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菅新内閣のデジタル庁は日本を救うか?東京発IT株バブルの気配あり=菅下清廣

菅氏が政権の最優先課題と明言した「デジタル庁」は、近く誕生する菅新内閣の切り札となる。実現すれば、情報通信株を主体とした日本のイノベーションバブル相場の号砲となるだろう。(『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』菅下清廣)

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※本記事は『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』2020年9月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:菅下清廣(すぎした きよひろ)
国際金融コンサルタント、投資家、経済評論家、スガシタパートナーズ株式会社代表取締役、立命館アジア太平洋大学学長特別顧問。ウォール街での経験を生かした独自の視点で相場を先読みし、日本と世界経済の未来を次々と的中させてきた「富のスペシャリスト」として名を馳せている。「経済の千里眼」との異名も。著書に『今こそ「お金」の教養を身につけなさい』ほか多数。

デジタル庁が菅新内閣の「切り札」に

9月6日の日経新聞朝刊一面の記事の見出しは、「菅氏、デジタル庁検討へ」だった。その冒頭をご紹介すると、以下の通りだ。

自民党総裁選に立候補する菅義偉官房長官は5日、日本経済新聞の単独インタビューに答えた。新型コロナウイルスへの対応で遅れが明らかになったデジタル行政を加速するための「デジタル庁」の創設を検討すると明言した。<中略>

菅氏はデジタル庁設置を「最優先課題」と位置づける。安倍政権は官邸主導で「安倍一強」といわれたが、新型コロナ対策はデジタル行政の目詰まりに直面し政権支持率を下げる要因となった。背景にはIT(情報技術)行政の担当が内閣府や経済産業省、総務省などに分かれ、官邸が指示しても迅速な対応が難しかった事情がある。雇用調整助成金のオンライン申請などあちこちで不具合が続出した。医療や教育でもオンライン化の遅れが目立ち、日本はIT後進国ぶりを露呈した。日本の労働生産性は主要7ヵ国(G7)中、最低が続く。<中略>

菅氏は「デジタル関係の政策全般を責任をもってみる所が必要になる」と説明した。「必要な法改正も視野に入れる。ありとあらゆる分野を集約したい」とも述べた。

出典:菅氏、デジタル庁検討へ – 日本経済新聞(2020年9月6日配信)

この菅氏が政権の最優先課題と明言した“デジタル庁”は、近く誕生する菅新内閣の“切り札”となるだろう。

デジタル化なくして日本は生き残れない

安倍政権がなし得なかった“第4次産業革命”の実現にむかって、菅新政権は動き出す。同日の日経新聞の“きょうのことば”に、デジタル庁がわかりやすく解説されている。

要は、省庁横断のデジタル化を進める権限を持つ組織を立ち上げ、日本のデジタル国家への道のけん引役とする。官民一体となって、電子政府、電子行政、企業、個人のデジタル化を推進する。

もしこの記事の通り、菅新内閣スタートと同時に、日本のデジタル庁が設置されれば、菅新政権を内外にアピールし、国内でも国民の支持は高まるだろう。

なぜなら、日本国民の誰もが人口減少、少子高齢化を乗り越えてゆくためには、デジタル化を国の隅々まで浸透させ、生産性を向上しなければ日本が先進国として生き残ることができないとわかっているからだ。

Next: デジタル化に成功すれば、日本で「情報通信株」主導のバブルが始まる?



「情報通信株」主導のバブルが始まる?

なので「菅新政権、デジタル庁設置へ」という見出しが、主要各紙の一面に出るようなら、私が以前からお話ししている情報通信株を主体とした、日本のイノベーションバブル相場の号砲となるだろう。デジタル庁関連銘柄が急騰するような展開も予想される。このデジタル庁が形だけのものでなく、実効性の高い組織となれば、日本の未来に大きな希望が出てくる。

“きょうのことば”では、電子政府の進み具合を示す国連のランキングでは、2020年の首位はデンマーク、2位は韓国、3位はエストニア、米国は9位、日本は14位だった。デジタル庁の発足によって、行政・教育・医療などの分野で今後一層のデジタル化が進むことが予想される。そして日本では、韓国や中国に追いつけ・追い越せの社会的風潮が起こってくるだろう。

なので、デジタル化によって生産性が上がる分野で成長する企業の業績が大幅に上昇し株価が大化けする可能性がある。

2020年2月に中国武漢発の新型コロナウイルスが発生して以来、日経平均株価が急落。3月19日に底入れして、その後反転上昇していますが、いまだ年初の1月17日の高値2万4,115円を奪回にはいたっていない。しかし、その間マザーズ市場は活況を呈し、IPO銘柄に個人マネーが殺到して、いくつかのIPO銘柄がすでに爆騰している。

一方、ここにきて米国のNYダウやナスダック指数が波乱の展開となっている。高値警戒感から売られている面もあるが、最近まで米国のニューハイテク株の株価を押し上げていたロビンフッダーに捜査が入り、ナスダック銘柄が嫌気しているのが一番の下落要因と見られる。なので、日本の新興株も、ナスダック急落の影響で、やや不安定な動きになっている。

だが、前述したように菅新首相が、デジタル国家促進を国策として打ち出してくるようなら、44銘柄(株式コード番号が44で始まる銘柄)を主役に情報通信株が再び人気化して、マザーズ指数を押し上げることになるだろう。

以前にもご紹介したが、AIインサイド<4488>、BASE<4477>、サイバーセキュリティクラウド<4493>、サーバーワークス<4434>、メドレー<4480>などに加えて、最近上場のコマースONE<4496>、マクアケ<4479>、ニューラルポケット<4056>、Speee<4499>など続々ニューフェースも登場。そのほか、Jストリーム<4308>、SHIFT<3697>、チェンジ<3962>なども
株価の強い動きが続いている。

はたして、菅政権発足が新たな情報通信革命相場の始まりとなるか?菅政権の目玉、「デジタル庁」の帰趨(きすう)が、日本の未来と株価の行方を決めるだろう。

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※本記事は『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』2020年9月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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内閣官房内閣広報室 at Wikimedia Commons [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

菅下清廣の”波動からみる未来予測”』(2020年9月7日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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