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今年の相場は20、30代で約半数が勝ちを予想…2020年はAIやVRに期待【投資家アンケート】

今年1年の日本株式市場を総括し、来年以降の見通しについて探るため、全国の20~79歳の投資経験者1,000人を対象に、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が2019年11月14日~16日の3日間、「日本株式市場の振り返りと展望に関する意識調査2019」をインターネットリサーチした結果をご紹介します。

アンケートに回答した1,000人の投資家は、今年の投資環境をどう感じ、来年の見通しをどのように受け止めているのでしょうか。

老後2,000万円問題をきっかけに、積極投資を進めたひとが多数

令和元年の投資損益は、投資家の44%が「プラス着地」を予想

現役投資家(790名)に、今年1年の投資の損益着地予想を聞いたところ、「大幅にプラス着地」は4.4%、「ややプラス着地」は39.5%で、合計した『プラス着地』は43.9%、「ややマイナス着地」は15.3%、「大幅にマイナス着地」は5.6%で、合計した『マイナス着地』は20.9%となりました。“乱”と表現された2019年の株式市場でしたが、結果的にはプラスの着地に落ち着くと予想している人が多いようです。

過去の調査結果と比較すると、『プラス着地』と回答した人の割合は、2017年62.0%→2018年34.0%→2019年43.9%と、昨年みられた下降傾向から一転、上昇に転じる結果となりました。

年代別にみると、プラス着地を予想した人の割合が高かったのは20代(49.4%)と30代(49.7%)でした。20代や30代では、ロボアドバイザー投資やテーマ型投資の利用率が他の年代と比べて高い傾向がみられました(※編集注:記事未掲載のアンケート)が、新サービスに取り組むことで利益を出せたという人もいるのではないでしょうか。

Next: 投資家が積極的に投資をしようと思った理由の1位は、老後2,000万円問題



投資家が積極投資を進めるきっかけとなったニュース

次に、今年1年、投資家が注目していたニュースについて質問しました。

現役投資家(790名)に、2019年の経済分野の流行語(トレンドワードや新興の分野、技術、産業など)を聞いたところ、1位「AI(人工知能)」(80名)、2位「5G」「キャッシュレス決済」(いずれも47名)、4位「消費税増税」「米中貿易摩擦」(いずれも30名)となりました。日々進化しているAIについて、注目していた投資家が多いようです。また、「○○ペイ(PayPayなど)」(6位、13名)や「軽減税率」(10位、9名)といった、消費税増税に伴う経済政策に関連したワードも上位に挙げられました。

積極的に投資を進めようと思うきっかけとなったニュースを聞いたところ、1位「老後2,000万円問題関連」(89名)、2位「消費税増税」(58名)、3位「東京2020オリンピック関連」(44名)、4位「株価上昇・株高」「新元号関連」「年金問題関連」(いずれも31名)となりました。今年話題となった“老後2,000万円問題”ですが、このニュースを見聞きして投資の必要性を感じた人が多いのではないでしょうか。また、オリンピック特需に期待して投資を進めたくなったと感じた人も少なくないようです。

他方、投資に対して消極的になるきっかけとなったニュースを聞いたところ、1位「米中関係関連」(127名)、2位「消費税増税」(83名)、3位「災害(台風など)」(49名)、4位「景気後退・企業の減益」(38名)、5位「トランプ大統領関連」(34名)となりました。米中貿易摩擦を不安視していた投資家が多いことがわかりました。

Next: 投資家がこれから長期的な成長に期待する分野は、AIや自動運転



長期的成長が期待できる分野の予想は?

投資経験者は、来年(2020年)以降の経済や社会情勢についてどのようにとらえているのでしょうか。

まず、全回答者に、“今後、長期的に成長の期待が持てそうだ”と感じる市場(産業)を聞いたところ、「知能化技術(AI・自動運転車など)」(55.3%)が最も高く、次いで、「ロボット工学(家庭用・産業用ロボットやドローンなど)」(46.9%)、「環境エネルギー(水素燃料など)」(40.5%)、「先進医療(再生医療・遺伝子治療など)」(31.5%)、「バイオ・創薬」(30.2%)となりました。AIの分野に期待を寄せている人が多いようです。また、医療の分野で将来性を感じている人も多いことがわかりました。

年代別にみると、20代では「ゲーム(VR・位置情報ゲームなど)」(23.0%)が他の年代と比べて高くなりました。VRやAR技術を応用したゲームが誕生し、話題となっていますが、新感覚のゲームを生み出す市場に期待感を抱いているのは20代のようです。

2020年の世界経済はどうなる?

次に全回答者に、来年(2020年)の日本や世界の経済に関する予想を聞きました。

2020年の日本経済では、「非常に好調だと思う」は4.6%、「どちらかといえば好調だと思う」は38.4%で、合計した『好調だと思う』は43.0%、「どちらかといえば不調だと思う」は47.6%、「非常に不調だと思う」は9.4%で、合計した『不調だと思う』は57.0%となりました。来年は東京2020オリンピックの開催が予定されている“オリンピックイヤー”ですが、経済の調子は良くないと予想している人のほうが多いようです。

では、日本以外の国や地域についてはどのように予想している人が多いのでしょうか。

2020年のアメリカ経済では、『好調だと思う』は55.1%、『不調だと思う』は44.9%で、経済が良い方向に向かうと予想している人のほうが多くなりました。今年の11月に入ってNYダウが過去最高値を更新したことが背景にあるのではないでしょうか。

中国経済では、『好調だと思う』は29.2%、『不調だと思う』は70.8%、韓国経済では、『好調だと思う』は13.2%、『不調だと思う』は86.8%となりました。

また、ブレグジットが話題となっているEUについては、『好調だと思う』は23.8%、『不調だと思う』は76.2%で、経済の低迷を予想する人のほうが多い結果でした。

情報:「日本株式市場の振り返りと展望に関する意識調査2019」(スパークス・アセット・マネジメント調べ)

image by:pathdoc / Shutterstock.com

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