、もっとも困るのは本格的なインフレが到来することで、現状のデフレから抜け出せたかどうかわからないどんよりした状況に、実はかなりほっとしていることがうかがえます。

Next: 先進各国は次々と利上げへ。日銀だけが緩和を継続すると何が起こる?



やめるわけにはいかない金融緩和

先進各国が次々と緩和の出口に向かって政策変更しようとする中で、日銀だけがそのまま緩和をしていて本当にいいのか、という議論も飛び出しています。良いわけがなくても、やめるわけにはいかないというのが実情です。

とうとう500兆円を超え始めた日銀のバランスシートですが、米国のように「縮小します」と言ったとたんに株価が下がり始め、国債価格にも深刻な影響がでるのは間違いありません。繰り返しになりますが、何があってもやめることなどできないのが実情です。

しかし、これでまた景気が悪化するようなことがあれば、おそらく本当に日銀はヘリマネを導入して緩和を続けることになるでしょうから、その段階では悪い円安が到来することになるのでしょう。

どうにも出口など用意されていないことは黒田総裁自身がよくご存知のはずで、本当に日銀が何かをするとすれば、ハイパーインフレで一気に借金を帳消しにすることぐらいしか残されていないように見えます。

いずれにしても黒田総裁がいるかぎり、本来は円安傾向になるはずなのですが、日米金利差だけでは動かないのが政治通貨のドル円で、ここまでやってもまた円高にシフトする可能性すら残されているといえます。

きっと黒田総裁ご本人はさっさとずらかりたいのでしょうが、どうもこのままで行くと、まだ黒田人工相場は継続しそうな状況です。
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今市太郎の戦略的FX投資』(2017年7月19日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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