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「初めてのバブルは、ビットコインでした」そんな若者に伝えたい昔の話=田中徹郎

人は長年の経験を蓄積してもなお、どうしても「バブル」の誘惑にあらがえない生き物のようです。足元急騰中のビットコインはどうでしょうか?(『一緒に歩もう!小富豪への道』田中徹郎)

プロフィール:田中徹郎(たなか てつろう)
(株)銀座なみきFP事務所代表、ファイナンシャルプランナー、認定テクニカルアナリスト。1961年神戸生まれ。神戸大学経営学部卒業後、三洋電機入社。本社財務部勤務を経て、1990年ソニー入社。主にマーケティング畑を歩む。2004年に同社退社後、ソニー生命を経て独立。

仮想通貨上昇で「億り人続出」の今だからこそ伝えたいことがある

後になって気づく「あの頃のおかしさ」

長い間生きてまいりますと、何度となくバブルを経験するものです。大きいところでは1980年代のバブル。比較的近いところでは、2000年ごろに起きたITバブルです。

このような大きなバブルは、今から振り返るとどう考えてもおかしいとわかるのですが、渦中にいるとなかなか気づかないのが不思議です。

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例えば1980年代のバブル時は、株のPERが60倍を超えていました。PER60倍などどう考えてもおかしいのですが、証券会社は企業の一株利益に不動産の含み益を足しこんだ「Qレシオ」という変な指標を考え出し、株価の妥当性を説いたものです。

後から考えると、その不動産自体がバブル化していたという笑い話です。

後のITバブルも似たようなものです。アメリカのインターネット企業のPERは100倍を超えたりしましたが、そんな理屈は関係ありません。買うから上がる、上がるから買う。ただそれだけのお話でした。

多くの投資家は「バブルの誘惑」にあらがえない

このように物事がサイクルを描きながら一方向に進むときは、必ずと言ってよいほどバブルが生じているものです。

株の世界ではPERやPBR。債券の世界では利回り。不動産の世界では収益率。

このような高安感を図る指標を、私たちは長年の経験から蓄積してきたにもかかわらず、いまだに人はバブルと無縁でいられません。

冷静な判断が常に欲望に負けてしまうということであれば、私たちの経験はいったい何だったのでしょう。

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誰にも止められないビットコインバブルが行き着く先

最近ではビットコインなど仮想通貨です。

1年で20倍になった、1万円で買ったビットコインが100万円になった、億り人続出…などと聞きますと、過去のバブルと似た空気を感じないわけにはゆきません。

しかも株や債券、不動産などと違って、ビットコインには高安感を図るための指標がありません

それだけに、「上がるから買う、買うから上がる」というサイクルがいったん生まれてしまうと、もう誰にも止められません

いずれ、いつものように外的なショックでこのサイクルは逆流するのでしょうが、いったいそれがいつになるのかは神のみぞ知る…。

1つだけ明らかなのは、バブルは膨らめば膨らむほど、破裂した時のショックが大きくなるということです。

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一緒に歩もう!小富豪への道』(2017年12月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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