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同性カップル公認「パートナーシップ証明書」で賃貸事情はどう変わる?=姫野秀喜

渋谷区は10月28日、同性カップルを結婚相当の関係であると公認する「パートナーシップ証明書」の申請受付をスタートしました。来月5日には世田谷区も同様の趣旨で「宣誓受領証」の交付を開始します。

性的少数者への偏見や不利益を解消するこれらの動きについて、1億円の不動産を所有する大家さん「姫野秀喜」さんは、「不動産投資家としても心にとめておくべき」取り組みと指摘。入居者・オーナーそれぞれの観点で、今後想定される変化を考察しています。

プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。

入居者・オーナー双方にメリットのある「パートナーシップ」運用を

不動産投資家・大家さんも注目すべき新たな取り組み

現在、日本の民法では同性同士の婚姻は認められていません。婚姻が認められないセクシャルマイノリティのカップルは、配偶者同士で発生する相続権などの権利が民法で保証されない、といった不利益を被っていることになります。

この問題は近年メディアで取り上げられるようになり、一般の認知もだんだん高まってきました。

そういった背景もあり、渋谷区で全国初となる同性同士のパートナーシップ証明書の発行受付が始まっています。

まだまだ発行する人は限られるとは思いますが、今後はもしかすると、パートナーシップ証明書等を持った方があなたの所有する物件に住むことがあるかもしれません。不動産投資家としても心にとめておく必要があります。

そこで今回は、パートナーシップ証明書を持った人がファミリー用物件や2人入居可物件に住む際に、これまでと何がどう異なってくるのかを、入居者・オーナーそれぞれの観点から考えてみたいと思います。

入居者視点~スムーズな借家権の相続など権利面でメリット

まず、最初の入居時に2人で不動産屋を訪れ、2人入居可物件などに2人で住むことを伝えてくれている場合は、異性同士の婚姻カップルであろうと同性同士であろうと、あるいは単なる友達同士だろうとこれまでと同じでしょう。

対応が変わってくるのは、入居されている方が途中で婚姻したり、同性同士のパートナーシップ証明書を発行するケースです。従来、夫婦や家族連れに賃貸する場合と他人同士の同居に賃貸する場合で、大きく異なる点がありました。

それは、借家人の権利に関することです。

まず、民法上、配偶者であれば当然相続権がありますので、仮に契約者(夫なり妻なりパートナー)が倒れたとしても、配偶者は合法的にその借家権を相続でき、そのままの条件で家に住むことができます(もちろん家賃を支払う責任も同様に生じます)。

それに対して“単なる”同性同士の同居では内縁の妻になることもないので、借家権の相続は発生せず、見方によっては「契約者以外の方が勝手に住み着いている」状態ともなりかねません。

もちろん、同居を始める前にオーナーの承諾を得ていれば問題ないのですが、承諾を得ずに住んでいる場合は大きな問題が生じるわけです。

もし勝手に住み着いていると判断されれば、最悪の場合、すぐに退去しなくてはならなくなる可能性があります。入居者はパートナーが倒れたショックに加え、住み慣れた家に住み続けることができないという二重のショックと経済的負担を負うことになります。

しかし、これからはパートナーシップ証明書を発行してもらうことで、不動産屋さんやオーナーに対して交渉の余地ができます。

もちろん、現状では法的拘束力はないのですが、それでも交渉のテーブルに着いてもらえる方法が1つでき、入居者の権利が1つ増えたということで、これは非常に画期的なことだと思います。

オーナー視点~積極的に権利を認め家賃不払いを防ぐ、Win-Winな関係

今度は逆に、オーナーの立場から考えます。

まず、ほとんどの不動産投資家オーナーは、入居者が同性カップルであろうと異性カップルであろうと、きちんと家賃を支払ってくれ物件を大切に使用していただけるなら、どんな方もウェルカムだと思います。

ただ、大家さんによっては様々な理由で、入居者の方との契約時に友人同士・同性同士のルームシェアはダメだという経営をされている方もいると思います。それは経営方針なので自由なのですが、今後そういう場合は少しだけ注意が必要になると思います。

確かにパートナーシップ証明書には法的拘束力はありません。ですが実務上の効力は十分にある可能性があるからです。

パートナーシップ証明書の制度がいまこのタイミングでできた根拠、社会的な要請などを踏まえると、その必要性について一定数の合意があるからこそ成立したものと考えられます。それをわざわざ反対するからには、これまで以上に合理的な理由を述べる必要が出てくると考える方が自然だからです。

この合理的な理由というのは、あくまで賃貸契約上の通常の理由であり、パートナーシップ証明書を否定するような理由ではないことが求められる可能性があります。

まぁ、いろいろ述べましたが、不動産投資はあくまでビジネスなので、結論としてはシンプルで、入居者がパートナーシップ証明書を保持しているのであれば、基本的に婚姻に準ずる法的権利を持っているとみなして対応するのがよいのではないかと思います。

そうすることで、相続人に準ずる形で家賃を請求することもできるわけですし、お互いにWin-Winな関係を築いていくことができるのではないでしょうか。

【関連】傾斜、偽装、会社乗っ取り…なぜ不動産業界は犯罪に巻き込まれたのか?

1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』2015年10月28日号より一部抜粋、再構成
※見出しと太字はMONEY VOICE編集部による

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