マネーボイス メニュー

【12月米雇用統計】ドル円は強固なレンジ相場、110円ラインの突破は高いハードルに

年末の調整、年明けは中東情勢の悪化ということでドル円は久々に躍動感のある値動きとなっています。

そして本日は今年最初の米雇用統計発表が予定されていますが、110.00円という大台の節目を前にして非常に重要なイベントとなっていますから、いつも以上に注目しておきましょう。(『ゆきママのブログでは書けないFXレポート(無料板)』『お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」(有料板)』FXトレーダー/ブロガー・ゆきママ)

11月の数字に対して+3.1%の高いコンセンサスを超えられるか?

市場は良好な数字を期待しているが先行指標は下振れ気味

昨日はダウもナスダックも過去最高値を更新しており、イケイケどんどんモードになってます。

背景には米国とイランの全面衝突の回避からの反動、さらには中国商務省が15日に米中第1段階合意について15日に署名すると発表したことがあるでしょう。

そして、本日22:30に発表される米雇用統計についても比較的強気の想定となっていますが、先行指標に目を向けるとやや気がかりな数字も並んでいます。

図1:先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)


前回11月の非農業部門雇用者数が30万人に迫ろうかという強い数字であったことを踏まえると、今月の+16.4万人増という数字は見た目以上に強気な印象です。

また、平均時給もまずまずの伸びを見せるとされており、前月比で+0.3%、前年同月比で+3.1%がコンセンサスとなっています。

一方、先行指標に目を向けるとADP雇用報告以外は前回から悪化しています。特に新規失業保険申請件数の増加に関しては、調査週の大幅な悪化に加え、4週平均のトレンドとしても増加傾向なのがやや気がかりですね。

また、前回分の非農業部門雇用者数は相当強いですから、反動による減少の可能性も気になります。

雇用統計は前月からどうか、という数字でもあるので、こういうパターンは警戒しなければなりませんからね。

それでも、今回も強めの数字を期待する背景には、ADP雇用報告が堅調であることはもちろん、表にはありませんが米国の雇用コンサルティング会社が発表している解雇・人員削減者数を測る指標であるチャレンジャー人員削減数が大きく低下したことが指摘されています。

つまり、レイオフ(解雇)がひと段落したという見方が堅調な雇用者数の数字に結びつくのではないかと考えられています。

というわけで、今回の雇用統計については、強気派も弱気派もそれぞれ根拠がある、なかなか悩ましいイベントになっています。

ただ、個人的には強めの数字を期待している分、弱い数字になった時の期待感剥落を重く見たいとは考えています。

Next: 想定は1ドル=109.00~110.00円、今夜のトレード戦略は?



今夜の想定レートは109.00~110.00円!戻り売りを考えたい

ドル円は昨年から強固なレンジ相場となっており、110.00円ラインを試しそうな場面は何度もあったものの、3ヵ月にわたって阻まれている状況です。

もちろん、下値も相当堅く下方向への値動きも限定的で米株の堅調さも考えれば急落という値動きも想定しにくいですが、まずはレンジを意識してショート・戻り売りという戦略が第一感ですね。

やはり予想を上回るような相当強めの数字がでなければ、高値を更新して110.00円ラインを突破するのは厳しいでしょうからね。

非農業部門雇用者数が事前予想値の+16万人を超え、なおかつ前回分、前々回分の雇用者数に数万人規模の大きな下方修正がないこと、さらに平均時給が前月比で+0.3%を超えていないのであれば、上がっても売りで叩いてみたいですね。

図2:ドル円(日足)チャート

これまで強固なレジスタンス(上値抵抗)となってきた109.70円から110.00円の大台節目にかけて抜けきるのはなかなか厳しそうですから、まずはショートということですね。

22:30の雇用統計発表直前に109.50円を超えているのであれば、お試しで売りポジションを持っても良いかもしれません。

先ほども書いたように非農業部門雇用者数と平均時給か予想を上回り、前回分、前々回分に大きな下方修正がなければ一旦損切りですが、それ以外なら週末の調整売りも想定して売りポジをホールドです。

もっとも下値も相当堅いことは間違いありませんから、欲張らずに30~40銭程度でもさっさと利益確定していきたいところでしょう。

有料メルマガ好評配信中! 初月無料です

【関連】米国のイラン攻撃で金融市場に新たなリスクが表面化、米中貿易摩擦リスクは後退=久保田博幸

【関連】米国系ヘッジファンドの売買が70%を占める?東証がNYダウの株価に引きずられるワケ=吉田繁治

【関連】新規上場の恵和は、ワークマンで注目高まるアウトドア用新素材開発でさらなる成長へ?

image by : wattana / Shutterstock.com

本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2020年1月10日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」

[月額1,980円(税込) 毎週日曜日]
ゆきママの視点から、毎週の為替相場見通しやチャート分析、トレードアイディアなどを提供します。解りやすい解説を心がけていますので、ぜひ初心者の方もお読みいただければ幸いです。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。