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初心者でもわかる!アメリカ雇用統計ダイジェスト 過去半年の値動きにみる傾向と対策

FX取引を始めるなら、必ず知っておきたい重要指標が「アメリカ雇用統計」です。発表日時や過去の傾向など基本を押さえて、毎月恒例の一大イベントをうまく乗り切りましょう!

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そもそも雇用統計ってなに?

アメリカ雇用統計は、米国労働省が毎月第1金曜日の夜に発表する経済指標です(現地夏時間の4~10月は日本時間21時30分、現地冬時間の11~3月は日本時間22時30分)。

米雇用統計では毎回10数項目の数値が発表されますが、その中でも「非農業部門就業者数」と「失業率」がもっとも重要。

事前予想と結果が大きく食い違った場合など、サプライズから短時間で大きな為替変動が発生し、ドル/円レートはもちろん、他の通貨ペアや海外株式市場、日経平均先物、週明けの株価にまで影響を及ぼします。

今回は過去半年分のアメリカ雇用統計について、どのような発表結果によって、どのような値動きが発生したのか、ドル/円レートを中心に振り返ってみましょう。

2014年11月米雇用統計(2014年12月5日 22時30分発表)

【非農業部門雇用者数】 予想:23.0万人 / 結果:32.1万人
【失業率】 予想:5.8% / 結果5.8%
【発表直前のドル/円レート】 120.50円前後
【発表直後の変動方向】 ↑ 円安
【発表後30分の高値/安値(変動幅)】 121.38円前後(約+0.85円)
【週明けのドル/円NY終値】 120.67円

非農業部門雇用者数が事前予想よりも良い結果に。120.50円前後で推移していたドル/円は、発表直後にいったん下方向にフェイントをかけてから一気に円安方向へと動き、一時121.40円に迫る場面もありました。

しかし急激な円安はすぐに落ち着き、週明けのNY終値ベースでは、雇用統計発表直前のレートよりやや上の120.67円まで戻しています。

Next: 事前予想を上回るも円高になった理由は? 2014年12月米雇用統計

2014年12月米雇用統計(2015年1月9日 22時30分発表)

【非農業部門雇用者数】 予想:24.0万人 / 結果:25.2万人
【失業率】 予想:5.7% / 結果5.6%
【発表直前のドル/円レート】 119.00円前後
【発表直後の変動方向】 ↑ 円安
【発表後30分の高値/安値(変動幅)】 119.76円前後(約+0.75円)
【週明けのドル/円NY終値】 118.32円

非農業部門雇用者数、失業率ともに事前予想を上回る好結果となり、指標発表直後は素直に円安ドル高で反応しました。

しかしながら、発表された数値のうち賃金の伸びがマイナスになったことなどへの懸念から一転、円高方向へ。この日は米国株式も大幅安で取引を終えています。

2015年1月米雇用統計(2015年2月6日 22時30分発表)

【非農業部門雇用者数】 予想:22.8万人 / 結果:25.7万人
【失業率】 予想:5.6% / 結果5.7%
【発表直前のドル/円レート】 117.10円前後
【発表直後の変動方向】 ↑ 円安
【発表後30分の高値/安値(変動幅)】 118.60円前後(約+1.5円)
【週明けのドル/円NY終値】 118.63円

非農業部門雇用者数は予想を上回ったものの、失業率が予想を下回って前回よりも悪化。好材料か悪材料か微妙な発表結果となりましたが、市場は利上げへの期待からドル買いで反応、米国株も買われました。

その後、NYダウは引けにかけて売られ、前日比マイナスで取引を終了したものの、週明け以降も円安の動きは止まらず、月曜日のドル/円NY終値は118.63円となりました。

Next: わずか30分で+1円の暴騰、NYダウは大幅安! 2015年2月米雇用統計

2015年2月米雇用統計(2015年3月6日 22時30分発表)

【非農業部門雇用者数】 予想:23.5万人 / 結果:29.5万人
【失業率】 予想:5.6% / 結果5.5%
【発表直前のドル/円レート】 119.90円前後
【発表直後の変動方向】 ↑ 円安
【発表後30分の高値/安値(変動幅)】 120.90円前後(約+1.0円)
【週明けのドル/円NY終値】 121.15円

非農業部門雇用者数が事前予想を6万人も上回り、失業率も5.5%に改善するなど、ポジティブサプライズとなりました。

市場では早期利上げ期待からドルが買われ、発表後わずか30分で+1円という大幅な円安が進行。

ただし株式は金融引き締めへの懸念から売られ、NYダウは前日比279ドル安でこの日の取引を終えています。円安ドル高の傾向は週明けも変わらず、121円台をつけました。

2015年3月米雇用統計(2015年4月3日 21時30分発表)

【非農業部門雇用者数】 予想:24.5万人 / 結果:12.6万人
【失業率】 予想:5.5% / 結果5.5%
【発表直前のドル/円レート】 119.60円前後
【発表直後の変動方向】 ↓ 円高
【発表後30分の高値/安値(変動幅)】 118.80円前後(約-0.8円)
【週明けのドル/円NY終値】 119.52円

失業率は事前予想通りでしたが、非農業部門雇用者数が予想を大幅に下回るネガティブな数字に。利上げ期待の後退から、マーケットはドル売りで反応しました。

またこの日の米国株式市場はグッドフライデーの祝日により休場でしたが、ダウ先物は150ドル超の下落となりました。

ただ週明けのドル/円は、雇用統計発表前とほぼ変わらない119.52円まで戻しています。

Next: 瞬間的な円高は絶好のチャンス?アメリカ雇用統計の傾向と対策

2015年4月米雇用統計(2015年5月8日 21時30分発表)

【非農業部門雇用者数】 予想:22.8万人 / 結果:22.3万人
【失業率】 予想:5.4% / 結果5.4%
【発表直前のドル/円レート】 120.20円前後
【発表直後の変動方向】 ↓ 円高
【発表後30分の高値/安値(変動幅)】 119.60円前後(約-0.6円)
【週明けのドル/円NY終値】 120.07円

今月初めに発表された最新の雇用統計です。非農業部門雇用者数と失業率はほぼ事前予想通りの数字だったものの、前回の雇用者数が下方修正されるなど全体としてはややネガティブな結果となりました。

ドル/円は、発表直後の10分間で119.60円前後まで下落、すぐ120円台にリバウンドするなど乱高下。その後あらためて円高が進行し、119.70円前後で膠着状態となりました。

ただ、このような状況にもかかわらず、NYダウは堅調に推移。為替に関しても週明けには発表前とほぼ同程度の水準まで戻すことになりました。

過去半年の値動きにみる、米雇用統計の傾向と対策

いかがでしたでしょうか?ドル/円の値動きを追ってみれば、米雇用統計がマーケットに対し非常に大きな影響を与えることが一目瞭然だったかと思います。

大まかな傾向として、雇用者数が事前予想よりも多ければ円安方向、事前予想よりも少なければ円高方向に動いているのがわかりますね。

また週明けのドル/円レートが雇用統計発表前とさほど変わらない水準にまで戻る現象も頻繁に起こっていました。こうした傾向をつかんでおけば、実際の取引でもたいへん参考になるはずです。

とくにFX初心者の方は、「今夜、雇用統計がある」ことを知らずにポジションを持ち、急激な値動きで損をしてしまわないようにカレンダーをチェックしましょう!

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