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金メダルに沸くニッポン、なぜビジネスの世界で1等賞の日本人がいないのか?=菅下清廣

平昌五輪で日本人選手が大活躍している。また将棋をはじめ、10代の若い天才が生まれている。対してビジネス分野ではどうか? なぜか金メダリストが生まれていない。(『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』菅下清廣)

※本記事は『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』2018年2月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:菅下清廣(すぎした きよひろ)
国際金融コンサルタント、投資家、経済評論家、スガシタパートナーズ株式会社代表取締役、立命館アジア太平洋大学学長特別顧問。ウォール街での経験を生かした独自の視点で相場を先読みし、日本と世界経済の未来を次々と的中させてきた「富のスペシャリスト」として名を馳せている。「経済の千里眼」との異名も。著書に『今こそ「お金」の教養を身につけなさい』ほか多数。

各分野で開花する若い才能たち。ビジネスで世界に羽ばたくには?

日本の観客に寄せられる賞賛の声

韓国の平昌冬季オリンピックで日本人選手が大活躍している。羽生選手、宇野選手のフィギュアスケートでの金・銀同時メダルは、特に世界の人々の注目を集めたようだ。

レース後の日本人選手のマナーの良さは、世界各国のメディアから賞賛のメッセージが寄せられた。その選手たちだけでなく日本の応援団・観客席の多数の日本人にも多くの賞賛が寄せられた

なぜか?

ブラジル夏季オリンピックの時にも世界のメディアが日本人観戦客のマナーの良さに驚嘆した。帰りには周囲のゴミを拾って片付けて整然と行動したからだ。

今回も各国のメディアによると、日本人たちは日の丸の旗だけでなく、羽生・宇野選手たちと競ったスペインや中国・韓国など外国の国旗も持って、日本人選手を応援するのと同じくらい、他の国の選手たちを応援していたという。それで「日本人はなんてすばらしい、ドウモアリガトウ!」というメッセージが何度も送られたという。

スピードスケートの小平選手の女子史上初の金メダルも素晴らしい。女子カーリングでも強敵スウェーデンを相手に劇的逆転勝利して2位に浮上。特に女子選手の活躍が目立つ。

小平選手が金メダルを取った時のシーンも素晴らしい。涙ぐむライバルの韓国の李相花選手に歩み寄って肩を抱き、いたわるようにスケートリンクを日の丸を肩に一周した。

これには韓国メディアも絶賛。「小平選手の人間性も金メダルだ」と報道した。観客席で見守っていたご両親は感激して「娘を誇りに思う」「こんな幸せなことがあっていいのだろうか」というお母さんの笑顔が印象的だった。

「羽生選手、小平選手、本当におめでとう!まさに日本人の誇りだ」多くの日本の人々に勇気と感動を与えてくれた。金メダルを取るまでの日々の苦しい練習、道のりを支えたご家族や支援者の皆さんにも金メダルを送ってあげたい。

各分野で開花する若い才能

さて、今は平昌冬季オリンピック関連報道一色だが、2月17日土曜日にはもう1つのサプライズがあった。将棋界の天才、藤井聡太さんが、全棋士参加の朝日杯オープン戦の準決勝で羽生善治竜王、決勝で広瀬章人八段を破って、中学生として史上初めての棋戦優勝を果たした。こちらも金メダル級の快挙だ。

藤井聡太さんのプロデビュー29連勝で新記録を達成したことも偉業だが、プロ棋士全員参加型のタイトル戦を予選から勝ち抜いて、将棋界の2人のトップを破っての優勝は見事というほかはない。私は将棋が趣味なので特に感銘した。

今の日本には藤井さんのように、10代の天才が各分野に表れつつある。卓球、ゴルフ、サッカーなどのスポーツの分野だけでなく、芸術、音楽の分野でも天才ピアニスト、ヴァイオリニスト、建築家等アーティストの世界でも多数の金メダリストが現れている。

対して、ビジネス分野は…

それに反して残念ながらビジネスの分野には天才が現れていない。

米国では、アマゾン、グーグル、アップルなどの創業者、天才が次々と登場して世界の革新的なビジネスをけん引している。

日本もかつては、ソニー、ホンダ、パナソニックなど世界を席捲する商品や技術を生み出した天才を輩出した。しかし、その後はビジネス・事業の分野には、ヒーロー・金メダリストは生まれていない。

Next: なぜ日本でビジネス分野の金メダリストが生まれないのか?



ビジネスに魅力を感じない子どもたち

おそらく、戦後豊かで恵まれた環境に育った日本の子どもたちには、会社勤めや工場で働くという仕事・ビジネスの分野に魅力を感じないのだろう。なので、有能な人材はスポーツ界やアーティストの世界を目指す。

かつてはソニー創業者の盛田昭夫、パナソニック(旧松下電器)の松下幸之助、トヨタの豊田佐吉のようなカリスマ経営者がいた。それがいまはいない。

これが、日本経済が1990年代のバブル崩壊後の長期にわたって低迷した理由である。つまり危機を突破する革新的な経営者がいなかったのだ。

今でもそうだが、大企業のトップの大半の経営者はサラリーマン化して、起業家精神を失っている。日本経済が米国など先進国に比べて活力に欠ける理由でもある。

応援したい若い起業家たち

そこで私は数年前から、若い起業家を応援することを主要な事業にしている。

例えばユーグレナ<2931>の創業者・出雲充さん。ミドリムシ、バイオ燃料でジェット機を翼ばたかせる、という大きな夢にチャレンジしている。実現すれば、出雲さんも金メダリストだ。

ユーグレナ<2931> 週足(SBI証券提供)

また、不動産の在庫を持たず、AI・ビッグデータ・クラウドファンディングなどを活用して急成長しているインベスターズクラウド<1435>の古木大咲さん。不動産テクノロジーの分野の先駆者だ。

インベスターズクラウド<1435> 週足(SBI証券提供)

両社は上場間もないうちに時価総額1000億円を突破した。ともに30代の若さだ。

Next: 続々と出始めている若いベンチャー企業家



ビジネス界の金メダル候補たち

ユーグレナ、インベスターズクラウドに続く、若手ベンチャー起業家が続々と出始めている。

金融×ITのサイトで破竹の快進撃を続ける「ZUU」、IoTの旗手「ウフル」、不動産テックの「GAテクノロジーズ」など、金メダリスト候補が台頭してきている。

いずれIPO(新規株式上場)を実現して、東京株式市場を活性化するだろう。

そして夢のあるビジネスを生み出して、日本の子どもたちが、彼ら若い起業家に憧れるようになってほしい

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image by:Sagase48 / Shutterstock.com

※本記事は『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』2018年2月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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菅下清廣の”波動からみる未来予測”』(2018年2月20日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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