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WTOとトランプの喧嘩で大儲け?米の対中関税「不当」判断にGAFAMは笑いが止まらぬ訳=高梨彰

アメリカの対中関税について、世界貿易機関(WTO)は「不当」との報告書を発表。トランプは反発するようです。この米国の国際協調“無視”の動きが、GAFAMほかIT企業の追い風になっていると言えます。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)

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プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

WTO、米国の対中関税に「NO!」

世界貿易機関(WTO:World Trade Organization)が「米国の中国製品に対する(追加)関税は不当」とする報告書をまとめました。

米国は突っぱねるようですが、そうだとするとWTOの存在意義がまたぞろ問われます。日韓関係でのゴタゴタも解決には程遠いようですし。

米国は世界保健機関(WHO:World Health Organization)からも脱退を宣言しています。

アメリカの国際協調“無視”はお約束?

一見するとトランプ大統領のわがままにも映ります。しかし、歴史を紐解けば、米国のお約束事とも。

孤立主義を唱えたモンロー宣言や、第1次大戦後に当時のウィルソン米大統領が提唱した国際連盟に米国自身が参加しなかったことなど、例を挙げれば切りがありません。

まぁ、ウィルソンの直後に就任したハーディング大統領はトランプと同じ共和党でしたけど。

GAFAMには追い風か

ともすると、孤立主義や保護主義が横行するとインフレ率上昇や経済の停滞、はたまた「第3次世界大戦」へと連想は飛躍しがちです。

しかし、米国がWTOやWHOにソッポを向いても、世界経済も国際金融もさほど動揺しません。

理由はいくつかあるのでしょうけど、世界が分断しようとしまいと、ネット社会は崩れようもないかと。ついでにアマゾンやグーグル、アップルやマイクロソフト、はたまたアリババに至るまで、ネット界の巨人たちには影響薄にみえます。

ネット取引に課税すること1つを取ってみても、国際的な協調があって初めてアマゾンなどに影響を及ぼすことが可能でしょうから。

Next: 安倍政権はIT大手企業の敵だった?国際協調が崩れるとNASDAQが輝く



国際協調が崩れるとNASDAQが輝く

そう考えると、安倍政権が行ってきたTPP推進や経済面での国際協調路線は、意外とIT大手企業にも警戒すべき存在だったのかもしれません。

てことで、WTOのゴタツキが取り上げられるほど、IT大手には助かる話、転じてNASDAQ総合指数も上がりやすい、そんな示唆が得られます。

NASDAQ 日足(SBI証券提供)

今回のまとめ

・WTO、米国の対中関税を「不当」と
・国際協調への期待が薄れる程、IT大手には規制の網も掛け難く好都合かと

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  • WTOの揉め事とIT大手の隆盛(9/16)
  • 期待も不安も大きい、菅新総裁の「改革」(9/15)
  • ツール・ド・フランス、緊張の休息日(9/14)
  • 「Go To トラベル」、便乗値上げはあっても(9/11)
  • 製薬会社の声明、セールス活動一巡の証か(9/10)
  • 八合目から乗った人も多そうです(9/9)
  • ユーロ高の中を走り抜けない真っ赤なフェラーリ(9/8)
  • 日米株価比較が示す、安倍政権の「アメリカと一緒」(9/7)
  • 地銀再編、つまりは47都道府県再編…(9/4)
  • 「顔」(9/3)
  • 米製造業、世が世なら利「上」げを連想させる水準(9/2)
  • 総裁選も既に終わった雰囲気でして(9/1)

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image by:Evan El-Amin / Shutterstock.com

高梨彰『しん・古今東西』』(2020年9月16日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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