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2019年を代表する銘柄のひとつ、ワークマンはまだまだ成長する?グローバル展開に期待=藤井勝行

早いもので今年ももう終わり、今年の相場を振り帰ってみたいと思います。話題銘柄のワークマンと、日経平均のテクニカル面に焦点を当てて振り返ります。(『億の近道』藤井勝行)

プロフィール:藤井勝行(あすなろ投資顧問)
1991年中央大卒業後、山一證券で個人営業を担当。その後国内外の証券会社で機関投資家向けに日本株式セールスを担当、独自のファンダメンタル・チャート分析に定評がある。経済専門新聞や週刊誌、国内外情報ベンダー等に市況コメントを掲載し株式セミナー講師としても活躍。相場の本質を伝えることをモットーとする。

話題銘柄や日経平均を通じて、2019年の相場を振り返る

日経平均は12月17日の2万4,066円が高値、今後調整の目安は?

早いもので今年も残り少なくなりました。今年の相場を振り帰ってみたいと思います。

まずは日経平均に焦点を当てて振り返ります。(数字は終値ベース)

●昨年12/25に1万9,155円を付けてとんでもないクリスマスプレゼントとなりましたが、そこを起点として今年4/25の2万2,307円まで令和ムード漂うご祝儀的な相場で戻りを試しました。

GW明けはトランプ抱により急落してしまい、その後の安値は8/26の2万261円で止まりました。

●現在の相場はこの8/26の2万261円を起点とした戻り相場が継続中です。

8/26以降の調整値幅が今後は重要になって来ます。即ち現在の上昇トレンドがどこかで調整に入る時、目安になる目幅を観測しておきます。

どれくらいの値幅が下に出るとこの上昇トレンドに変調が起きて一旦休憩になるでしょうか?テクニカル面からのアプローチをしてみたいと思います。

8.26の2万261円を起点した相場の中で調整した値幅は、11/12の2万3,520円から11/21の2万3,038円の【482円】と、9/24の2万2,098円から10/3の2万1,341円の【757円】です。

この2つの調整値幅が重要になります。現在は12/17の2万4,066円が高値になっていますがこの高値から上記2つの値幅を拡大する値幅が出た時は要注意となります。

●8/26の2万261円を起点した相場は、この値幅の範囲内でおさまって来たので上昇トレンドが続きました。是非頭に入れておきたい数値です。

2万4,066円-482円=2万3,584円
2万4,066円-757円=2万3,309円

この2つの水準となります。

2万3,584円を下回ると2万3,309円に繋がり易く、2万3,309円を下回ると2万2,700円程度の調整が観測されます。

さて、個別銘柄では今年はこの銘柄を忘れるわけにはいきません。ワークマン<7564>です。

そう今年、TV・マスコミで話題になった銘柄ですが、この銘柄は昨年の9/1にあすなろ投資顧問でいち早く無料の株式セミナーでご紹介した銘柄なのです。ご紹介時に株価は2,915円(分割考慮)足元では1万530円(12/17)で引けています。

まず、この銘柄に目を付けたのは2018/8でした。年初からチャートは綺麗な下値切り上げ型を形成していたので目に止まりました、事業内容をより詳細に取材することにしたのです。取材して行くうちに興味が確信に変わり、大きな成長力を感じました。そして、9月1日の記念すべき第一回のあすなろ投資顧問主催の株式投資セミナーで私がご紹介する銘柄第一号に決めたのです。

Next: フランチャイズ展開に特徴、オンリーワンが強みのワークマン



2019年の日本個別株を盛り上げた銘柄のひとつ、ワークマン

下記は昨年のセミナーのご紹介レポートの一部です。

【企業概要】ワークマン<7564>

同社はベイシアグループの中核企業。ベイシアグループとは、ベイシア(本社群馬県伊勢崎市のスーパー)、カインズ(本社埼玉県本庄市のホームセンター)、セーブオン(ベイシアから分離した本社群馬県前橋市のコンビニ)など物販チェーン6社を中心に29社からなる企業集団で、「グループ売上1兆円」構想を現在進めている。

同社もその一翼を担い、早期の1,000店舗、売上1,000億円達成をめざしている。グループ企業間では、出店情報の共有、商品開発情報の共有、IT活用の共有化など、グループとしてのメリットを追求し、他社にはない強みを発揮している。

キャッチコピーは「やる気ワクワク、ワークマン」で、北海道札幌には6店舗、東京都に50店舗、埼玉県に77店舗、神奈川県に47店舗、大阪府に38店舗、兵庫県に28店舗と、日本全国に825店舗を擁し、工場・土木現場向け用品の専門店としては、国内最大規模の売上げを誇る。年間新規出店ペースは30店舗前後を予定(店舗数は当時の数字)。

同社がベイシアグループということは意外と知られていない。ベイシア創業者でもある土屋嘉雄氏が1982年に同社を分社化した。フランチャイズ(以下FC)出店がほとんどで、全国825店のうちのFCを支える根幹は「手厚い創業支援」と「加点主義」です。同社の場合、出店立地は本部が探します。

ホームセンターや飲食店などが並ぶ幹線道路に近いが、地代が安めの少し外れた生活道路沿いに本部が店舗を建てる。この際に新聞の折り込みチラシを使って地元の夫婦を対象にFC加盟店(=店長)を募集する。作業着という毎日使う用品を扱う店の持続的な成長には地元に密着して客数を増やす店作りが不可欠。このためFC加盟店も手厚い支援でじっくり育てる方針を取ります。

開業資金200万円を払って加盟した店長の「来客数が少ない」といった初期不安を払拭するのが「Bタイプ」と呼ばれる1年間の業務委託契約だ。月間売上高が350万円を超すまでは店舗運営費として毎月50万円、350万円を超えた場合は超過分の3%分をさらに歩合給として支給する。

この「固定給+歩合給」で毎月生活ができる仕組みです。毎月の売上高が目標より不足した際に補填するコンビニの「最低保証制度」に近いが、目標を上回れば補填分を返済する必要があるコンビニと違い、同社は支給分を返済する必要はない。

その後、通常2~3年で軌道に乗り年間売上高が6,200万円を超すといわゆる通常のFC契約(6年間)に移行する。ここで月給方式から荒利益分配方式に変わり、利益の6割を本部が持っていく。

一見、厳しい条件だが、実は通常はFC店が払う地代や広告宣伝費、物流費などは本部の負担。店は水道光熱費やパート・アルバイトの人件費の負担だけで済む。こうした取り組みの結果、FC既存店の平均年間売上高は9,600万円にもなる。

2018/3現在でありがちなFCとの訴訟トラブルは「過去1件もない」とのこと。FC契約の1回目の更新率は体調不良などを除けば100%という。オーナーを支えるシステムにも力を入れているため、同社をフランチャイズで始めたい人たちにも好評である。

同社の一番の強みは同業の他社が殆どおらず、同社が独走状態であること。殆どの働く人対象に様々なアイテムを販売している同社だが、自社開発のオリジナル商品も多数販売している。同社では自社工場を持っていないが、国内外の工場で直接発注するなど、コストカットの努力もしている。作業着や作業グッズ(軍手・長靴など)に特化した店輔を作ることで成長して来た。今後は海外進出も視野に入れておりグローバル企業になる日も近いと思われる。

営業時間は顧客層に合わせ、午前7時から午後8時までを基本とし、午前6時から営業している店舗もある。定休日は店舗によって異なるが、公式サイトの店舗一覧で確認できる。同社の特徴は、商品の値段は安く「作業服のユニクロ」とも呼ばれているが、2019/3会社側予想の営業利益率は19%台と非常に高い、因みにユニクロは2017/8の営業利益率は9%台。

以上。今後もユニクロを越える成長力を内包する銘柄と思われます。

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image by : ワークマン公式サイト

億の近道』(2019年12月26日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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