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アナリストは買い時を教えてくれない、売買タイミングを見極めるためにするべきこと=山田健彦

前回は、「アナリストはいつ買えば良いかは教えてくれない」ということをお伝えしました。いつ買うかは、チャートの形状やテクニカル指標をもとに自分で判断しなければなりません。(『資産1億円への道』山田健彦)

【関連】アナリスト分析に飛びついていませんか?情報を投資に正しく活用する方法とは=山田健彦

売買のタイミングは、チャートを重視する

個人投資家は後回しにされる事が多い

余り知られていないことですが、アナリストレポートは機関投資家にまず配布され、個人投資家が目にできるのは、その数日後という事は筆者が証券会社に居た時代は普通でした。推測ではありますが、その状況は今も変わっていないのでは、と思います。

現在のところ、アナリストレポートに対価を求める、という慣習は日本にはなく、レポート代は株式売買手数料に含まれているというのが暗黙の了解事項になっています。

多大な時間とコストをかけて調査し、完成させたレポートを手数料ベースで数百円からせいぜい数万円程度しか払ってくれない個人投資家と一回の注文でその何十倍、何百倍の手数料を払ってくれる機関投資家と、どちらを大事にするか、といえば答えは決まっています。

個人投資家がアナリストレポートを目にする頃には、機関投資家は既に買い終わっていて、個人投資家はちっとも儲からないということは良くある、ということです。

そのような意味からも、個人投資家はアナリストレポートが公表されても直ぐには買い出動せずに、チャートの形状やテクニカル指標を眺めながらエントリーするタイミングは自分で決めることを徹底したいものです。

昨年までの戦い方は、今年は通用しなくなる可能性が高い

昨年は「億トレ投資法」とか「50万円を1年で1億円にする方法」など短期間で大きく儲けるノウハウをセンセーショナルに売り物にした本が書店で平積みになりましたが、これらの方法は今年は通用しない可能性が高い、と思われます。

昨年までは長期の上げトレンド相場で、極端な話、誰が投資してもそれなりに儲けが出せた幸せな時代でした。

今年はアメリカ、ヨーロッパの中央銀行が金融緩和を収束させる方向に舵を切り、米国と中国の経済面での衝突が予想されるなど、昨年までとはマーケットを取り巻く状況が一変しています。

そのような状況の変化のなかで、単なる上昇相場の恩恵にあずかって大儲けした人の手法を真似ても上手く行くことはまずない、と覚悟しておいたほうが良いでしょう。

筆者は今年前半は、積立投資を主軸とし、個別銘柄への投資はあまり長くは持たないで、素早く利益を確定する方針で行くつもりです。

Next: 「いつ買えばいいか」は、どのように判断すればいいのか…



シンプルな手法を正しく使うのが最も強力

何を買ったら良いか、はアナリストや株式評論家、マネー雑誌などの推奨を利用するとして(無論、自分で考えても良いのですが)、買うタイミングは自分で判断します。

鉄則はみんなが良く知っているチャートの形状分析手法やテクニカル指標を正しく使う、ということです。「みんなが良く知っている」という手法はシンプルなものですが、
シンプルなものほど実は効果が絶大
なのです。

例えば、グランビルの買いの法則3。「下落している株価が、上昇中または横向きの25日移動平均線に上からぶつかるか、ぶつかる寸前に勢いよく反転上昇したら買い出動する」というのがあります。

逆に言うと、25日移動平均線が「上昇中または横向き」ではない状況で株価が反転上昇してもそこでは様子見に徹して買い出動しない、株価は上昇に転じたが「勢いよく」とは言えないときも、様子見に徹していれば、失敗は防げます。

チャート分析の教科書でも、この「25日移動平均線が上昇中または横向き」ということを書いていないものも散見され困るのですが、これは大事です。

その他にも5日移動平均線が25日移動平均線を下から上に突き抜けるミニ・ゴールデンクロス、これも結構パワフルな手法です。

これにもコツがあり、25日移動平均線が上向きまたは横向きだとそこから結構な利益を取れることが多いのですが、25日移動平均線が下向きだと思ったような利益は取れません

別に「この場面では大した利益は取らなくても良い」と考えエントリーするのならそれは問題ありませんが、このような関係を理解せずに闇雲に「ミニ・ゴールデンクロス!行くぞ!!」と突進するのは止めたほうが良いです。

特に、昨今は米国の大統領が何かツイートすると、一瞬でマーケットは崩れてしまう事も多いので、ストップロスをかけておくことは必須です。

ところで、チャートの形状によるスクリーニングは一部のネット証券でも可能ですが、下記サイトでも日々更新されて出ています。色々と研究してみましょう。
※参考:株価アルゴリズム(あくまでご参考として出したもので、このデータが正しいか、また予測が当たるかについては筆者は何ら保証するものではありません。ご注意ください)

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資産1億円への道』(2019年1月9日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。

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