マネーボイス メニュー

アリババが香港市場に上場申請を検討。調達規模は200億米ドルの見通しに

中国電子商取引大手アリババ・グループが、早ければ今年後半にも香港市場に上場申請を検討していると伝えられた。調達規模は200億米ドルの見通しになるという。(『【DZH】中国株マーケット&ニュース』)

香港市場のハンセン指数は反発、上海は2,900ポイント回復

アリババ、今年後半に香港上場か 200億米ドル調達へ

中国電子商取引大手アリババ・グループ<BABA>が、早ければ今年後半にも香港証券取引所に上場を申請することを検討しているもようだ。調達規模は200億米ドルの見通し。消息筋によると、アリババは重複上場により資金調達手段の多様化と流動性の向上を図る。アドバイザーの金融機関と上場手続きに向けた協議を進めているが、計画は初期段階にあり、最終決定はしていないという。『香港経済日報』が28日、外電を引用する形で伝えた。

香港証券取引所の李小加最高経営責任者(CEO)は先ごろ、中国本土メディアに対し、アリババの中国上場は100%確実で、時間の問題との見解を明らかにした。上場先を上海にするか香港にするかは同社が自主的に決めるとした。

アリババは2013年に香港上場の準備を進めたが、普通株より議決権が多い種類株の発行を香港証取が認めず、上場先を米国に切り替えた経緯がある。香港証取は18年、新興産業からの誘致を強化するため、種類株の発行容認を含む上場基準の緩和を施行した。

香港大引け:反発、本土株高が支え 自動車株に政策期待の買い

28日の香港株式市場でハンセン指数は反発。終値は前日比0.38%高の2万7,390.81ポイントだった。中国企業指数は0.13%高の1万416.55ポイント。メインボードの売買代金は概算で1,265億7,000万HKドルだった。

香港ハンセン指数 日足(SBI証券提供)

ハンセン指数は小安く寄り付いた後に切り返し、中盤までは次第に上げ幅を広げた。中国本土相場が景気刺激策への期待から上昇したほか、中国人民銀行(中央銀行)が連日の公開市場操作で短期資金を供給したことも買い安心感を支えた。ただ、米中貿易戦争の長期化に伴う両国の景気鈍化に対する懸念は根強く、後場に入ると上値の重さが目立った。セクター別では消費財製造や素材、消費財サービス、工業が買われた半面、通信と公共事業が売られた。

ハンセン指数構成銘柄では、自動車メーカーの吉利汽車<00175>が大幅高。中国の自動車販売業界団体が当局に市場振興策の早期に打ち出すよう求めたと伝わり、買いを集めた。アジア基盤の保険会社AIAグループ<01299>と製薬の中国生物製薬(01177>は大幅に続伸。中国インターネット大手テンセント<00700>は9営業日ぶりに上昇した。香港証券取引所はアリババ・グループ<BABA>が今年後半にも香港に重複上場するとの報道を手掛かりに買われた。半面、香港公益株の中電控股<00002>とホンコン・チャイナガス<00003>が安い。時価総額が大きいチャイナ・モバイル<00941>と中国工商銀行<01398>が売られ、相場の重荷となった。

中国企業指数構成銘柄では、自動車株の広州汽車集団<02238>とBYD<01211>、長城汽車<02333>が軒並み高。5G関連銘柄の中国鉄塔<00788>、建材大手の中国建材<03323>と安徽コンチセメント<00914>が大きく買われた。一方、中国政府系不良債権処理会社の中国信達資産管理<01359>と中国華融資産管理<02799>がそろって続落した。広東省政府系投資会社の粤海投資<00270>もさえない。

Next: 上海は1週間ぶり2,900ポイント回復、米中摩擦の影響限られるとの見方



本土大引け:3営業日続伸、1週間ぶりに2,900ポイント回復

28日の中国本土株式市場で、上海総合指数は3営業日続伸。終値は前日比0.61%高の2,909.91ポイントだった。深セン成分指数も0.62%高の9,035.69ポイントと続伸した。上海、深セン両市場の売買代金は概算で4,995億2,700万元。

上海総合指数 日足(SBI証券提供)

上海総合指数は序盤に節目の2,900ポイントを上抜くと、後場半ばまでほぼ右肩上がりに上げ幅を広げた。中国銀行保険監督管理委員会の郭樹清主席が米中摩擦エスカレートによる中国の金融市場への影響は限られるとの見方を示したことが好感された。中国汽車流通協会が市場振興策の早期打ち出しを提案したと伝わり、景気刺激策への期待も高まった。指数は高値警戒感から後場後半に急速に上げ幅を縮め再びマイナスに沈んだ。ただ引け際に切り返すと、結局、終値ベースで1週間ぶりに節目の2,900ポイントを回復して終えた。

A株市場では、政策期待を背景に上海汽車集団<600104>、BYD<002594)など自動車株が買われた。金地集団<600383>、万科企業<000002>など不動産株のほか、通信大手の中国聯合網絡通信<600050>、鉄鋼大手の宝山鋼鉄<600019>、セメント大手の安徽コンチセメント<600585>なども高い。一方、前日の上昇をけん引した中信証券<600030>、海通証券<600837>など証券株に利益確定の売りが出た。時価総額の大きい中国工商銀行<601398>、中国建設銀行<601939>など大型商業銀行の一角が続落。音声認識技術大手科大訊飛<002230>、通信機器大手の中興通訊<000063>などハイテク株の一角もさえない。

上海B株指数は0.04%安の290.53ポイントと反落、深センB株指数は0.15%高の938.97ポイントと続伸した。

中国造船業界:間もなく「南北船合併」が発表か、軍需拡大にも期待

中国の海軍艦艇の増強が著しい。中国海軍は4月末に山東省の青島港で開催した国際観艦式で、「世界最強」ともいわれる055型ミサイル駆逐艦「南昌(Nanchang)」を初めて披露した。「国産最新鋭」を標榜する同艦は、排水量が1万トンを超えるアジア最大級。「空母キラー」と呼ばれる超音速巡航ミサイル、最新情報処理システム、ステルス機能などを備え、戦闘能力は米海軍の艦艇を上回っているとの見方もある。「南昌」は上海株式市場に上場する国有造船大手、中国船舶重工<601989>の傘下研究所が設計し、同じく国有大手、中国船舶工業<600150>の関連会社が建造した。

【関連】日銀が政府発表のGDPを完全無視、とうとう独自GDP算出という驚愕の事態へ=今市太郎

【関連】東京五輪は免罪符か?渋滞緩和策「首都高1000円値上げ」はオリンピック後も継続へ

【関連】日米首脳「蜜月」の裏で威力増すトランプ砲、誰かが止めねば日本も世界も焼け野原に=斎藤満

image by : Sek Samyan / Shutterstock.com

【DZH】中国株マーケット&ニュース』(2019年5月28日号)より一部抜粋
※チャートと太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

【DZH】中国株マーケット&ニュース

[無料 日刊]
中国株ニュースサイト「二季報WEB」を運営するDZHフィナンシャルリサーチ社発行のメールマガジン。「香港株式市況」「中国株式市況」「本日の注目ニュース」ほか、1日のニュースヘッドラインなどを掲載。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。