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大家さん必見!コストとリスクを最小化する「LED照明交換」の3ステップ=姫野秀喜

LED照明を普及させたい政府が打ち出した「蛍光灯の製造と輸入を2020年をめどに禁止する」方針は、複数の物件を保有する不動産オーナーにとって大きなコスト増となりそうです。そこで今回は、1億円ぶんの不動産を所有する「姫ちゃん」さんが、コストを極力抑えながら照明設備をLEDに移行するための手順をご紹介します。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)

プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。

大家さんのためのLED照明対策~まずは蛍光灯の買いだめから

「蛍光灯の製造・輸入禁止」政府方針

政府は11月26日、省エネのためにLEDの普及をはかるべく、蛍光灯の製造と輸入を2020年をめどに禁止する方針を打ち出しました。

2020年というとあと5年です。

うまくいけば東京オリンピックの時には日本中の照明がLEDになっているということですね。

この蛍光灯廃止の問題は一般家庭の方以上に、物件をたくさん所有している不動産オーナーが大きな影響を受けると思います。

たとえば、アパートを5棟ほど持っていれば、共用部分の照明だけでも最低でも10個から20個の蛍光灯が設置されているでしょう。

そこそこの規模のマンションであれば、1棟だけでも数十個の蛍光灯照明が設置されているはずです。

今後は順次、その蛍光灯照明器具そのものを交換していくコストが発生することになります。

1個あたり5000円~1万円だとすると、マンションの共用部分を全部交換すると15万~40万円ほどの出費になります。マンションを3棟も所有していたら、余裕で100万円超の出費ですね。

まだまだ耐用年数が残っている照明器具であれば、本当にもったいないです。

そこで気になってくるのが、現行の蛍光灯器具でも使えることを謳い文句にしている蛍光灯型LED照明。ただ、もしこの蛍光灯型LED照明を使用したいと考えていたら注意してください。この蛍光灯型LED照明はわれわれ電気の素人が手を出すのは少々難しいからです(2015年12月現在)。

家庭用は円形の蛍光灯が多いですが、マンションなどの共用部に設置されている蛍光灯はだいたい直管のタイプです。

蛍光灯型LEDは見た目こそ直管タイプの蛍光灯と同じ形をしていますが、現行でも様々な種類が発売されています。

例えば、DC電源内蔵商用電源直結形、DC電源内蔵既設安定器接続形、DC電源非内蔵DC入力形…等です。

そして設備に合わない蛍光灯型LEDを用いた場合、さまざまな不具合や危険が生じることが注意喚起されています。
照明器具による事故の防止について(注意喚起) – 独立行政法人製品評価技術基盤機構
直管形LEDランプの取付方法に関する調査結果 – 東京くらしWEB

さて、それでは我々不動産投資家、オーナーはどうすればいいのでしょうか?

Next: まずは蛍光灯の買いだめから。移行コストを抑えるための3ステップ



まずは蛍光灯の買いだめから。移行コストを抑えるための3ステップ

私が考える、最もコストとリスクが小さくなる方法は、以下の3ステップの対策です。

■1. できるだけ現行の機器を用いるために蛍光灯を買いだめする

2020年までは普通に現行の蛍光灯を使い、2020年に安売りの店で蛍光灯をしっかり買いだめしておきます。この在庫だけで2025年や2030年までもつようにすれば良いかと思います。

■2.直管型LED照明の製品規格が安定するまで気長に待つ

先の地デジ化と同様に、2020年付近になれば、さまざまな業者やメーカーがLED照明への切り替えを促すと思います。

賢い投資家はそのときに切り替えません。よほどプラスになるような補助金政策でもない限り、先に切り替えるメリットは少ないです。

あと5年のうちにLED照明機器の規格が統一され、何も考えずにその辺のスーパーで蛍光灯型LED照明を買ってきても大丈夫な状態になるとは思えないです。

ですので、2030年くらいまで気長に待ちます。

■3.技術の進歩に乗っかる

2030年には、LEDへの移行もずいぶん進んでいるでしょうから、そのタイミングでLEDへの変更を検討します。

そのとき未来の世界では、以下の2種類の変化が予測されます。

(1)LED照明機器の規格が統一される
これは2で述べた通りですが、ランプを取り付ける設備の規格が統一されているということです。古い話ですが、かつてビデオはソニーのβ規格と松下のVHS規格がありました。そしてマーケティング戦略の結果VHS規格が市場のデファクトスタンダードになりました。HD-DVDとブルーレイも同じで、いまではHD-DVDは見なくなりました。そういう消えてしまう規格と同様にLED設備は時間をかけて見極めることが大事です。

(2)古い蛍光灯の照明機器で安全に使えるLEDランプが開発される
技術の進歩で、古い蛍光灯の設備をそのまま安全に使えるLEDランプが安く販売される可能性もあります。言い換えると、どこかの気骨あるメーカーが、どんな蛍光灯設備でも使用可能なLEDランプを開発するかもしれないということです。もちろん、今は低コストで作ることができなくとも、もし作れたら大もうけ間違いなしですから、メーカーとしては開発しない理由はありません。

一般消費者からすれば、設備機器を交換しなくても使えるということで、多少高くてもそのメーカーの規格を使うでしょう。また、その開発したメーカーは自社で生産せずに特許料で稼ぐこともできます。

今、一般家庭の白熱電球がドンドンLED電球に切り替わっています。

発売始めは1万円もしたLED電球も、今や500円でおつりがくるほどの安値になっています(秋葉原調べ)。

これほどLED電球が普及したのは、現行機器にそのまま使えるからです。だからこそ気軽に切り替え、普及が進み、価格が安くなったのです。

ということで、あと5年~15年も先の未来ですから、技術の進歩とニーズの変化を信じて、高いうちに交換するなんてことはせずに、気長に待ちましょう。

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1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』2015年12月28日号より一部抜粋
※太字、見出しはMONEY VOICE編集部による

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