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止まらぬドイツ銀行株の暴落、破綻秒読みで「リーマン超え大暴落」の起爆剤となるか=今市太郎

ドイツ銀行株が先月5月に入ってから連日のように最安値を突き進んでおります。暴落などの金融パニックが起きて破綻に追い込まれるのか、この銀行が先行破綻して金融パニックが起きるのか。非常に気になるところです。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年5月31日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

危ないのはドイツ銀行だけじゃない?リーマン超えの大暴落が迫る

いよいよ破綻へのカウントダウンか

すでにお気づきの方も多いと思いますが、ドイツ銀行株が先月5月に入ってから連日のように最安値を突き進んでおり、このままでは価格がなくなってしまうのではないかと思うほどの下落を継続中です。

危ない危ないと言われ続けてきたドイツ銀行ですが、コメルツ銀行との統合話も結局うまくいかず、振り出しに戻ることとなりました。

この銀行がここからどう再建されていくのか、または分割解体されるのか。またしても注目される状況になってきています。

ドイツ銀行株のクズ株化は当然、ほかの銀行にも影響をおよぼすだけに、ここからどうなるのかが注目されるところです。

暴落などの金融パニックが起きて破綻に追い込まれるのか、この銀行自身が先行破綻することで金融パニックが起きるのか。

いったいどちらなのか、非常に気になるところです。

負債総額は260兆円超、リーマンのざっと4倍超の有望破綻銘柄

早いもので、リーマン・ショックからすでに10年半以上の歳月が経過しています。

米国の株式市場もやがて再来する大暴落へのカウントダウンがすでに始まっている感がありますが、エリオット波動の5波動目というのはどこまで延長するかわかりませんし、突然とん挫して下落を始めることもありえます。

大津波の到来でいえば、もはやリュックサックを背負って高いところに避難していなければならない時間帯に入っているのかも知れません。

そんな中でのドイツ銀行の株価下落は、とにかく相当厳しい状況に差し掛かっていることを示唆するものとして注目されます。

DEUTSCHE BANK AG<DB> 日足(SBI証券提供)

Next: ドイツ銀行だけじゃない?リーマン超えの大暴落は近づいている



銀行のビジネスが崩壊しかけている

ドイツ銀行でよく出る話は、7,500兆円にも及ぶデリバティブやCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の危機というものです。

しかし、デリバティブだからすぐに危ないというわけではありませんし、よく理解していない人たちは7,500兆円も負債を抱えているなどと言ってしまいますが、これは明らかに間違った指摘です。

ここまで巨額になってしまった金額自体は確かに大きなリスクになっていることは否定できませんが、すべてが負債とみるのは正しくありません。

とは言うものの、ここでドイツ銀行をかばったところで何も良いことはないわけで、より事実を冷静に見る必要があるのです。

CDSというのは平時でいえばこんなに儲かるものはないはずなのですが、それがまったく儲からないというのも、すでにこのビジネスモデルがうまくいかないことを強く示唆しているともいえるのです。

世界の株式・債券市場の時価総額は常に変動しますが、およそ100兆ドル以上があるとすれば、デリバティブの残高は1,500兆ドルを超えるとされており、世界的に見てもレバレッジをかけすぎたデリバティブ市場は肥大化しすぎています

喉元すぎれば?米系銀行もしこたま保有するデリバティブ取引

ドイツ銀行だけが危ない危ないと言われ続けていますが、リーマン・ショックで九死に一生を得た米系のグループは、シティJPモルガンゴールドマンサックスともに50兆ドルを超えるデリバティブの残高があり、実はドイツ銀行とあまり変わらないレベルを今も維持していると言われます。

リーマンブラザーズの破綻の時も結局、デリバティブ残高の大きさが主原因になったわけですが、11年近く経過すると、また米系銀行のデリバティブ額はさらに巨大になっており、ドイツ銀行もその仲間にいるということは間違いありません。

リーマン超えの大暴落は近い?

足元のデリバティブ総額に関して、それこそ相場の大幅下落が示現すれば、1,500兆ドルの1%の支払いが発生したとしても、日本円で1,600兆円にのぼります。

本邦の赤字国債の発行額を軽く超えるわけですから、デリバティブにかかわる銀行の破綻リスクは相当大きなものになります。

さらにドイツ銀行の場合は、外的要因でデリバティブがおかしくなって破綻に追い込まれるのか、自律的におかしくなり破綻をきっかけにして相場がリーマン超えの暴落となる起爆剤になるのか。まだはっきりしていない点も非常に気になるところです。

デリバティブというと聞こえはいいですが、結局のところ借金をして投資をしている額があまりにも膨らみ過ぎているわけですから、これがクラッシュした場合、リーマンをはるかに超えると危機感を募らせる人が多くても確かに不思議ではありません。

Next: 誰もが自分は大丈夫だと錯覚する。ドイツ銀行の処理がメルケルの大きな課題に



誰もが自分は大丈夫だと思ってしまう

2007年にサブプライム・ローンの問題がいよいよ顕在化してきたとき、私は奇しくも欧州系金融グループの生命保険部門の日本のパーソナル保険部門の事業責任者をしていました。

当時の本国のCEOが連日「弊社はサブプライムの影響は受けない、だいじょうぶだ、たいじょうぶ」と志村けんのようなことを言っていて、その後、ぜんぜん大丈夫ではなかったことがいまさらのように思い出されます。

ドイツ銀行問題の決着がメルケルの大きな課題に

このドイツ銀行問題、ここからどう展開するのかが個人的には非常に気になります。

再建の途上で金融市場に何か最悪なことが起きれば誘爆を起こしかねない巨大な爆弾であるだけに、いったいどう決着をつけるのか。関心が集まります。

党首を辞めても首相を辞められないメルケルは、ドイツ銀行の処理をとにかく終わらせることが
大きな責任になっている
とも言われています。

とにかくここ1~2年以内に、この銀行をどのように処理するのかが本格的な問題になりそうです。

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2019年3月配信分
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今市太郎の戦略的FX投資』(2019年5月31日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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