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額に汗して到達する「日本のトップ5%」年収1000万円を実現する思考法=俣野成敏

現在、マネースクールを運営している僕のところには、たくさんのお金に関する相談が舞い込んできます。質問者からよく聞かれるのが、「投資をしたくても元手がない」という声です。おっしゃる通り、お金を増やしたくても、元手がなければ投資をすることはできません。

そういう人は、資金がないがゆえに「ハイリスクハイリターン」な考え方に陥りがちで、そうなると、短期的視点からモノごとを判断してしまうことが多くなります。

そこで今回は、「投資を行うための元手のつくり方」ということで、「キャッシュフローを増やすための考え方」をお送りいたします。この考え方を身につければ、日本のトップ5%といわれる年収1000万円を目指すのも夢ではありません。僕が見たところ、成功者はみな、この考え方を理解し、実践しています。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任する。2012年の独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、マネープランの実現にコミットしたマネースクールを共催。自らの経験を書にした『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、『トップ1%の人だけが知っている』(日本経済新聞出版社)のシリーズが10万部超えに。著作累計は44万部。ビジネス誌の掲載実績多数。『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも数多く寄稿。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』を3年連続で受賞している。

※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2016年10月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

年収1000万円への道。成功者はこの考え方を理解し実践している

サラリーマンが稼げないワケ

現在、サラリーマンの給料は、頭打ちが続いています。国税庁の調査によると、2014年のサラリーマンの平均給与は415万円。1997年の467万円をピークに、ジリジリと下がり続け、いまや年収400万円も目前にまで迫っています。

今、サラリーマンという職業は危機に瀕しています。国の経済成長率は鈍化し、企業も一様に、元気がありません。企業の売り上げが上がらなければ、そこに依存しているサラリーマンの給料も上がらないのは自明の理です。

【関連】「確定拠出年金は入るべきではない」というシンプルで衝撃的な結論=俣野成敏

そこで、僕がオススメしているのは、「ハイブリッドクワドラント」という、クワドラントを分散することです。

クワドラントとは、「Eクワドラント:従業員」「Sクワドラント:自営業者」「Bクワドラント:ビジネスオーナー」「Iクワドラント:投資家」という、4つの職業区分のこと。クワドラントの分散については、Vol.12「投資の概論編」などでもお話しましたが、早い話が兼業をすることです。

兼業といっても実際は、「兼業しやすいクワドラント」と「しにくいクワドラント」があります。本特集を通じて、それぞれの可能性を探っていくことにしましょう。

サラリーマンが収入を増やすには

一般に、サラリーマンが収入を増やす方法とは、次の3つがポピュラーな方法です。

《サラリーマンが収入を増やす方法》

  1. 給料を上げる(Eクワドラントを極める道)
  2. 副業をする(Sクワドラントとのハイブリッド)
  3. 投資をする(Iクワドラントとのハイブリッド)

ロバート・キヨサキ氏が提唱したキャッシュフロー・クワドラントについては、これまでにもたびたび解説してきました。これがなぜ、そんなに大切なのかというと、これらが「お金を稼ぐ方法」を示しているからです。

キャッシュフロー・クワドラント図

もともと、EクワドラントとSクワドラントは、自分自身が働いて、お金を生み出す源泉となっているため、どんなに頑張っても、やがて頭打ちになる時がやってきます。「自分」という、物理的時間的限界が壁となるのです。

サラリーマンの時間不足を解消しようと、本屋には、効率を追求している本がたくさん並んでいます。速読、早起き、段取り……これらを実行すれば、ある程度の成果はあるかもしれません。

しかし、これだけははっきりいえます。それは「どんなに頑張っても1日24時間は絶対に増えない」ということです。このように、自分ひとりで稼げるお金には限界があります

そこで、「自分以外のモノに、代わりに働いてもらおう」というのがBクワドラントやIクワドラントの発想です。Bは他人を雇用して働いてもらい、Iはお金自身に働いてもらおうという考え方です。

ただし、BやIを行うためには原資が必要になります。多くの人がここで足止めされており、「始めたくても始められない」というジレンマに陥っているわけです。

労働分配率とは

これまで、ほとんどのサラリーマンは、収入を増やすためには「自分の給料を上げることだ」と考えて、仕事に打ち込んできたと思います。けれど、「サラリーマン」というシステム上、会社の収入が増えない限り、どのみち給料が上がる見込みはありません。

もともと、サラリーマンとは稼げない構造になっています。それはどういうことかというと、労働分配率が関係してきます。

通常、会社は材料などを仕入れ、加工して商品・サービスにしたものを販売し、利益を得ています。この利益とは、商品に付けられた「付加価値」です。

たとえば、仕入れてきたりんごを、ただ並べて売るだけの企業では、基本的にりんごにつけられる付加価値とは、「りんごを運んできた手間賃」や「美味しいりんごを選んできた選別料」などになるでしょう。しかし、このりんごをアップルパイに加工した場合は、その分の加工料や技術料などを上乗せできます。これが付加価値(利益)の差です。

僕らが通常、使用しているさまざまなサービスや商品には、何かしらこうした付加価値が上乗せされています。商品に、いかに高い付加価値を付けられるかが、商売をする者の腕の見せどころということです。

労働分配率とは、会社がこのように生み出した付加価値のうちの、人件費が占める割合のことをいいます。 先ほどの例でいうなら、50円分のりんごを200円のアップルパイに加工した場合、150円の利益のうちの何%が人件費なのか?ということです。

労働分配率の計算式と目安

サラリーマンの方は、ご自分が商売をされる場合の情景を思い浮かべていただければお分かりだと思いますが、一般に、何かの商品やサービスをつくり出すためには、材料を仕入れ、それを加工する手間がかかります。

つまり、商売をするには、最低でも材料を買う「お金」と、加工するための技術や「時間」を必要とするということであり、その2つのリスクを負うことを意味します。

ところが、サラリーマンの場合は、時間のリスクしか負っていません。基本は自分のお金を出す必要がなく、商売に対するリスクも会社が責任を持っています。だから、その分だけ取り分が少なくなるのです。

このように、「何に対してリスクを負っているか?」ということで、リターンも決まってきます。

「給料が1000万円欲しい」といったところで、会社がそれだけの利益を上げていなければ、払うことはできません。もし、あなたがもっと収入を増やしたいと思うのであれば、先にその分だけのリスクを取る必要があるということなのです。

Next: 「自分がいなくても回る会社」を作る/売れるビジネスを見抜け



Bクワドラントとはどのような職業なのか?

実際、社会には、サラリーマンだけでも1000万円以上稼いでいる人はたくさんいます。けれどそれは、本人の頑張りはもちろんのことですが、それ以外に働いている会社の業種や職種なども関係してくるのではないかと思います。

たとえば、営業職の人であれば、営業成績によって給料を上げやすいでしょうが、事務職の人が飛び抜けた給料をもらうのはなかなか難しい、といったようにです。

社会全体として見てみると、今の日本は企業が利益を上げづらい環境にあることは、先ほどお伝えした通りです。キヨサキ氏は、「経済的自由」を手に入れるために、E(サラリーマン)からB(ビジネスオーナー)かI(投資家)への移行を推奨しています。

ビジネスオーナーとは?

キヨサキ氏が推奨しているクワドラントのうち、まずはBクワドラントから見てみましょう。

Bクワドラントとは、自分でビジネスを起こし、「会社を所有している人」という意味になります。Bクワドラントには、お金以外にマネジメントという、別の能力が必要です。つまり「他人を動かす力」です。

ビジネスオーナーの中には、コンビニの店長のように、お金を出すだけではなく、自ら働く人もいますが、その場合はビジネスオーナーとはいわず、「自営業」という位置付けになります。もし、自分が店頭に立たないとビジネスが回らないというのであれば、サラリーマンとのハイブリッド(掛け持ち)は厳しいかもしれません。

ただし、ビジネスオーナーといっても、必ずしも自分でイチから商品をつくらないといけないわけではありません。「代理店」や「フランチャイズ」など、他で成功しているビジネスモデルを買ってきて販売してもいいわけで、そうすれば、失敗する可能性をその分、低くすることができます。

ここでも、加盟店料を支払う代わりにリスクを低くするという「取るリスクとリターン」の相関関係が見てとれます。

いずれにせよ、自分がいなくても運営できる会社を築くことができれば、そこで自分の時間を使うことはありませんから、そうなれば、理論上はサラリーマンとの掛け持ちは可能です。

売れるビジネスを見抜く方法

それでは、もしビジネスオーナーになりたいと思った人は、具体的にはどのようなビジネスを選べばいいのでしょうか?

売れるビジネスを選ぶポイントとなるのは、

  1. しっかりしたマーケットがあるのか?
  2. 他と差別化できる商品があるか?

……の2つです。

たとえば、僕が現在、ビジネスオーナーとして運営しているのはフランチャイズで、健康分野の1つにおける特化型の専門店です(※具体的な業態やチェーン名はメルマガ内でのみ公開しています)。

これを選んだ理由とは、

  1. 既存の健康分野に、すでに大きなマーケットがある
  2. しかも、既存の分野とは違う複数の差別化商品がある

……などの点からです。

僕がこの業界に参入したのは5年ほど前のことで、それ以前に関連業界にいたことはありません。当時の業界は、まだ今ほどの価格破壊は起きていませんでしたが、すでに市場は飽和状態に近づきつつありました。

けれど、業界自体はすでにユーザーには認知されていて、潜在顧客を含めた需要は豊富にありました。ここに従来と同じ切り口で参入すると難しいのですが、商品で明確な差別化ができていれば、背後には巨大なマーケットが控えていたのです。

このフランチャイズは、僕が考えていた「成功するビジネス」の条件にぴったりの商材だったわけです。

「商品を差別化する」というのは、世間でよく言われることですが、それはただ単に、「デザインを変える」とか「価格を変える」といったことではなく、もっとコンセプトから差別化できている商品でなければなりません。

そうかといって、世の中にまったく知られていない商品にしてしまうと、それはそれでまた大変です。なぜなら、マーケット自体がないからです。

僕は、もともと商品づくりは苦手です。世の中に、僕と同じ人は大勢いると思います。そういう人でも独立したい場合は、こうした「目利き」になればいいのです。

その目利きとはつまり、「どういうものなら商売として成り立つのか?」「世の中に求められているのか?」ということを見抜く力を持つということです。弊社が参入した事業は、参入した5年前には7店舗しかありませんでしたが、今では海外も含めて110店舗と、急拡大しています。

とはいえ、目利き力さえあればビジネスがうまくいくかというと、そういうわけではありません。何から何までうまくいくビジネスモデルなど存在しません。

弊社は、1年1店舗のペースで現在、5店舗目を計画中ですが、同じフランチャイズチェーン店の中でも、残念ながら撤退する店舗が出てきているのも事実です。

いずれにしても、この「目利き力」を養うことは、ビジネスマンとしても、投資家として投資対象を見る際にも、必須のスキルとなります。
※マネジメント力やビジネスセンスを磨くなら、拙著『わりきりマネジメント』『一流の人は上手にパクる』もぜひご参照ください

Next: 副業から独立起業をするには?どのような商材を扱えばいいのか?



副業から独立起業をするには?

さて。続いてS(自営業者)についてです。Bクワドラントを始める際には、元手がかかるのが普通ですから、まずはSクワドラントから始めて、そこからBクワドラントへの可能性を探る、というのが一般的です。

Sクワドラントは、元手をあまりかけずにひとりで小さく始められることが利点のひとつになっており、たとえば「週末起業」などがそれに当てはまります。

ここでは、サラリーマンしか経験したことのない人向けに、「副業→自営業者」への流れを説明することにしましょう。

ハイブリッドクワドラントの注意点

まず、最初にご注意いただきたいのは、「副業=週末アルバイト」と勘違いしている人がいる、という点です。

「余剰資金が欲しいから」と短絡的にアルバイトすることを考える人がいますが、たとえ一時的にせよ、Eの掛け持ちはオススメできません。働く時間を増やせばお金は増えるかもしれませんが、本業以外で行うアルバイトは多くの場合、「自分の労働単価を下げる」行為となりがちです。

これがたとえば、「将来的に自分でも居酒屋を開きたいから、居酒屋でアルバイトをして、その仕組みを学ぶ」などの目的があるというのであれば、話はまた別でしょう。しかし、ただ単に「お小遣いを増やしたいから」という理由で労働時間を増やすようでは、本業にも支障が出かねません。時間は貴重な資源ですから、無為に消費することのないようにしたいものです。

Sクワドラントとは多くの場合、「自分の技術を売る」ことですが、技術を売るためには、必然的に自分の時間を使うことになります。よって、Sは「時間を売る」ことだといい換えることができます。

商売をする以上、Sクワドラントも時間とお金の両方にリスクを負うことになりますが、自分の技術を売る場合、お金はそこまでかからないことが多いでしょう。

もし、EとSをハイブリッド(兼業)する場合に問題となるのは「時間」です。どちらも時間を取られる職業ですから、一時的に自分への負荷が上がることは、避けられません。

けれども、サラリーマン以外に仕事を持つことは、新しい可能性が開けることを意味します。今までとは違った目線から仕事を見つめられるようになったり、Sでやっていることが本業にも役に立ったりと、相乗効果が見込めます。何より、サラリーマン以外の収入が入ってくるということは、自分にとっても大きな自信となるでしょう。

そういう意味でも、「Sクワドラントとして何をやるか?」という選択は、非常に重要になってきます。将来的には、独立起業も視野に入れた業務を選ぶことが望ましいでしょう。

どのような商材を扱えばいいのか?

それではここから、「Sクワドラントにチャレンジしたい」という人は、どのような商材を選べばいいのかということをお話しましょう。もちろん、まずはいい商材を探すということが、大前提であることはいうまでもありません。

商材を選ぶ際のポイントとは、

  1. 商材自体に力がある
  2. ユーザーが喜んでくれるモノである
  3. これからの時代に合っているモノである

……といった観点から考えていきます。

そこへさらにセールス、マーケティング、自分のブランディングなども含めて検討しますが、これに関して詳しくは、Bクワドラントのところでお話した「売れるビジネスを見抜く方法」なども参考にされるといいと思います。

Sクワドラントとは、自分の技術を売る職業ですから、一番の肝とは「自分のどの技術を売るのか?」という点にあります。おそらく、あなたがもっとも知りたいこととは「自分の売れる技術とは何か?」ということではないでしょうか。

Sクワドラントを始めるにあたっての、「自分の売りモノ」を特定する秘訣とは、次の3点です。

《「自分の売りモノ」を特定する秘訣》

  1. 自分が始める事業とは、あるプロジェクトの一部分だけでいいこと
  2. 事業のネタは、日常の中にあること
  3. ヒントは、他人が「困っていること」の中にあること

(1)は、受注する仕事内容のことをいっています。「何かの仕事をひとつ、丸ごと受けよう」と考えてしまうと難しそうですが、実際は、ある業務の一部分を受けるだけでも立派な仕事になる、という意味です。

たとえば、出版を例に考えてみましょう。1冊の本を出す際にも、実際は多くの工程を経ています。著者として名前が出るのは僕ひとりであっても、本の装丁デザイナーやイラストレーター、編集者やライター、印刷業者、製紙会社……そこには、大勢の人が関わっています。

こうした、たくさんの専門業務が集まってひとつになっているビジネスの中で、「自分が請け負える部分はないだろうか?」と考えてみることです。

一例を挙げるなら、ある出版社の営業マンは、会社の承認を得て、仕事の合間に友達の本も書店に売り込む副業をしています。Sクワドラントを立ち上げる際のコツとは、自分の身の回りにある小さなことから始めることです。

続いて(2)についてですが、先にも書いた通り、事業のネタは、自分が今までやっていることの中から見つけることです。逆に、「今はこれが流行っているから」といって、他人の真似をしても、うまくいかないことの方が多いでしょう。他人の方が、早く始めた分だけノウハウを蓄積しているからです。

商売とは、基本的には「何かを売ること」です。たとえ「自分は事務が得意です」という人であっても、それを事業にするとなれば、「事務の技術を売る」ということになります。

万一、「自分のどの技術を売ったらいいのかわからない」という人がいたら、その場合は「他人の商品を売る」という方法もあります。世の中には、自分の商品を売って欲しい人は大勢いますから。

通常、サラリーマンとして会社に所属していれば、会社から「これを売りなさい」という指示がありますが、自営業者にはそれがありません。そうした誰からも指示がない中で、「自分は何を選んで売っていくのか?」というところから、事業化の第一歩が始まるのです。

Sクワドラントでは、他人がやってるビジネスのうち、「自分が受け持てる業務はどれか?」と考えることが大きなヒントになります。日常業務の中で、もっとも事業化しやすいのは、(3)で挙げた「他人が困っていること」です。

「企画書を書くのが大変」「顧客へのフォローメールが面倒」「誰か代わりにアポ取りしてくれたら……」。同僚や上司が困っている、こうしたことの中で、あなたが得意としていることはないでしょうか?

もし、いきなり事業化をするのが難しいということであれば、まずは社内でこうした仕事を見つけて、代わりにやってみてはいかがでしょうか?普段の仕事で経験を積み、自信がついてきたら、知り合いにも声をかけてみて、手応えがあれば事業化する……というように、徐々に広げていくことです。これが、「事業のネタが日常の中にある」の意味するところです。

事業を興すというと難しく聞こえるかもしれませんが、実際は、自分の日常の延長から始めればいいのです。

Next: サラリーマンはビジネスにおける最高の「実験場」だ



「サラリーマン」から「事業者発想」になる

ここまでお読みいただければもう、お分かりだと思いますが、どのクワドラントへ移行するにせよ、基本はEクワドラント(サラリーマン)です。先ほどもお伝えしたように、Eクワドラントの日常の中にSクワドラントの種があり、それがやがてBクワドラントへとつながっています。

Eクワドラントでの日々の積み重ねが、年収1000万円のベースには流れています。どこかに年収1000万円を稼ぎ出す、すごい秘策があるわけではありません。それは、あなたが今、毎日取り組んでいる中にこそあるのです。

サラリーマンはビジネスの「実験場」

さて。「労働分配率とは」のところでお話したように、確かにお金のリスクを負っていないサラリーマンは、その分、取り分が少なくなっています。ですが、考えようによっては、これほど恵まれている環境もありません。

「サラリーマン」とは、給料をもらいながら、ビジネスのトレーニングが積める場所です。サラリーマンの最大の利点は、リスクは会社持ちでありながら、ビジネスの実験ができることです。僕も、30歳の時にリストラ候補となった後に、起死回生を狙って社内ベンチャーに応募して、ビジネスの勉強をさせてもらいました。

確かに、社内ベンチャーに応募できる機会はそうそうないかもしれません。けれど、会社が営業している以上、社内では生き残りをかけて、絶えず新たな動きがあるはずです。

たとえば、僕が出版でお世話になっている出版社の社長は、サラリーマン編集者だったころ、ある企画をどうしても通したいと考えた挙句、「この企画が万一、うまくいかなった場合は、責任を取って賞与を全額返上します」といって、その企画を通しました。

その企画は大ヒットし、何十冊にも続くベストセラーシリーズとなりました。

このように、負えるリスクの範囲内で小さなプロジェクトを任されることも立派な「社内ベンチャー」です。

あなたもぜひ、サラリーマンという今の立場を、最大限に活用することを考えてみてください。心配しなくても、リスクを負っているのは会社ですから、そもそも会社を危うくするような仕事は、あなたの元には回ってきません。

つまり逆をいうと、あなたに任された仕事というのは、最悪、失敗しても会社には損傷ないものだということです。

会社から与えられている範囲内で、極限まで自分の可能性を試していくと、だんだん動ける範囲や任される範囲が広がっていった後に、やがて限界に達し、給料も頭打ちとなります。そこで初めて、自分の時間にSクワドラントを組み込むかどうかを検討しても、遅くはありません。

Next: でも、今の仕事に本気になれない場合はどうすればいい?



今の仕事に本気になれない場合

この「サラリーマンを思いっきりやろう!」という呼びかけは、僕の処女作『プロフェッショナルサラリーマン』の主張でもありますので、サラリーマンを極める方法に関しては、ここでは詳しく述べません。お知りになりたい方がいらっしゃいましたら、ぜひそちらをお読みいただければと思います。

ところで、サラリーマンで仕事をしている人の中には、自分の意に染まぬ商材を売っている人がいます。

たとえば、保険会社で働いている人など、「この商品は、あっちの会社の方が優れているのに……」と思いながらも、自社商品だからというので、必ずしもユーザーにメリットがあるわけではない商品を、嫌々売っているような場合などです。

確かに自分の商品を、自信を持って売れないのは辛いものです。売らなければ成績にならず、売りたくても確信を持てない、となれば、心に迷いが出る気持ちもわかります。

そういう時は、マーケットを見てください。もし、自分の会社が社会にとって不要な存在なのであれば、いずれ淘汰されるでしょう。

会社が存続を許されている以上、必ず誰かを喜ばせているはずです。「自社商品はよくない」と考えているのは、実際は自分の基準でそう判断しているだけ、という可能性もあります。

何が正しくて、何が間違っているのかなど、誰にもわかりません。正解は、人によって違うでしょうし、そもそも正解があるのかどうかすらもわかりません。

サラリーマンとして会社に属しているからといって、会社のやることすべてに賛成できるわけではないでしょう。しかし、大切なのは「自分自身がどうありたいのか?」ということです。

事業者を志す者は、これくらいのことでめげている場合ではありません。ましてや「嫌だから転職しよう」というのは、自分の経歴に傷をつけるだけです。

もっと「目の前の選択肢を増やす」ことに意識を集中してみましょう。まずは、自分の仕事を再点検してみてください。ビジネスの基礎、お金の稼ぎ方、ビジネスの仕組み化の方法……会社で学べることは、たくさんあります。

これからは、「将来のビジネスのネタはないか?」「自分の売りモノになりそうなものはどれか?」と考えながら仕事をしてみてください。きっと、新しい可能性が見えてくるはずです。


※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2016年10月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。11月3日に配信された本記事の続編「年収1000万円に到達する方法(下)~コンサル現場実例集~」では、著者の俣野氏が相談者に実際にアドバイスを行なった実例も詳しく紹介しています。

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俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』(2016年10月27日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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