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低年収でも「1000万円」は貯められる!20~30代に贈る逆転の貯蓄術=川畑明美

20代は154.8万円、30代は404.1万円が平均貯蓄額。あなたはこれを上回っていますか? もし今、貯金がゼロでも、お金を貯めて大逆転する方法があります。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

まずは月収6ヵ月分を貯めよう。サルでもできる堅実な節約投資術

年収300万円で貯蓄1000万円!?

もしも、年収300万円の同僚の貯蓄額が1000万円もあったら、どう思いますか? しかも1人暮らしで彼女までいるリア充なのに。

実際は、年収300万円でも貯蓄額1000万円は夢の数字ではないのですが、20代や30代で1000万円の貯蓄がある方は少数ですね。

それでは、年代別の平均貯蓄額をご存じでしょうか。厚生労働省が平成28年に調査した国民生活調査によると、20代の平均貯蓄額は154.8万円

20代のあなたは、この貯蓄額を上回っていますか? それとも、少ないですか?

私の事務所にご相談に来る20代の方は、意外にも男性が多いのです。資産残高も平均貯蓄額よりも多く、ご結婚も視野にあって、彼女さんとご一緒に相談にきたりします。

私は40代ですが、同世代の40代男性は短期間で大きく増える投資(というより投機的)商品がお好みです。ところが20代の方は、年金をはじめ社会保障制度の崩壊の記事を見ているので、堅実な投資を好むようですね。

ところが悲惨なのは、20代の高学歴女性からの相談でした。学歴も高く自分の望んだ仕事をしているのですが、非正規雇用なので年収は200万円程度。もちろん貯蓄もありませんでした。

なぜ154.8万円の貯金が必要なのか?

20代の平均貯蓄額154.8万円くらいの貯蓄が必要な理由を考えてみましょう。まず、20代の月額手取り収入の平均は、15~20万円くらいです。仮に月20万円の手取り収入として、154.8万円を割ると、約7.5か月分の手取りと同じくらいになります。

私は投資をする前に、月収の6か月分の預貯金があることを前提としています。これには、根拠があります。例えば、病気やケガで仕事を休まなければならなくなった場合を考えてみましょう。

会社員の場合、従業員のために「傷病手当金」や「高額療養費制度」を用意してくれています。病気やケガで何日か会社を休む場合、傷病手当として、当初の3日間の保障はありませんが、4日目以降は、標準報酬日額の3分の2が支給されます。月収20万円だと月に6万7000円ほど不足します。

また治療費については、高額療養費制度があります。簡単に言うと、1か月に負担しなくてはいけない治療費の上限を決めている制度です。所得区分によって違いがありますが、病気の治療で300万円かかった場合を計算すると、月収20万円だと5万7,600円が上限です。

月収の不足額と医療費を足すと12万4,600円になります。病気やケガで1年間働けなくても平均貯蓄額の154.8万円あれば足りるのです。

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30代では、平均貯蓄額404.1万円よりも上を目指そう

20代の場合、独身の方も多いので、自分の生活を中心に考えればまずは大丈夫です。しかし30代になると、結婚して家族も増える時期です。結婚、出産、住宅取得と出費が多くなってきます。「結婚する予定がないから、貯めていません!」というあなたは、危険信号が灯っていますよ。

前述の厚生労働省の調査結果によると、30代の平均貯蓄額は404.1万円です。あなたは、これよりも少ないですか? 多いですか?

私個人的には、平均貯蓄額よりも少し多めに貯蓄することをおススメします。

なぜなら、30代の結婚前・結婚後すぐの頃が、第一の貯め時なのです。この時期にしっかりと貯蓄しているかどうかで、その後の生活が豊かになるか、みじめになるかの別れ道になってしまうのです。

お金を貯める!シンプルかつ最強の方法

では、どうやってお金を貯めればいいのでしょうか?

まず、最初にして欲しいのは、貯蓄用の銀行口座を新しく作ることです。え? それだけ? って思いましたか(笑)

お金は、見える化することが重要なんです! 口座を分けることで、貯金がいくらあるのかが一目瞭然になります。お給料が出たらすぐに、生活費用の銀行口座と貯蓄用の銀行口座にお金を振り分けてくださいね。

貯蓄用の口座にお金が貯まるとモチベーションが上がります。クライアントさんの中には、喜々として「もう、12万円も貯まりました!」と報告してくださる方もいます。

最初は、普通預金に分けて入れるだけでOKです。私も20代の頃にやっていました。貯蓄用の口座にお金を振り分けますが、どうしても生活費が足りない場合は、貯蓄用口座から引き出したこともありました。

あまりルールを厳しくやり過ぎると、続きません毎月2万円を貯蓄用口座に入れるとして、年間24万円を貯めると決めます。

どうしても不足した場合は、使ってもいいルールにして、翌月以降に使ってしまった金額を上乗せして、1年間で24万円の貯蓄だけはキープしていました。1年間で貯めた24万円の半分は定期預金などに預け替えて、少しでも利率を増やします。

Next: 「見える化」だけで、お金はどんどん貯まりはじめる!



「見える化」だけで、お金はどんどん貯まりはじめる!

最初に貯蓄用の口座にお金を分けるだけで、節約を意識するようになります。ここまでできたら、ザックリとでも良いので年間の収支を書き出してみましょう。

<固定費を節約する>

まず、銀行の通帳を記帳して、収入を書き出して1年間の合計を出します。次に引き出している金額を書き出します。その中で、銀行引き落としになっている費用に気が付くと思いますが、それが「固定費」と言われる費用になります。

まずは、この固定費を節約できるかどうかを考えてみてください。例えば、冬に異常に光熱費がかかっている場合、もしかしたら引っ越した方が節約になるケースもあります。夜中にしか家に帰らない人でも、日中に日当たりの良い部屋だと帰ってから暖房をガンガンにかけなくても割と温かいのです。電気料金が下がったら契約のアンペアも見直しましょう。

<変動費を節約する>

先に紹介した20代で年収200万円の高学歴女性には、引っ越しすることと、お米をご実家から支援していただくことを提案しました。ランチもお弁当に切り替えたところ、上司がお野菜をお裾分けしてくれるようになり、少しずつですが、貯金もできるようになりました。

このように固定費の次に考えるのが変動費です。変動費は、現金として引き出した金額の部分です。食費生活日用品の費用になりますが、これは記録を付けないと把握が難しいのです。

家計簿を付けないといけないとか、難しく考える必要はありません! なるべくレシートの出るところで買い物をして、レシートを1か月取っておくだけでもOKです。私は毎月のレシートを大学ノートに貼っていました。現在でしたら、スマホで撮影してフォルダに分けておくだけでもいいですね。

人によって無駄遣いするパターンが決まっています。例えば、数百円の化粧品をついつい買ってしまう方や、同じ洋服を色違いで購入していたり…。最初は、その無駄遣いの傾向を知るだけでもいいのです。

どんな項目にお金をかけてしまいがちなのかを、理解できればいいのです。その項目の商品は、すぐに買ったりせず、翌日に買うように気を付けてみましょう。翌日になっても欲しいモノであれば購入してもいいのですが、不思議と、翌日には物欲が消えてしまっているものなのです。

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なぜお金持ちは、投資で失敗しないのか?

無理なくお金が貯まってきたら、今度は利率を意識するようにしましょう。お金持ちは投資で失敗しないと、耳にしたことはありませんか?

お金持ちは、しばらく使う予定のない「余裕資金」で投資をしているからなのです。例えば、50万円の貯金があって25万円の株を購入したAさんと、250万円の貯金があって同じ25万円の株を購入したBさんがいたとします。

2人の購入した25万円の株が、10万円に暴落してしまった場合を想像してみてください。

Aさんは元々の総資産50万円が35万円に減ってしまったので、パニックになってしまい、損を確定してしまいます。Aさんは、15万円の損失を出してしまいました。

一方、Bさんは、総資産250万円が235万円に減ってしまいましたが、まだ貯金があるので、値上がりするまでずっと保有を続けました。やがて2年後45万円まで株価が上昇して20万円も儲かりました

つまり、お金持ちは余裕資金が半分以下になってしまっても、慌てることがないのでお金が貯まるのです。最初に話したように、月収の6か月分の貯金ができたら、全体の利率を上げるために、少額から投資を取り入れてみましょう。

投資する時はリスクヘッジを必ず考えよう

総資産の1割を投資にまわして、10%のリターンが得られれば、総額の利回りは1%になります。投資する場合は、リスクヘッジを考えて、逆の値動きをする資産に振り分けましょう。具体的には、株と債券です。現物の株や債券は、ある程度まとまった金額でないと購入できませんので、投資信託からはじめるのも良いですね。

国内の株式国内の債券海外の株式海外の債券この4つを目安に資産を配分してみましょう。わからなかったら、均等割りでもいいです。海外の資産を入れるのは、生活必需品のほとんどを輸入に頼っているわが国では、急激な円安になると生活が苦しくなるからです。

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貯金ゼロ円でも、きっと上手くいく!

最後にまとめです。まずは、何かあっても生活ができるくらいの155万円を目安に貯金をしましょう。貯蓄の第一歩は、生活費と貯蓄の口座を分けることです。

次に固定費の節約を考え、変動費も使いすぎないように「見える化」します。

やがて貯蓄額が増えたら、最初は資産の1割から投資にチャレンジしてみてください。投資をする場合は、リスクヘッジとして、必ず値動きの違う金融商品に分散することです。

これであなたも、貯金0円を脱出して、お金に好かれる家計に変われること間違いありません!

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年9月29日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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