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米国ホームレス急増のタイムリミット迫る、コロナ給付金が止まれば失業者が転落へ

アメリカではコロナ失業者への救済として給付金を出していますが、その支援が止まれば失業者たちはホームレスに転落します。タイムリミットはいつでしょうか。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)

※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2020年7月13日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

給付期間はいつまで? 止まれば失業者がホームレスに……

米国の継続失業給付者数のデータやグラフを見るうえで重要なのは、給付期間がどれくらいなのかです。

新規失業給付申請をして給付期間が終了すれば、就職しない限り、食料無償配給カードで生活保護を受けるしかありません。彼らは、成人で労働適格年齢であっても「労働力市場から脱退したグループ」になります。

では、米国の失業者が給付金をもらえる期間はどれくらいなのか? 海外報道を翻訳しながら紹介します。 

失業保険給付額の平均は、378ドル/週となっている(2019年末時点データ)。

しかし、これも州によって異なり、ミシシッピ州はもっとも低い額で213ドル/週だ。反対に最高額は、マサチューセッツ州の555ドル/週である。

そのうえ、経済刺激策の1つとして3月27日に発効した追加給付の法律では、7月末までの期間、週600ドルが加給される。つまり、ミシシッピ州の場合は813ドル/週、マサチューセッツ州では1,155ドル/週になるのだ。

給付額は州によって異なり、また申請時期にもよっても変わるということだ。

次に給付期間だが、これも州ごとに異なる。

多くの州では最大で26週間(約6.5か月)までのところ、新型コロナウイルス救済特別法で13週が追加され、最大で39週(約10か月)の給付期間となっている。

出典:How much unemployment will I get? That depends on your state – CNBC

今後、新規失業給付件数や継続給付件数を見るうえで、申請から給付打ち切りまでの期間を39週間として分析するつもりです。

給付申請から実際の給付開始まで、米国でも数週間から1か月以上の遅れが実際には発生していることは無視するしかないでしょう。

39週(約10か月)がタイムリミットか

次の図表をご覧ください。

出典:CNBC

全米の州の失業給付期間(最長・上限)を示しています。紺色は26週以上、青色は26週、水色は26週で、圧倒的に青色の州の最長26週が多いことがわかります。

これに、それぞれ13週が今回特別に加算延長されるのです。

出典:CNBC

こちらは継続給付件数のグラフです。期間は2007年から2020年6月まで。前の金融危機のピークのおよそ5倍が2020年の現状です。

今後、これが最大で39週(約10か月)、上昇傾向か高止まりで推移すると想像できます。

Next: 次に「新規失業給付申請件数4〜6月の合計は4,500万件」とのデータを紹介――



国民の半数以上が“住む場所”に不安

次に「新規失業給付申請件数4〜6月の合計は4,500万件」とのデータを紹介します。

早速、以下の図表をご覧ください。毎月の住居費(家賃、住宅ローン)支払の遅延状況のサイトのグラフです。失業者数が毎週、毎週着実に増加していますので、家賃やローン返済が遅れる人々が徐々に増えるのは間違いありません。 

出典:Apartment List Survey Date

これは家賃、ローンの支払遅れを示すグラフです。6月は米国人の30%が、住居費(家賃、ローン)の支払いが遅れた。5月は31%、4月は24%だったので、高止まりです。

ピンク色部分が、全額支払いはできなかったが、住み続けるために支払額の一部のみを払った人々比率です。赤色部分は、まったく支払えなかった人々の比率です。

   支払遅延 一部だけ支払った まったく支払えなかった
4月:24%   12%       12%
5月:31%    9%       22%
6月:30%   11%       19%

6月時点、10人に3人が、住居費(家賃、住宅ローン支払い)の支払いが遅れた。そして10人に2人はまったく(分割払いでも)支払いができなかったのです。

出典:Apartment List Survey Date

こちらは「住む場所を失わないか?」という将来の不安を示すグラフです。上段は借家の人々。下段は自宅保有の人々です。

    心配なし あまり心配していない やや心配  心配  とても心配
 借家:36%   25%        19%    11%  7%
持ち家:52%   23%        12%     8%  6%

借家の人々は、10人に4人近くは住む場所を失う不安を感じているのです。そのほとんどは賃貸の人々で、若い貧困層でテレワークができない人々でした。

強制立ち退きや、差し押さえがすぐにできないような措置(家主や銀行との間での支払い猶予合意)を取っていても、その期限も近付いており、多くの米国人は、そのうちに追い出されることになります。

今後、半年以内に強制立ち退きになるのではないか?と考えている借家暮らしの人々は、全体の37%。同様に半年以内に差し押さえになるのではないか?と心配している持ち家の人々も、全体の26%も存在しているのです。

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・米国雇用状況の実態:2020年6月 解雇通知(7/15)
・奇々怪々:米国失業者数のデッチアゲ(7/14)
・置いてきぼりになるかも?(7/13)
・米国の失業給付期間(7/13)
・中国:海外金鉱山を飲み込むに尽きる(7/10)
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※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2020年7月13日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2020年7月13日号)より一部抜粋、再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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