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黒田日銀の「永久緩和」が引き起こす日本財政破綻、衝撃のデータ=東条雅彦

リフレ政策では日本経済は復活しないことが明らかになるにつれ、世間の注目や関心は段々と薄れてきています。しかし、その裏では極めて深刻な事態が進行しています。

最近では、
「日銀が政府の国債をすべて買い取っても良い」
「日銀の国債大量買い付けにより、もうすぐ財政再建が完了する」
「日銀の保有している国債は永久債にしたら良い」
というウソ情報を流す人まで現れています。

いよいよアベノミクスの本性が出てきたな!と感じます。これらの俗論に騙されてはいけません。(『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』東条雅彦)

これはもう手遅れだ…「出口なし」の本当の意味に震えだす日本

異次元緩和は「永久」に続く

日銀は3月16日の金融政策決定会合において、現状の金融緩和政策を維持することを決定しました。

【関連】日本財政破綻!その時あなたが返済中の「住宅ローン」はどうなる?=東条雅彦

(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)
短期金利:マイナス0.1%
長期金利:0%程度
国債の買い入れペースを年間約80兆円をめどにしつつ、金利を操作していく。

(2)資産買い入れ方針
ETF:年間約6兆円
J-REIT:年間約900億円
CP:年間約2.2兆円
社債:年間約3.2兆円

消費者物価指数(生鮮食品を除く)の前年比上昇率が安定的に2%を超えるまで、上記の政策を維持することを改めて表明しました。

3月3日に総務省が発表した消費者物価指数の結果がこちらです。

<消費者物価指数(生鮮食品を除く) 前年比>

2013年:+0.4%
2014年:+2.6%
2015年:+0.5%
2016年:-0.3%
2017年1月:+0.1%

日銀の異次元緩和は2013年4月からスタートして、「2年で2%のインフレ」を目標に掲げていました。岩田副総裁に至っては「2年で2%のインフレ目標が実現しなければ、辞任する」とまで発言していました(後に発言を撤回しました)。

当時はそれほどまでに自信があった政策だったのです。しかし、4年経った今、むしろ目標からは大きく遠のいています。一体、いつまでこの政策が続くのでしょうか。

結論を先に言えば、その答えは「永久」です。この異次元緩和は永久に続きます。

日銀はなぜ「出口」のシミュレーション結果を公表しないのか?

日銀の金融緩和政策は永久に続きます。出口はありません

2015年8月4日の財政金融委員会で「出口戦略について日銀内部で議論していますか?」という質問について、岩田副総裁は次のように答弁しています。

岩田副総裁:
内部では幾つかのシミュレーション、この場合はどうか、この場合はどうか、この場合は金利水準はどういうふうに移動する、移行するだろうかとか、そういうシミュレーションは幾つかしております。検討しております。

日銀内部では、出口戦略に関するシミュレーションが行われているようです。しかし、その結果は現在まで未公表です。黒田総裁も岩田副総裁も、出口に関する質問に対しては「時期尚早である」と連呼しています。

当初、2年で目標に到達する予定が、4年経っても実現できていません。

岩田副総裁の発言を聞くと、いかにも出口戦略はいつでも実行できるように受け取れますが、それは間違いです。現実的には将来に向かえば向かうほど、出口戦略を取るのが難しくなっていきます(後で詳しく述べます)。

すでに39%に到達した日銀の国債保有率、2033年には100%を突破!?

まずは現状を確認していきます。日銀は年間80兆円の国債を買い切るという政策によって、2016年12月末には国債保有率が39%を突破しました。

<政府の国債発行残高、日銀の国債保有額、保有割合(2000年3月~2016年12月)>


(※1)循環統計の中央政府、中央銀行の国債残高から作成
(※2)抽出項目:国債・財投債+短期証券

(2016年12月末)
中央政府の国債発行残高:1077兆円
中央銀行の国債保有残高:421兆円
⇒日銀の国債保有率が39.1%を突破!

政府の発行する国債を、ものすごい勢いで日銀は買い切っています。過去3年の統計では、政府が毎年約40兆円ずつ借金を増やして、日銀が約80兆円ずつ国債を買い占めています。

もしこのペースが続けば、次のように推移していきます。

<政府の国債発行残高、日銀の国債保有額、保有割合【予想値】(2017年~2033年>

日銀の国債保有率が2018年には50%を超えて、6年後の2023年には70%を突破してしまいます。そのまま突き進めば、2033年前後に100%を突破します。

上記のグラフは半分、冗談であってほしいと願いながら書きましたが、どう考えても、どこかで出口を模索しなければ、「国債の貨幣化」が実現してしまいます。

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