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なぜいま暴落した? 投機筋の狙いと想定されるNYダウ「2つの動き」=snowfield

NY市場は上げすぎたことへの利食いがそもそもの原因と考えられますが、なぜこのタイミングだったのでしょうか? 想定される今後の値動きと合わせて解説します。(『snowfieldの世界へ投資 メルマガ』snowfield)

※本記事は有料メルマガ『snowfieldの世界へ投資 メルマガ』2018年2月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

連休明けが正念場。下げ止まるなら3・4・5月と「戻りの相場」へ

要因は「上げ過ぎ」と「利食い」

NY市場は大きな値幅での上下動が続いています。この1週間で、2回の1,000ドル幅を越える下落。さらに2営業日で上から下まで1,000ドル幅の乱高下。

この度のNY市場の大きな下落の原因は何なのか? それは、複合的な要因です。

1つはNY市場はずっと調子が良く、昨年秋からずっと上がってきていたということ。そして、行くところまで行くと当然、利食いが出ます。昨年11月中旬、ダウは2万3,300ドル~2万3,500台でした。それがわずか2か月で26600ドルまで3000ドル上げた!

利食いが出ないわけがないです。最大の原因は、上げ過ぎたことによる、多方面・世界中からの利益確定の売りであるということ。

2か月でダウ3,000ドル幅の上げではあります、数字で言えば大きいように思えます。しかし、ダウ数字は成長していて、パーセントで言うと、2万3,300→2万6,600は「14%」です。

この2か月でベンチマークで14%も上昇したのは、世界中からお金が集まったからです。人とお金が集まるから好循環が生まれて上昇となった。ベンチマークで14%ということは、個別株をやっている連中は完全にベンチマークをアウトパフォームしているので、30%、50%を稼いだ連中が多いでしょう。

昨年の秋から当メルマガでは何度も、「アメリカ株に関わろう、日本の利益の比ではない」と伝えてきました。ベンチマーク14%上昇以上のパフォーマンスを出せました。明らかにアメリカ株はこの2か月間お祭りだったといえます。

メルマガでは先の見通しをお伝えしてて、2月上旬の決算ラッシュあたりから3月まで下落を予想。1月29日のNYダウ177ドル安がスタートの合図となり、現在の大幅安となっています。

NYダウチャートを見てください。9日ダウは2万3,360ドルまで押しました。昨年10月~11月の水準です。約70日かけて上げた値幅を、わずか1,000ドル安2連発で、ほとんどを消しています(実際は1月29日から10営業日)。「上げ100日、下げ3日」というほど、相場では下げる時は早いものです。

NYダウ 日足(SBI証券提供)

なぜこのタイミングだったのか

NY市場は上げすぎたことへの利食いがそもそもの原因ですが、あれほど急激に上げたものが、なぜこのタイミングだったのか?

相場には何らかのアノマリーが存在します。FRB議長就任式に関わる、何らかの洗礼的なものでもあると僕は思います。

2014年イエレン氏就任の時2月3日も2%下げました。翌日の日本は4%の下落となります。2014年のNY値動きを見てみましょう。

2014年1月3日:NYダウ16469ドル
2014年1月21日:NYダウ16414ドル
(この間、NYダウは高い位置で横ばい推移)
1月23日:ダウは前日比180ドルマイナスと下げ開始の合図
1月24日:ダウは前日比318ドル安(-2%)とさらに下げ加速
1月31日:引け値1万5,698ドル➝2月3日引け値1万5,372ドルと326ドル安(-2.1%)
(2月3日はイエレン氏がFRB議長就任式となる)
(この間の下落トータル値幅は-7%)
(この後、ダウはジワジワと日々値を戻し、落ち着きを取り戻す)
2月28日:1万6,321ドル

このように、2014年1月3日から2月3日で、ダウは1,000ドル下げているのです。2014年と同様に、今年2018年も、FEB議長就任のタイミングに合わせての何らかのアノマリーである「FRB議長就任式は洗礼」という下落もプラスαされたと言えます。

現在のNYダウは、2014年に比べて大きく膨らんでいます。2014年当時よりもブレ幅が大きくて当然です。

Next: 秋頃まで軟調の可能性も? 今後に想定される「2つのシナリオ」



今週が正念場。想定される「2つのシナリオ」は

ここで2つのパターンをお伝えします。

<パターン1>

今回の下げの要因は上記のように「上げすぎに対する、一時的な下げ」であるなら、2014年同様に、2月後半に向けてジワジワと値を戻す可能性。

<パターン2>

今回の下げの要因がNY市場9年に及ぶ上昇の終着点であるなら、ここから秋頃まで軟調の可能性。

現時点ではパターン2の可能性は低いです。

NYダウが2万6,600から一時的に2万3,300まで下げましたが、まだ高値から13~14%です。欧州やアメリカの投資家、大きな資金を運用しているところで、1月時点で調整を警告しているところが多数ありました。その調整値幅の平均が13%です。

それぞれその話の延長で、ダウが高値から20%を超える下げになってくると、調整ではなくなる可能性があるといっていました。それは僕も同感です。

もうひと押ししたとしても高値2万6,600ドルから15%~17%で止まるなら、◯◯ショックへは繋がっていかないと考えます。

僕は普段からアメリカや欧州のツイッターでの発信やウェブサイトを見回ることがあります。欧米の著名投資家などの発言や資産運用系の発言です。日本とは温度感やスピード感がまったく異なります。

NY市場は13%安い位置を瞬間で付けました。2万3,360ドルです! ここらで止まってくれるのであれば、5月頃に向けて株価は回復していく可能性があります。今週が正念場であると思います。

高値追いを続ける相場で気をつけること

現時点では大きな値幅となっていますが、相場が成長してダウも大きく育ってきているので、値幅が大きくなるのは仕方がないことで、今はまだ調整の範囲内と言えると考えています。

では、その先について。ダウは2万6,600ドルを再び超えられるのか?

まずその前に、高値追いを続ける相場の中で最も気を付けることがあります。高値を追う相場は、突如としてそこが高値になってしまう可能性を含んでいるということです。場合によっては永遠にということもある。

どんな相場においても、必ずリスク管理は徹底することをお勧めします。損切りラインの徹底です。

どうなったら売るのか? どうなったら切るのか? これは絶対ルールです。相場の永遠の天井で切り損ねた玉は、永遠の含み損を生む玉になる可能性があるからです。それが10玉あると…。恐ろしいことですね。

相場はリスクとリターンです。常にリスクが存在します。

Next: ここから先の相場予想:今回は上げるための下げなのか?



ここから先の相場予想:今回は上げるための下げなのか?

毎年3・4・5月は株価は上がりやすい月です。6・7・8・9・10月は軟調であることが多い。年間でも最も上がる可能性の高いのが3~5月です。

今回は上げるための下げ? そうであるとも言えます。欧州・アメリカ勢のお金持ち運用者など相場を動かす連中は、1月の中旬以降にクリスマス&年始の休暇を終えてオフィスに戻ってきています。1月にオフィスに戻り、2018年度の運用先を決める。実際に資金を動かせるようになるのが、2月中旬以降。これが3~5月に株価が上がりやすい背景です。

彼らが儲けを出すには、ダウ最高値2万6,600から買っていっても何のうま味もない。しかし2万3,000ドル台から2万7,000を目指すとしたら? 値幅で4,000ドル。大きなリターンを生みだせますよね。

上げるための下げ! 戦争が起きたわけでも、大型倒産が起きたわけでも、テロが起きたわけでもない。

であるなら、相場を牛耳る連中が仕込みたいがための大下げ演出であるとも考えられます。すべては相場を動かす大きな力次第です。

連休明けが正念場。下げ止まりを見せて底固く推移するなら、3・4・5月と戻りの相場になっていくだろう。

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※本記事は有料メルマガ『snowfieldの世界へ投資 メルマガ』2018年2月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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snowfieldの世界へ投資 メルマガ』(2018年2月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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