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WTOとトランプの喧嘩で大儲け?米の対中関税「不当」判断にGAFAMは笑いが止まらぬ訳=高梨彰

アメリカの対中関税について、世界貿易機関(WTO)は「不当」との報告書を発表。トランプは反発するようです。この米国の国際協調“無視”の動きが、GAFAMほかIT企業の追い風になっていると言えます。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)

※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2020年9月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

WTO、米国の対中関税に「NO!」

世界貿易機関(WTO:World Trade Organization)が「米国の中国製品に対する(追加)関税は不当」とする報告書をまとめました。

米国は突っぱねるようですが、そうだとするとWTOの存在意義がまたぞろ問われます。日韓関係でのゴタゴタも解決には程遠いようですし。

米国は世界保健機関(WHO:World Health Organization)からも脱退を宣言しています。

アメリカの国際協調“無視”はお約束?

一見するとトランプ大統領のわがままにも映ります。しかし、歴史を紐解けば、米国のお約束事とも。

孤立主義を唱えたモンロー宣言や、第1次大戦後に当時のウィルソン米大統領が提唱した国際連盟に米国自身が参加しなかったことなど、例を挙げれば切りがありません。

まぁ、ウィルソンの直後に就任したハーディング大統領はトランプと同じ共和党でしたけど。

GAFAMには追い風か

ともすると、孤立主義や保護主義が横行するとインフレ率上昇や経済の停滞、はたまた「第3次世界大戦」へと連想は飛躍しがちです。

しかし、米国がWTOやWHOにソッポを向いても、世界経済も国際金融もさほど動揺しません。

理由はいくつかあるのでしょうけど、世界が分断しようとしまいと、ネット社会は崩れようもないかと。ついでにアマゾンやグーグル、アップルやマイクロソフト、はたまたアリババに至るまで、ネット界の巨人たちには影響薄にみえます。

ネット取引に課税すること1つを取ってみても、国際的な協調があって初めてアマゾンなどに影響を及ぼすことが可能でしょうから。

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