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暴落の洗礼を受けたFRB新議長は、「3月利上げ」を粛々と行えるのか?=今市太郎

依然として不安定な米国市場。3月FOMCでの「利上げ」有無が注目されていますが、もし実施となれば、パウエル新議長は自ら暴落のボタンを押すことになります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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世界は楽観的すぎる? 米国債バブルの崩壊が株価に飛び火する

注目されるパウエルFRB議長の手腕

2月3日から崩れ始め、その週明けの5日には大きな下落を示現した米国の株式相場。ここに来て一旦は落ち着きを取り戻したかのようにも見えますが、米債金利は高値水準を維持しており、リスキーな状況は依然として続いています。

そんな中で市場が注目しているのが、3月21~22日の米国のFOMCにおける利上げです。

FRB議長史上もっとも影が薄い存在とさえいわれ、学究肌が多いなかで経済学の学位を一切もたないパウエル氏。就任当初のグリーンスパン氏と同様に、なぜ議長になったのか、どこまでの才覚があるのかまったくわからない存在です。

就任早々に株価暴落の洗礼を受けることとなり、ここからいかにハンドリングしていくのかが大きく注目されることになります。

膨れ上がるトランプ政権の負債。レーガノミクスの20倍規模へ

レーガンが行って大失敗したレーガノミクスは、すでに30年以上も前のことですから、単純に比較できる代物ではありません。しかし、当時の負債は今のレートにして110兆円であり、トランプが減税と財政出動で積み上げようとしている負債総額は2,200兆円です。

日本の国債発行額のざっと2倍規模にまでいきなり拡大しようとしているわけですから、ここで金利が無闇に上昇すれば、確実にネガティブな結果が示現することは間違いありません。

また、企業収益も金利上昇に圧迫され、株式市場をとりまくファンダメンタルズは劇的に変化を遂げることも間違いない状況になりつつあります。

米10年債、ガンドラックが危険視する3%を突破する勢い

新債券の帝王・ジェフリーガンドラックは、昨年から「債券相場は3%を超えると危険水域に入り、株価にも多大な影響を及ぼすことになる」との指摘を繰り返してきました。

その3%超の状況はもはや目前に迫っており、ここで3月のFOMCで利上げが粛々と実施されることになれば、パウエル新議長は就任早々に相場暴落の発射ボタンを自ら押すことになりかねない状況です。

Next: 粛々と行われてしまう米利上げ。米債バブル崩壊が飛び火するのは…



粛々と行われてしまう米利上げ

就任後のパウエル氏の演説などを見ていても、今回の相場の下落を特別注視している気配もなく、ほかのFOMCメンバーからもほとんど気にしていない発言が出ているだけに、おそらくこの3月利上げは粛々と行われてしまうでしょう。

しかし過去100年の米国の金融政策を見てきても、金融当局が安易に金利を引き上げて引き締めを行った途端に株価が下落し、相場の大幅下落の引き金となったケースは非常に多くあります。

それだけに、このまま市場の予測どおり3月に利上げを断行するのかどうかが、大きなポイントになりそうです。

もともと、FRBは株価しかみていないという厳しい指摘もあります。なんとか相場が回復してきている現況から、FRBが利上げをたいしたリスクではないと判断した場合に、果たして相場がその通りの反応を示すのか、想定と異なる反応になるのかは、非常に注目されます。

おそらく市場に変化が出るとすれば、米債市場のバブルが崩壊し、株価に飛び火してえらいことになりそうな状況で、もはや単なる妄想的な話ではなくなりつつあります。

どうも全体として、ゴルディロックス相場の一時的調整と見るには、あまりにも楽観的すぎる相場観であることは間違いありません。この地殻変動に対して、備えるべき時期が迫っているように思われます。

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今市太郎の戦略的FX投資』(2018年2月20日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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