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個人投資家が忘れてはならない、東芝<6502>というクソ株の教訓=坂本彰

1月19日の日経新聞によりますと、東芝<6502>の米原子力事業で発生する損失は5000億円を超える可能性があるそうです。東芝は昨年11月にも不正会計で問題になったばかり。それにも関わらず、2016年12月度のNISA口座買い付けランキングで5位となっています。個人投資家は、どんな気持ちで同社を購入したのでしょうか?(『日本株投資家「坂本彰」公式メールマガジン』坂本彰)

上場企業から噴出する悪材料が、たった1つで終わることはない

東芝、米原子力事業の損失「5000億円超」の可能性

1月19日の日経新聞によりますと、東芝<6502>の米原子力事業で発生する損失が5000億円を超える可能性があるそうです。

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その理由ですが、子会社のウエスチングハウスが買収した会社の工事費や人件費など追加コストが膨らみ、買収時の想定をはるかに上回るコストが発生するとのこと。

支払った金額よりも買収する企業の純資産が高い差額分を「のれん」と会計では言いますが、それが当初105億円と見積もっていたものの、実際は数千億円のマイナスとなりそうです。

東芝<6502> 日足(SBI証券提供)

のれんの計算式は下記となっていますが、

子会社株式 ー(時価純資産×親会社持ち分比率)

この式を覚える必要はありません。のれんがプラスになれば資産になり、マイナスになれば負債になるということだけ、覚えておけば大丈夫です。

東芝の場合、105億円の資産に計上されるはずが、数千億円の負債になる可能性があるために大問題となっています(このような事態になってしまった理由や減価償却云々の話は置いておきます。機関投資家でも気づかなかったですし、私も会計の専門家ではないので)。

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危険すぎる賭け…個人投資家は何を思って東芝株を買ったのか?

私から読者様に伝えたいことは「上場企業から噴出する悪材料は1つ、1回では終わらない」ということです。怪しい企業は避けるという心構えで運用方針を作っていきましょう。

東芝は昨年11月にも不正会計で問題になったばかりです。それにも関わらず、2016年12月度のNISA口座買い付けランキングで5位となっています。

個人投資家は、どんな気持ちで同社を購入したのでしょうか?

「知名度があるから大丈夫」
「倒産はしない」
「いざとなったら助けてくれる」

もし、そのような軽い気持ちで投資先を選んでいるとしたら、大変危険です。知名度があっても、ブランド企業でも倒産するときはあっという間ですし、そうなったら投資した資金はゼロになります。

日経新聞では、その隣にタカタがエアバッグ問題がらみで、有力スポンサー候補が2陣営とも法的整理を提案している記事も書かれておりました。

一発逆転は、ドラマや映画のように起こる可能性が非常に低いです。株式投資は資産運用であることをお忘れなく。

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日本株投資家「坂本彰」公式メールマガジン』(2017年1月27日号)より一部抜粋
※太字はMONEYVOICE編集部による

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サラリーマン時代に始めた株式投資から株で勝つための独自ルールを作り上げる。2009年10月、130万円だった株式資産は2015年に5000万円を突破。定期預金などを合わせた資産は1億円に。平成24年より投資顧問業(助言)を取得。現在、著者自身が実践してきた株で成功するための投資ノウハウや有望株情報を会員向けに提供しているかたわら、ブログやコラム等の執筆活動も行う。メールマガジン「日本株投資家 坂本彰 公式メールマガジン」は2014年まぐまぐマネー大賞を受賞。読者数2万人。雑誌等のメディア掲載歴多数。2016年12月1日『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』が日本実業出版社より発売!

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