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【12月米雇用統計】新年最初の金曜夜は「円売りに乗りつつの押し目ロング」を中心に=ゆきママ

昨日から仕事始めで、ちょっとお疲れモードという方も多いと思いますが、海外市場はクリスマス休暇以降、すでに活況を取り戻しており、今日は早くも雇用統計が発表されますので切り替えていきましょう!(『ゆきママのブログでは書けないFXレポート(無料板)』『お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」(有料板)』FXトレーダー/ブロガー・ゆきママ)

今夜の売買戦略は「押し目買い」想定レンジは1ドル=112~114円

今年の雇用統計は比較的重要な位置付けとなる可能性も

年明けの今回の雇用統計が、いきなり重要な意味を持つかというと決してそうではありません。しかし、雇用統計そのものが少なくとも去年よりは重視される可能性がありますので、引き続き注目しておきたいところです。

アメリカの金融政策を決定するFRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長が2月に退任し、パウエル理事が新議長になることはすでにご存知かと思います。パウエル議長就任後の初仕事として、早ければ3月20~21日開催のFOMC(連邦公開市場委員会)で、金利の引き上げが決定されるのではと見られています。

ゴールドマン・サックスが今年の利上げ回数を4回と予想したことで話題となりましたが、もし4回やるのであれば、3月、6月、9月、12月というペースでやらなければ厳しいでしょう。

昨年、イエレン体制下でのFRBにおいては、インフレの停滞は一時的なものとして言い訳を続けてきました。しかし、それも徐々に厳しくなっています。仮に雇用統計などの数字からインフレの兆候が見られないのであれば、利上げを行う正当性が問われることになりますので、今年は去年以上にしっかり見ておく必要があるかと思います。

良好な先行指標により期待感も先行!年末商戦が雇用の後押しか

今年初めに発表されたアメリカの年末商戦の速報によると、売上高は前年比で+4.9%、2011年以来の高水準で、例年より消費が活発で好調だったことが明らかとなっています。

あのアマゾンも昨年10月に年末商戦に備えて全米で12万人を臨時で雇用するとしていましたから、これらを合わせて考えると12月の雇用統計は比較的期待が持てそうですね。

実際、先行指標も良好な数字となっており、期待感もそれなりに高まっていると思われます。それでは、先行指標の数字を確認していきましょう!

先行指標の結果(数値はいずれも速報値)と雇用統計の事前予想値

ややマチマチな数字ではありますが、民間調査のADP雇用報告に関しては25万人増ということで、堅調な雇用増が見込まれています。期待感先行で動いている分、ハードルはそれなりに高めと見るべきでしょう。よほど強い数字が出てこない限り、ガンガン上値を追うという展開にはなりにくそうです。

そして、もちろん注目されるのは平均時給(賃金上昇率)ということになり、前月比+0.3%・前年比+2.5%という事前予想値を上回れるかどうかでしょう。しっかり上回ってくれば、ドルは買いやすくなり、一掃の下支えが期待できると思われます。

Next: 目先は「無限の円売り」を期待したロング戦略で



目先は無限の円売りを期待したロング戦略で

前月の記事でも指摘した通り、株高が続く限りはリスクオンの円売りが積み上がる格好となりますので、引き続き下がれば買い、トレード戦略は押し目買いがベターでしょう。

実際に今週はユーロ買いが強まったことによるドル売りと、株価下落によるリスクオフ(回避)の円高が重なってドル円が押し下げられる場面もありましたが、株価が反発したことで、ドルが買われずとも円売りが強まってドル円は上昇しましたからね。

なので、予想を下回ってドル売りが強まったとしても、NYダウを中心に株価が大きく下げない(NYダウが100ドル未満の下落幅)のであれば、ドル円はロング(買い)でついていきたいところ。

ドル円の日足チャート

チャートに目を向けると、テクニカル的に引き続き112.00円ラインが意識されています。この下の111.70円近辺には200日移動平均線が控えていますので、まずはこれらを目処にして、下がった場合は買い進めていきたいですね。つまり、あっさり200日線を割り込むようなら損切りでしょう。

上値に関しては、まずは目先は113.00円の節目にも近い21日移動平均線が目標となります。越えれば越えたで113円半ばからは上値がかなり重くなってきそうですので、短期であればこの辺りで利食いを検討しましょう。

ドル円に関しては、ドルの見通しが難しい分、どうしてもモミ合い色が強くなっていますので、今回の雇用統計も想定レートは1ドル=112.00~114.00円です。

Next: 「押し目のチャンスがあれば」という意識で参加を



「押し目のチャンスがあれば」という意識で参加を

高い水準では上値の重さを利用したショート(売り)、低い水準では底堅さを利用したロングと、どちらの戦略もアリだとは思いますが、現段階では円売りというはっきりした相場の特徴がありますから、売り買いどちらから入るかといえば、個人的にはロングからの方が良いと考えています。

今回はさほど悪い結果も想定できないので、チャンスはそれほど大きくなさそうですが、平均時給が予想を下回って下げるのであれば、拾っていきたいところです。

やはりパウエル新議長による新体制下でのFRBの方針というのは未知数であり、今回の雇用統計で結論を出せるものではありませんからね。しかも、利上げ先送り観測は株価にとってはプラス材料でもありますので、弱めの雇用統計でも結果的に株価の下支えにはなりますから、ロングからの方が有利かと思います。

これは事前予想値をしっかり上回ってドル円が上昇した場合も同様で、新体制下での方針がはっきりしない以上、ドルが伸び続ける可能性は低そうですので、ほどほどのところで利益を確定して様子を見たいところです。

昨年よりは重要な意味を持つとはいえ、いずれにせよ今回の雇用統計のみでドルの方向性に結論が出るまでには至りませんから、まずは押し目のチャンスがあればといった意識で参加していただければと思います。それでは、今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年1月5日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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