増益率の改善がわかった瞬間、つまり、決算発表時が投資判断のベストタイミングです。発表後の翌日午前中。できれば朝一番で寄り付きで買うのがベストです。(『億の近道』山本潤)
※このコラムは、2005年9月27日に書かれたものです。当時の経済的背景に基づいていますので、ご留意の上お読み下さい。
※1~3回は最終ページに掲載
株を売買するのは、決算発表時がベストタイミング
単体と連結では連結優先してみる
本決算は、連結優先で考えてください。本決算には2つの種類があります。ひとつはグループ経営の状態を表す連結決算。もうひとつは、親会社のみの収益動向を表す単独決算です。連結優先とは、連結決算を優先的に採用して売買タイミングを判断してくださいという意味です。
ただし、連結決算がない単独決算だけの企業場合は、単体の決算を基準に判断するということです。単体の決算でみるべきところは、表紙に書かれている「今期の配当予想」です。それ以外はすべて連結の利益の数字を判断材料にしてください。
投資タイミングは決算発表後すぐにやってくる
遅かれ早かれ、会社の決算発表時の予想数値が市場コンセンサスを醸成するようになります。ですから、増益率の改善がわかった瞬間、つまり、決算発表時が投資判断のベストタイミングです。利益率の変化の度合いを計り、買いを決定した場合、決算発表後はできるだけ早く買いをいれることが肝心です。発表後の翌日午前中。できれば朝一番で寄り付きで買うのがベストです。
ただ、決算発表が前日の場中に発表されている場合もあるので注意してください。そういう場合は、昨日の株価が急騰していないかをチェックします。前日、それほど株価が動いていないことを確認して、決算発表後はすぐに買いを入れるのがコツです。
発表前に会社予想の数字に山をかけて、買うことはお勧めできません。理由は2つです。
1つ目の理由は、多くの人にとって、決算予想で山を張ることは難しい訓練を要するからです。
2つ目の理由は、企業の業績修正は決算発表前数週間前に行われるからです。もし、山が大きく外れたり、決算前に購入した企業が、決算の数日前に運悪く下方修正(会社計画値を下方に修正すること、株価に大きな悪影響を及ぼす)を発表したら株価が下がる危険性があります。基本的には決算発表後に仕込んでも十分に間に合うという点を理解してください。
決算前の仕込み、つまり、見込み買いが危険なことは、ベテランのアナリストでさえ決算の山をはることに失敗することを見れば十分にわかることです。