2018年はどういう年になるか?未来は誰にも分らない。しかしそれでも、予測不可能な未来を探る手がかりはある。それが「ゴールデンサイクル」の到来である。(『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』菅下清廣)
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プロフィール:菅下清廣(すぎした きよひろ)
国際金融コンサルタント、投資家、経済評論家、スガシタパートナーズ株式会社代表取締役、立命館アジア太平洋大学学長特別顧問。ウォール街での経験を生かした独自の視点で相場を先読みし、日本と世界経済の未来を次々と的中させてきた「富のスペシャリスト」として名を馳せている。「経済の千里眼」との異名も。著書に『今こそ「お金」の教養を身につけなさい』ほか多数。
「経済の千里眼」菅下清廣の“波動から見る未来予測”新春特別編
「ゴールデンサイクル」が到来
2018年はどういう年になるだろうか?未来のことは誰にも分らない。しかし予測不可能な未来を探る手がかりはある。
まず、景気予測では第一人者の三菱UFJモルガンスタンレー証券の景気循環研究所の嶋中雄二さんは、ゴールデンサイクルの到来を予測している。
ゴールデンサイクルとは4つの景気の波がすべて上昇するサイクルのことだ。4つの波は短期、中期、長期、超長期の景気の波を指す。それぞれ、キチンの波、ジュグラーの波、クズネッツの波、コンドラチェフの波と、発見した経済学者の名前がついている。
その4つの景気の波がすでに上昇し始めていて、2018年はゴールデンサイクルの2年目になる。そして日本は久方ぶりの好況到来、つまり景気がすこぶるよくなると予想されている。
なぜ景気が良くなるのか?
企業の設備投資が拡大する。企業も個人もようやくデフレマインドから解放される。誰もが先行きに楽観的な見通しを持つようになる。
景気だけではない、すべてのものにサイクル・波動がある。景気は好況と不況のくり返し。株式相場も上昇と下降のくり返し。そこには人間心理から生み出される一定の経験法則があり、サイクル、波動となってあらわれる。
前述の景気循環と株価のサイクルはおおむね連動している。当然のことながら、景気見通しが良くなれば、株価は先行して上昇する。
2018年も株価上昇は続く
今の株価のサイクルは、2012年末、安倍政権誕生以来、上昇が続いている。今年は1996年6月の高値2万2,666円を突破した。21年ぶりの高値だ。では2018年はどうなるか?おそらく株価上昇が続くだろう。
その理由の1つは好況到来だ。ゴールデンサイクルが実現しそうだ。
安倍政権は3%の賃金上昇や、設備投資を拡大した企業には20%までの法人税減税を約束しようとしている。その他、教育や医療、介護などのバックアップ(支援)を強化しようとしている。
そしてもうひとつ多くの人に見落とされているようだが、北朝鮮のミサイルの脅威や中国の武力進出に対して、安倍政権は日本の防衛力を大幅に見直し、スケールアップしようとしている。最新の技術力を持った戦闘機や空対空ミサイル、空母の建艦などが計画されている。
それに加えて日米の防衛体制の強化、さらには英国とツープラスツー、外務大臣、防衛大臣どうしの定例会合、同盟関係の構築に動き出している。
いずれの国も軍事力を拡大すれば景気は良くなる。新しい需要が起こるからだ。それに加えて設備投資の拡大、金融緩和の継続という条件が重なれば、好況到来を予測できる。
これで安倍政権が増税ではなく減税でさらに景気を良くし、税収増によって財政赤字を改善してゆくという方向に舵取りすれば未曾有の好景気がやってくるのだが!?
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