働いて得る収入ではなく、年金からの収入が家計の主な収入になった状態を老後と定義し、今回は老後生活の予行演習として節約がどうして大切なのかを解説します。(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。
老後、どんな生活が待っているか考えたことはありますか?
老後の生活で待っているもの
老後の生活に入ると、現役時代の生活と何が変わるのでしょう?
サラリーマンを退職した方であれば、いつも通っていた勤務先がなくなる。
自営業の方でも仕事をしなくてもよくなる。
仕事に縛られることなく、一日といわず、ずっとご自身がしたいことができる!
こんな生活に変わるのです。
しかし、その老後の生活の仕方によっては、今までよりも生活費がかかることになるかもしれません。
老後の生活で、今までは忙しく仕事をしていた平日の日中どのような生活をするのか、その仕方で家計収支も変わってくるのです。
例えば、日中、自宅の自室にいる時間が多くなれば、その分、電気代など水道光熱費もかかるようになるでしょう。
外出するにしても乗り物を利用する場合、これまではある程度、通勤定期券で賄えたところも全額実費になります。
つまり、老後の生活で、ご自身の望む生活をすると現役時代の生活費に加えて、望む生活分、家計支出が増えることも考えられるのです。
老後の生活で減らすことのできるもの
反対に、老後の生活で減らすことのできるものは何があるでしょう?
年齢とともに食費は減らすことが、難無くできるかもしれません。ほかには何があるでしょう?
上述した、水道光熱費を意識して、使わない様にすることでしょうか。
外出を減らすことでしょうか。
服を買うことを我慢することでしょうか。
私が老後の生活に入った方からの相談を受ける時に伺うと、多くの方の場合、少し考えられて減るものはあまりない。と言われます。
長年浸み込んだ生活を変えることはむずかしい。
多くの年配の方が言われることです。
老後の生活で減らすことのできるものは、その家庭によって変わってはきますが、あまりないのです。
Next: 老後の生活費の増加に、どんな準備が必要?
現役と老後の収入の差を埋めるには
しかも、年金が主な収入になれば、現役の時代より収入は減ります。
しかし、現役と同じような生活をしようとすれば、年金以外に現役からの蓄えがないと、現役時代と同じ生活は通常に考えても維持できないです。
では、現役と老後と同じような生活をするためには、言い換えれば、収入の差を埋めるには現役中にどんな準備をしておけばよいのでしょう?
結論として、現役中に老後の準備をしておくことです。
老後の準備の仕方
その準備の仕方としては、まず、ご自身に年金がいくらもらえるのか、「ねんきん定期便」や日本年金機構のサイトにある「ねんきんネット」で調べてみます。
そして、現在の収入と年金収入の差をどのように埋めるか検討するのです。
老後の生活に入ってから生活のレベルを下げることは大変難しいですから、老後の生活が維持できるように現役のうちから「節約」して準備をすることです。
もちろん、節約して、出てきたお金は老後生活のために、貯めて行きます。
つまり現役時代に節約することは、生涯同じレベルで生活をしていく予行練習ともいえるのです。
『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2019年3月6日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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ご自身の描いた老後の生活を実現するために、 40代から、退職・完全リタイアをするまでに、 やっておくべきことがあります。 そんなことはわかっているよ!! でも、行動に移せないんだよね…… 実は、何から始めようか迷っているんだよ!? そもそも、何をしたらいいのかわからないんだよね??? そんな方のために、同年代の私、 「人生の添乗員(R)」が、 ファイナンシャルプランナーとして13年の実績と、 自身の人生経験から、 40代から、退職・完全にリタイアをするまでにすべき、 「貯蓄」と「節約」について、 毎週、1テーマずつお伝えします