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コロナ変異、感染力は6倍? 東京感染者数1日300人超えは時間の問題か=高島康司

中央アジアのカザフスタンで新たに毒性の強い肺炎の蔓延が確認された。果たしてこれは新型コロナウイルス「Covid-19」の危険な変異の兆候なのだろうか? もしこの変異型がいま日本で拡大しているタイプだとしたら、東京都で1日の感染者数が300人を越えるのも、もしかしたら時間の問題かもしれない。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

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※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2020年7月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

コロナに新種?

中央アジアのカザフスタンで新たに毒性の強い肺炎の蔓延が確認された。果たしてこれは新型コロナウイルス「Covid-19」の危険な変異の兆候なのだろうか?

日本でも、東京都を中心に新型コロナウイルスの蔓延が止まらない。いつ拡大が収束に向かうのか、まったく予想ができない状況だ。以下は東京都のモニタリングサイトに掲載された7月20日の最新データと、「東洋経済オンライン」が掲載した東京都の実行再生産数である。

・20日のPCR検査人数:3,302人
・検査の陽性率;6.0%
・東京都の実効再生産数:1.21人

5月22日に東京都の陽性率は0.8%まで下がったものの、再び上昇している。感染者数の増加の理由はPCR検査人数が増加しているからで、感染はたいして拡大していないとの見解が政府や東京都から出ているが、実態はそうではない。そうであれば検査の陽性率は変化しないか、逆に低下するはずだが、そのようにはなっていない。はっきりとした増加が見られる。これは、感染の再拡大が始まったことを示唆している。

また、1人の人間がどれだけの人数に感染させるかを表す実行再生産数も感染が拡大していることをはっきりと示している。5月11日には0.5人まで下落したが、7月4日には1.89人にまで増加した。7月20日時点では1.21人になっているが、これからまた増加する可能性も十分にある。

ちなみに、東京都で陽性率と実行再生産数がもっとも高く、感染が拡大のピークだった日は以下のようになっている。

・陽性率:3月29日、3.62%
・実効再生産数:4月7日、2.37人

このように、3月後半から4月の初旬が東京都における感染拡大のピークであった。

東京都の数値は米オレゴン州に匹敵

これから東京都は、このピークの時点まで感染者は増えるのであろうか?気になるところである。

どのくらい増える可能性があるのか予想するために、東京都と類似した陽性率と実行再生産数の地域を探して見た。すると、アメリカのオレゴン州であった。いま全米40州で拡大が続いており、オレゴン州もそのひとつだ。カリフォルニア州やテキサス州ほどではないものの、拡大は一定ペースで続いている。以下が比較である。

東京都(7月13日時点)
・検査の陽性率;6.2%
・東京都の実効再生産数:1.46人

オレゴン州(7月13日時点)
・検査の陽性率;6.2%
・オレゴン州の実効再生産数:1.68人

これを見るとよく似てていることが分かる、ちなみにオレゴン州の1.68人という実行再生産数は、東京都の7月8日の1.7人と同じ水準だ。

Next: もちろん、東京都とオレゴン州を単純に比較することはできない。東京都の――



オレゴン州の1日の感染者数は357人

そして、このようなオレゴン州の1日の感染者数は7月14日のデータで357人なのだ。

もちろん、東京都とオレゴン州を単純に比較することはできない。東京都の人口は1,400万人だが、オレゴン州は419万人に過ぎない。人口の過密度もまったく異なっているはずだ。

しかし、PCR検査における感染者数の割合である陽性率と、1人の人間が感染を拡大させる人数を表す実行再生産数がこれほど似ているということは、オレゴン州と東京都では感染拡大が同じようなペースで進んでいる可能性を示しているように思われる。すなわち、両者では同じペースで拡大しているということであろう。

ということでは、東京都で毎日の感染者数が300人を突破するのは、もしかしたら時間の問題なのかもしれないのだ。

毎日の感染者数の増減は変化する。減少したように見えるときもあるかもしれない。しかし、増減を繰り返しながら、結局300人の水準まで増大する可能性もあるのだ。

カザフスタンの新型肺炎

首都圏を中心に日本では感染の「第2波」がすでに始まっているという懸念が強い。そのように警告する専門家も徐々に増えている現状だ。

しかし、「東大最先端科学技術研究センター」の児玉名誉教授らの研究によると、東アジアと東南アジアで毎年流行しているカゼウイルスのタイプは、実は雲南省由来のコロナウイルスが多いという。

両者は同じコロナウイルスとして、いくつかの特徴を共有している。このため、この地域の人々は新型コロナウイルスに対するある程度の免疫があり、その結果、東アジアと東南アジアでは欧米などと比べると2%から5%と致死率はかなり低い。

もしそうだとすると、これから首都圏と日本では新型コロナウイルスの第2波が本格的に始まっても、高齢者や既往症を持つ人々以外はそんなに警戒する必要はないのではないかという意見もある。

しかしこれは、第2波の新型コロナウイルスが第1波と同じタイプのウイルスである場合に成り立つ見方だ。もし第2波の新型コロナウイルスがこれまでとは異なる変異型のものだったとき、第1波と同じ原則が当てはまるという保証はない。

そんなとき、中央アジアのカザフスタンにある中国大使館が興味深い発表を行った。中国大使館は現地メディアの報道として、カザフスタンでウイルス性の肺炎が発生し、この半年で死者1,700人を超え、先月だけで628人が死亡したと発表した。死者のなかに中国人も含まれているとしている。

肺炎の原因は不明で、新型コロナウイルスよりも致死率がはるかに高いとして注意を呼びかけた。

一方、カザフスタン保健省は中国側の情報が事実に即していないとして、未知の肺炎が流行していることを否定している。

しかしもし、この新型肺炎が変異した新型コロナウイルスの「Covid-19」であれば、危険性は計り知れない。これから日本では始まる第2波がこの変異型であった場合、第1波のときのような低い致死率でとどまる保証はないかもしれない。

Next: この発表があった直後、「WHO」はカザフスタンのこの新型肺炎に関する――



WHOの見解

この発表があった直後、「WHO」はカザフスタンのこの新型肺炎に関するコメントを発表した。

「WHO」の専務理事であるマイケル・ライアン博士によると、まだ断定はできないものの、今回カザフスタンで見つかった新型肺炎は、実は「Covid-19」の疑いが強いという。

カザフスタンでは毎週1万人ほどの感染拡大が続いてており、感染の有無を検査する技術の不足から多くの感染者が陰性と判定され、こうした見逃された感染者の発症が相次いでいる可能性があるとした。

だが、そうではない可能性もあるとして、調査を継続するとしている。

3倍から6倍の感染力を持つ新しい変異

一方、新型コロナウイルスの危険な変異を示す発見が最近あった。

細胞学の著名な科学専門誌「セル(Cell)」に、「ロスアラモス国立研究所」や「デューク大学」などが行った研究結果が掲載された。それによると、イギリスにおける新型コロナウイルスに感染した重症の患者、999人を調査したところ、ウイルスの重要な変異が確認されたという。

現在、世界でもっとも一般的に見られる新型コロナウイルスの株は「D614G」という型だが、その表面のタンパク質に変異が生じているのを発見した。

この変異型の新型コロナウイルスの感染力を実験室で確認したところ、中国、武漢で発生したオリジナルの株よりも、約3倍から6倍の感染力を持つことが明らかになった。ただ、毒性の強化は確認できなかった。

この結果は、現在アメリカの新型コロナウイルス対策の中心になっているアンソニー・ファウチ博士は、この変異型のウイルスは一層増殖しやすくなっているとして、最大限の注意を喚起している。

もちろん、カザフスタンで見つかった新型肺炎がこの変異型の新型コロナウイルスであるのかどうかは分からない。しかし、もしこの「D614G」という変異型がいま日本で拡大しているタイプだとしたら、東京都で1日の感染者数が300人を越えるのも、もしかしたら時間の問題かもしれない。

とにかく油断してはならない。十分に注意してほしい。

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ」(2020年7月17日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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