前回、40代や50代で貧乏だったらどうやって脱出するのかという質問を取り上げました。今回は「20代で貧乏だったら?」という質問に対する私の考えを紹介します。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)
※本記事は有料メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2017年6月5日号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。
やってはいけない「チマチマ貯金」 20代が知っておくべきルール
20代で「貧乏」と感じていたら、どうやって脱出する?
前回、「40代や50代で貧乏だったらどうやって脱出するのか」という質問をご紹介しましたが、今度は「20代、30代、60代で貧乏だったら?」というご質問をいただきました。私の個人的な考えをご紹介します。
「20代で“貧乏”と感じていたら、どうやって脱出すればいいのでしょうか?」。私の答えは「貧乏から脱出する必要はない」です。
そもそも20代は、まだ会社から仕事を教わっている立場の人も多いですから、収入は低くて当然です。その少ない収入の中から、さらに貯金のためのお金を捻出しようとすると、家と会社の往復だけの往復バッタ、涙ぐましいカリカリ節約生活になりかねません。
20代だからこそできる様々な経験を捨ててまで節約貯金に励むことは、そんなに価値のあることでしょうか。
ちまちま貯金するより、大きな自己投資を
もちろん、コスト削減が不要ということではありません。たとえば学生時代から大手キャリアのスマホで契約している人も、それなりにITスキルがついているでしょうから、格安SIMに見直してもいいはず。おつきあいの生命保険なども不要です。結婚して子供がいる人は別ですが、独身なら仮に死んだからといって、経済的に困窮する人は多くないからです。
それに、新しいスマホや洋服など自分が満足してそれで終わり、あるいは見栄のための出費が多くて貧乏ということなら、自分の消費性向を見直す必要はあるでしょう。
それよりも、ちまちまお金を貯めるのではなく、未来の自分に投資したほうがよい、つまり貯金はむしろゼロにするくらいが望ましいと考えています。
なぜなら、投資は早ければ早いほど回収期間も長く、回収できる財産(お金だけでなく、人脈や知恵など)が大きくなるからです。50代になってから自己投資をしても刈り取れる期間は短いので、職業人生の残り時間が長い20代こその特権です。
ドラクエでも、スライムを倒して得たゴールドを貯め込んでいるだけでは、前に進めません。より強い敵を倒すために、武器を買ったり仲間を集めたり、稼いだゴールドを再投資するはずです。人生もそれと同じではないでしょうか。
高い建物を建てるには、土台を深く掘る必要があります。そして20代はその土台作りの時期。だから自分の土台作りのために、稼いだお金は全部再投資するくらいでちょうどいいというが私の考えです。
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