日本財政破綻!その時あなたが返済中の「住宅ローン」はどうなる?=東条雅彦

我が国では20年にわたって歴史的な超低金利が続いています。しかし、過去20年にわたって超金利が続いているからと言って、油断してはいけません。もし次に金利が上昇する場合、可能性の高い理由として「リスクプレミアムの上昇」が考えられます。

リスクプレミアムは、一般的なインフレ率や成長率とはまったく性質が異なります。米国の利上げはインフレ率や成長率に基づく判断で、中央銀行(FRB)が主導しています。一方、リスクプレミアムの上昇は中央銀行にはアンコントローラブルで、市場の力学で決定されます。

日本でこのリスクプレミアムの上昇が顕在化した場合、「変動金利で住宅ローンを組んでいる人」は壊滅的なダメージを受けるでしょう。そこで今回私は、銀行の電話窓口でズバリ「日本が財政破綻したら住宅ローンはどうなるの?」と質問をぶつけてみました。(『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』東条雅彦)

こんなはずでは…「住宅ローン破産」を防ぐための必須知識

変動金利タイプの住宅ローンが危ない!?

現在、日本政府の国債残高は926兆円(2016年9月末時点)となっており、負債は一直線に増えています。

日銀が年間80兆円の国債を買い切る「異次元緩和」を続けてきた結果、現時点で日銀は403兆円の国債を抱えるようになりました。全体に占める日銀の国債保有率は43.5%を突破しています。私の試算では、日銀の国債保有率は2018年4月には51%、2020年4月には62%にまで達します。

一方、我が国の政策金利は20年以上、0%近辺に張り付いています。1990年までの長期金利は高い時で8%、低い時でも4%程度ありましたが、バブル景気が終わった1990年以降は、一度も上昇したことがありません。

我が国の政策金利は1996年から1%未満になっており、直近20年間は歴史的な超低金利が続いているわけです。ではこれからも、この状況がずっと続くのでしょうか?

国債価格と金利はシーソーの関係にあって、どちらかが下がれば、どちらかが上がります。過去20年間は、国債価格が上がっていったので、金利が低下し続けたのです。もし国債価格が下がる場合は、逆に金利は上昇します。

今の日銀は「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を打ち出しており、長期金利を0%前後に固定することをコミットしていますが、もしこのコミットメントが崩れる可能性があるとすれば、それは日本財政の持続可能性に懸念が生じた場合しかあり得ません。

長期金利は次の3つの要因で決まります。

<金利決定の計算式>
長期金利=期待インフレ率+期待潜在成長率+リスクプレミアム

日銀はこの計算式を隠したがっている節があり、Webサイトから消してしまいました。詳しい経緯はブログの記事(金融政策と長期金利の関係、日銀がHPの見解を修正した本当の理由)を参照願います。

すでに、リフレ政策(アベノミクス:2013年~2016年)では、期待インフレ率と期待潜在成長率は上昇しないことが判明しています。もし今後、長期金利が上昇するとしたら、それはリスクプレミアムの上昇によるものということになります。

リスクプレミアムが上昇して、最も困るのは政府ですが、国民も相当に困ります。特に、変動金利タイプの住宅ローンを組んでいる人にとっては、人生に関わる話になってしまいます。どうすればよいのでしょうか?

銀行の「住宅ローン相談窓口」に質問してみた!

そこで思い切って、いくつかの銀行の住宅ローン相談窓口に、電話で質問してみることにしました。とは言え、いきなり「財政破綻の相談」をしても通じませんので、まずは一般的な質問から入ります。すると概ね、どの銀行も同じような対応で、ざっくり次のような会話の流れになりました。

東条:
今、2000万円の住宅ローン借り入れを検討していて、固定金利か変動金利かで悩んでいます。

担当者:
わかりました。もしよろしければ一度、試算させていただきたいと思います。

東条:
はい、お願いします。返済期間25年、2000万円の借り入れで計算をお願いします。

担当者:
まず、変動金利の方なのですが、幅があります。もし優遇金利が適用されれば、0.507%となり、そうでなければ、1.157%です。固定金利の方はフラット35で1.10%です。

東条:
毎月の支払い額はいくらになりますか?

担当者:
元利均等返済で計算すると、変動の優遇金利0.507%の場合、毎月70,994円。優遇なしの変動金利1.157%の場合、毎月76,804円。フラット35(固定金利)1.10%の場合、毎月76,283円です。

東条:
今、この電話で、変動の優遇金利0.507%を適用してもらえるかどうか教えてもらうことは可能ですか?

担当者:
いえ、それは一度、申し込んで審査にかけてみないとわかりません。

東条:
もし変動金利の0.507%が適用されないのだったら、変動金利1.157%になるんですよね?

担当者:
はい、そうです。

東条:
え?ちょっと待ってください。変動の優遇金利0.507%が適用されなかったら、変動金利1.157%よりも固定金利1.10%の方がお得ですよね?

担当者:
おっしゃる通りです。正直、優遇金利0.507%が適用されなかったら、固定金利1.10%の方がお得になってしまいます。

変動金利か固定金利か、それが問題だ

今、住宅ローンの金利がトンデモナイことになっています。優遇金利ではなく通常の金利では、変動金利よりも固定金利の方が低いという事実に驚愕しました。

担当者の人曰く、変動金利か固定金利かで悩む人はけっこう多いとのことでした。なぜなら、変動の優遇金利0.507%は、毎月の支払額を5,289円も下げられるほどインパクトの大きい低金利だからです。

ちなみに、どうしても迷って決められない場合は、固定金利と変動金利を同時に申し込むという手もアリだそうです。

変動の優遇金利0.507%は、申し込んでみないと適用されるかどうかわかりません。そのため、「一度申し込んでみて、優遇金利が適用されるかどうかが判明してから、固定金利にするか変動金利にするかをお客様の方で後から選んでも良いですよ」というアドバイスを受けました。

さて次ページでは、いよいよ本題の質問をぶつけてみます。

Next: 「もし日本が財政破綻したら、住宅ローンはどうなりますか?」

1 2 3 4 5

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらTwitterでMONEY VOICEをフォロー

ついでに読みたい