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海に放出か?菅政権が逃げ回る福島原発“汚染水タンク満杯”問題の瀬戸際=浜田和幸

福島原発事故での汚染水問題は、東京五輪後に対応策を決めるとして先延ばしにされていた。それが今度は「コロナが終息してから」とまた棚上げされている。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)

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※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2020年10月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

満タンになりつつある汚染水タンク。日本の対策は「海に放出」

目前のコロナウイルス対策に目を奪われ、福島原発事故がもたらした汚染問題が棚上げにされているようだ。

菅義偉新総理は事あるごとに、「コロナ対策と経済政策という両輪のバランスを取りながら進めたい」と発言。

それはその通りであるが、コロナに負けず劣らず深刻な影響を及ぼすに違いない福島原発の汚染水問題が瀬戸際に追い詰められている現実から目をそらすわけにはいかない。

実は、2011年に発生した福島第一原子力発電所のメルトダウンによって発生した放射能汚染水が台風等の影響もあり地下水と混ざり、膨大な量に膨れ上がっているからだ。

汚染水に対する化学的な安全処理も進んでいるが、すでに1,000棟を越える貯水タンクに100万トン以上が貯め込まれている。

現在も新たなタンクの建造計画があるのだが、それでも2022年夏には飽和状態になる。

日本政府は国際原子力機関(IAEA)とも協議し、唯一の現実的対応策は「海への放出」との考えに傾いている模様だ。

漁業関係者、国連の専門家グループが全力で止めに入っている

東京電力がまとめた資料によれば、汚染水にはコバルト、セシウム、ストロンチウム、イオダインなど62種類の放射性物質が含まれている。

東電の説明では、「トリチウムの除去は難しいが、大半の放射性物質は無害化した上で海に流せば問題はない」とのこと。

問題のトリチウムも「比較的無害」との説明がなされている。

しかし、外部の専門家による調査は一切、認められていないのが気がかりだ。

そのため、近隣の漁業関係者や農業生産者からは「安全性は大丈夫か。風評被害が再発しないか心配だ」という声が止まない。

最近でも、国連の人権問題の専門家グループからは日本政府に対して「現時点での海への放出はすべきではない。きちんとした安全対策の構築が先だ」との勧告が出されている。

Next: 東京五輪後に対応策を決める段取りだった。まだ先延ばしにするのか?



「安全宣言」で五輪招致を勝ち取った

安倍政権下では、この問題は東京オリンピックが終わってから対応策を決める段取りになっていた。

なぜなら、国際的には福島原発事故のよる放射能汚染問題はオリンピック招致の際にも最も大きな課題となっていたからだ。

当時、安倍首相は「福島の汚染問題はアンダー・コントロールした!」という「安全宣言」を行い、東京への招致を勝ち取ったのである。

しかし、東京オリンピックが1年延期になったことで、汚染問題が再度、国際的な関心を集めることになってきた。

次の先延ばし理由は「コロナが終息してから」

菅総理は「コロナ対策で手一杯だ。福島の問題はコロナが終息してからにしてくれ」といった状況のようだ。

ぶっちゃけ、デジタル庁の新設や携帯電話料金の値下げも良いが、福島問題を後回しにするのは日本人のみならず人類全体の生命と安全を軽視することになりかねない。

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浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』(2020年10月2日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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