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勝敗は五分五分。悩める上司の「ハラスメント対策」はここがポイント=奥田雅也

経営者や上司にとって労務トラブルは決して無視できない問題の1つです。いったいどんな言動がハラスメントにあたるのでしょうか?対策と合わせて考えます。(『奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』奥田雅也)

※本記事は有料メルマガ『奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』2017年7月19日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:奥田雅也(おくだ まさや)
事業(医業)経営に関する生命保険・損害保険活用術に精通し、過去20数年間で保険提案した法人数は2,500社以上。現在は大阪を拠点として保険代理店経営・保険営業を行うかたわら、年間60回程度の講演や、業界紙・本などの執筆、コンサルティング業務を展開中。著書に『ここから始めるドクターマーケット入門』(新日本保険新聞社)『法人保険販売の基礎』(電子版・保険社)など。

裁判で負ける「パワハラ」と「熱心な指導」の境界線を見極めよ

昭和生まれにとっては日常茶飯事でも…

最近のマイブームに、法人経営者への情報提供ネタとして「ハラスメント対策」があります。人を雇用している経営者にとって、労務トラブルは決して無視ができない経営問題の1つです。その中に「ハラスメント」があり、一番有名なのはセクハラでしょう。

ハラスメント(harassment)とは、人を困らせること。嫌がらせであり、

などがハラスメントと定義されます。具体的には、下記などの種類があります。

<主なハラスメントの種類>

性的な嫌がらせ:セクシャルハラスメント
職性を活かした嫌がらせ:パワーハラスメント
妊娠・出産・育児に関する嫌がらせ:マタニティーハラスメント
男性の育児に対する嫌がらせ:パタニティーパラスメント
酔った上での嫌がらせ:アルコールハラスメント

昭和生まれでバブルが弾けた後に社会人になった私からすると、こんなことは職場では日常茶飯事だったので何ら気にならないのですが(笑)、時代も変わりましたのでそうも言っていられません。

「セクハラ」と「パワハラ」で異なる裁判

弁護士先生に話を聞くと、セクハラで従業員が訴えてきたものに対してはほぼ事業主側が負けますので、相手にセクハラだと感じさせないような配慮が事業主側には求められます。特に宴席において、お酒が入ると正常な判断ができず、セクハラになってしまうケースが後を立たないので注意が必要です。

ただパワハラについては、実際のところ事業主側が負ける割合は五分五分だそうで、ここはしっかりと対応して主張すれば従業員に負ける可能性はかなり低くなるそうです。

Next: 裁判ではここが見られる!「パワハラ」と「妥当な指導」の違い



どこまでがパワハラなのか?

社員や部下を指導する際に「どこまでがパワハラか?」というテーマは、結構、興味を持っておられる経営者が多いので、経営者と話すには格好のテーマです。

悪質ないじめや人格否定はもってのほかですが、社員のことを想うがあまりに熱心な指導や指示をした際に社員側が「パワハラ」だと認識することもありえますし、熱心な指導や指示が原因だとして精神疾患を訴える社員が出ることも想定できます。

この場合、大きなポイントとして

などが挙げられます。

昔は、仕事ができないことに対して執拗に叱責され、全人格を否定される指導を受けてきた私にとっては、非常によくわかるポイントです(笑)。「罪を憎んで人を憎まず」ではないですが、ミスを叱責しても、人格まで否定しないということが重要なポイントになります。

あと、いわゆる「窓際族的な扱い」として他の社員から隔離をしたり、過小な業務だけをさせることもパワハラとして認められるリスクがあります。これも先ほどのポイントと同じで、

がポイントとなりますので、このあたりを外していなければ、パワハラだと言われても事業主側が負けない可能性は十分にあります。

ただ注意しないといけないのは、能力以上の過大な業務を依頼して負荷をかけることは「業務遂行上妥当な指示」であったとしても、事業主側が負けてしまう可能性は十分にある点です。

特に人手が足りない中小零細企業の場合、過大な業務量により負荷がかかり過ぎると、残業代や長時間労働の問題が発生し、パワハラだけでは収まらないトラブルに発展する可能性がありますので、この点は非常に注意が必要です。

Next: 今日からできるトラブル防止のコツ/まさかの「マタハラ」認定も!?



今日からできるトラブル防止のコツ

私も経験があるのでわかりますが、部下を叱って指導することは、ものすごいエネルギーが必要です。このエネルギーを正しく使えば問題ないのですが、感情的になるあまりに、部下の人格を否定するような発言はご法度ということです。

私が経営者の方にお話するのは、次のようなことです。

「自分もサラリーマン時代は中間管理職として、数多くの部下を育成指導してきました。その時に、当時の社長から『育成指導のポイントは“Warm Heart Cool Head”だ』と言われて腑に落ちたので、これを心がけてきましたし、今も心がけています」

要するに、頭はあくまでも冷静に、暖かい心を持って育成指導をするということで、怒りや感情に任せて指導をしてはいけないという教えです。この話をすると結構、経営者には喜ばれますので、使えるネタとして使ってください(笑)。

まさかの「マタハラ」認定も!?

あと、出産や育児に関する「マタハラ」「パタハラ」は、ふとした言葉からそう受け止められかねないですから、男女問わず、社員の育児については十分な配慮が必要です。

特に女性が多い職場においてはこの手の話は非常に多いですし、医療機関にとっては、経営者である医師が医学的な見地からスタッフにアドバイスをしたことが「マタハラ」として受け止められるリスクがありますので、十分な注意が必要です。

トラブル談義から商談へ繋げる

この手の話で盛り上がりますと、事前の対策も必要ですが、万が一のトラブルに備えて損保商品の提案に繋げることができます。

いわゆる「雇用慣行賠償責任保険」がこれに該当し、この商品への導入にもつながりますので、損保が扱える人はハラスメント系の知識を持っていた方が良いでしょうね。

ただし、保険を売ることだけを目的にすると、単に危機感を煽って経営者に嫌な印象だけを与えてしまいますので、事前の対策をきっちりとお話した上での事後対策として保険への動線にすることをお忘れなく(笑)。

【関連】【法人営業道】「社長には会える、でも契約が取れない」さあどうする?=奥田雅也

パワハラについては、ご丁寧に厚生労働省がいいHPを作っていますから、お時間のある時に見て情報収集をして見てください。特に代理店主は必見ですよ(笑)。

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・ハラスメント対策(7/19)
・決算書を見せてもらう方法(7/12)
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※本記事は有料メルマガ『奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』2017年7月19日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』(2017年7月19日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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