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なぜ竹花貴騎の「俺Google」詐欺に騙される?虚言と詐称を見抜く10の方法=栗原将

経歴詐称が問題となった自称元Googleのビジネス系YouTuber・竹花貴騎さんが話題ですが、騙されてしまう人が跡を絶ちません。僕の周囲でも詐欺師に騙されて大金を失った話をよく聞きます。竹花貴騎さんが詐欺行為をしているとは言及しませんが、今回は「詐欺師を見分ける10のポイント」を解説します。(『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』栗原将)

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情報商材で大金を失うケースが多発

経歴詐称が問題となった自称元Googleのビジネス系YouTuber・竹花貴騎さんの界隈が炎上しています。

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僕の周囲でも今まで、いわゆる情報商材で大金を失ったりしたり、100%儲かると言われて投資したら主宰者が行方不明になった…みたいな話を数多く聞いてきました。

ほとんどの場合は、首謀者が詐欺的な行為をしているものです(※筆者注:刑法上の詐欺罪で立件できるかどうかは別問題です。立件は簡単ではありませんから、ちょっと話が食い違ってトラブった程度で相手を詐欺師呼ばわりするのは、逆にリスクが高い行為です)。

ですので、今回は「詐欺師を見分ける方法」を10個のポイントにまとめてみました。

(※筆者注:竹花貴騎さんが詐欺的行為をしているとは僕は言及していませんし、事実関係を把握しているわけでもありません。あくまで、竹花貴騎さんの一件から気づきをもらっている、というご理解をいただければと思います。)

「詐欺師を見分ける方法」10個のポイント

<詐欺師の特徴その1:証拠写真や資料が自作(または証拠を出さない)>

証拠だという写真や資料は、ほとんどが自作のもの。信頼できるメディアなど発行のものではないことが特徴です。また、エビデンスを出さないこともあります。

例えば、売上や報酬の入金画面だって、今や簡単にねつ造できます。ですから、自作の収入証明とやらは、僕はまったく信用しません。信用するとしたら、「確定申告書」くらいですね。

それと、詐欺師の常套手段は、日頃から嘘だらけなので、まともなエビデンスを出さないことを
「習慣付け」にして、相手に慣れされるようにする傾向があります。

「○○の経費で10万円かかりましたので、振り込んでください」と言ってくるのですが、何の領収書も記録もない。でも、そんな日常を繰り返していると、騙された側も「そんなものか」と思ってしまうものです。

<詐欺師の特徴その2:都合が悪いことは自分のホームグラウンドで釈明して終わり>

不祥事などの際、記者会見などを開くのではなく、自分のYouTubeチャンネルで釈明して終わりにするなどの特徴があります。

人生の中で、大勢のメディア記者にライトを当てられて、厳しい質問攻めにあう人はほんの少数でしょう。僕は以前、新聞社に勤めていましたので、取材された方の感想を聞く機会がありました。

「恐ろしいプレッシャーでした。あの雰囲気で記者に誘導されたら、普段ならありえない失言もしてしまう」と言っていました。

記者たちは、あらゆる手を使って失言を引き出そうと攻めてくるものですが、最近のインフルエンサー・ネット起業家は、このような記者会見に出ることはなく、自身のチャンネルで済ませることが多いですね。

でも、これって、自分の好きなように編集できますし、適当な聞き手役と出来レースを演じることも簡単です。

その上で、「もう、語りつくしたので」みたいに言うわけです。何の質問にも答えずに終了させるという対応をする人の場合には、注意が必要ですね。

<詐欺師の特徴その3:表に出てくるのは、本人だけ>

大会社の社長を自称しているのですが、部下たちの顔は見えないし、あったとしてもフリー素材だったり…。

実業を運営している実態がないため、まともな部下がいません。さらに、もう1つの理由の方が重要なのですが、あらゆる場面で嘘をつく人間は「ひとりで動きたがる」傾向ということもあるのです。

よく、「私は、人に仕事をお願いするのが苦手で…」みたいに、あたかも気遣いの人を強調するケースがありますが、実際のところは根っからの嘘つきで、部下などを絡めると、嘘がばれてしまうから、「ひとりで何でもやる」ということはかなり多いものです。

Next: 一部の事実を誇張、意味なく弁護士を使う、ほか詐欺師の特徴



<詐欺師の特徴その4:一部の有利な事実ばかり、強烈に主張する>

いくら詐欺師でも、嘘でないことは実際にやっています。詐欺師はこれを利用するのです。

とりあえず、何か、社会貢献みたいなことをやったとします。そうしたら、その事実を極限まで利用して、「他も同じように実態があります」という話の持って行き方をします。・

ロジカルに考える人は受け入れませんが、「私が1,000万円を寄付したのは、事実だと証明されていますよね。同じように、1億円をほかにも寄付したのは、すべて事実です」というような話し方をします。

僕にはまったく響かないのですが、信じる人がいるのが残念ですね。

<詐欺師の特徴その5:自分に不利な部分は徹底的に隠し、削除記録を残さない>

自分に不都合なことがばれたら、ツイートでもYouTubeでもしれっと消します。そして、「訂正しました」「削除しました」とは言いません。

ただし、魚拓(スクリーンショット)を取られるようになってきたので、最近では逆効果の部分が目立つようになっていますね。お祭り状態となる原因となっています。

それから、YouTubeで登録者数を隠している人物もかなり怪しいですね。設定により、チャンネル登録者数を非表示にすることはできるのですが、理由はシンプルで、登録者が激しく少ないからです。

一方、再生回数は消せないので、どうしても公開されてしまうのですが、仲間同士で、人為的に再生回数を増やすことをやっている人たちもいます。あるいは、自分で大量のアカウントを作ることだってあります。

都合の良いツイッターのフォロワー数だけ自慢して、数が少ないYouTubeは隠すというアカウントがありますが、まぁ、僕からしたら付き合うに値しないものです。

ツイッターのフォロワーも、適当に作られたアカウントを使えば簡単に増やせますからね。

<詐欺師の特徴その6:自分が不利になると激昂。感情での揺さぶりを仕掛ける>

僕自身、記憶に残っているのは、アントニオ猪木さんです。猪木さんが詐欺師とは言いませんが、かつて記者会見で、突然、怒鳴りだしたのは、典型的な、あれな戦術かなと。

激昂したり、泣いたり、あるいは、突然、人情話(「僕は死んでも嘘はつけない人間です」
と言った詐欺師もいました)をするのも、詐欺師の特徴のひとつです。

<詐欺師の特徴その7:被害者意識を装う>

「アンチから攻撃にあっている」とか、しまいには「国家から狙われている」など、荒唐無稽な被害者話を持ち出すのも特徴です。

オウム真理教もそうでしたね。国家から迫害されている、みたいな言説を繰り返していました。

<詐欺師の特徴その8:意味ないところで弁護士を使う>

弁護士が書いた書面だからと言って、事実が書かれている証明ではありません。

あくまで、依頼者が言ったことが真実だという前提で意見書など作成できますし、後で嘘がばれても弁護士は免責されますので、喜んでこのような仕事を受ける弁護士がいるわけです。

ところが、法律に詳しくない一般の人は、弁護士からお手紙が来ただけで、震えあがってしまいがちです。

「名誉棄損で訴訟を起こす」と脅かして来ることはありますが、実際にはほとんど行動はしないものです。なぜなら、本当に裁判になったら、自身の悪事が洗いざらい明るみになってしまいますから。ですから、ほとんどが、単なる脅迫、の意味合いでしかないのです。

一方、返金請求とか、本気で闘いたいということであれば、単独ではなく、同じような元会員とかで仲間を組んで共同訴訟にした方がよいでしょう。詐欺師にとっては痛手となる場合が多く、有利です。

Next: 寄付・慈善活動をしきりに強調。詐欺師の常套手段とは?



<詐欺師の特徴その9:寄付や慈善団体をしきりに強調する>

これも定番です。ひどい場合には、そういった財団にはお金は流れているが、ほとんどが使途不明金になっているというケースもあります。

寄付・慈善活動を名目に一度でもお金を集められたら、あまりにボロ儲け過ぎて、普通のビジネスなどできなくなるようです。

投資としてお金を集める:配当を出す必要
寄付として集める:適当な活動報告書を出せば返金不要、監査も何も無し

という感じで、慈善活動どころか、真逆で不正のツールになっているのです。

<詐欺師の特徴その10:ルール違反を平然と行う>

どこかに反社会性、ルール違反を平気でやっていることへの、認識ギャップが垣間見えることがあります。

例えば、「このツールはGoogle社の規約に抵触しないよう、最新テクノロジーを活用」みたいに宣伝するのですが、結局は脱法行為というか、脱ルール行為だったりするものです。こういう香ばしさが漂って来てしまうものです。

いくら慈善行為でオブラートしていても、元から備わっている、ルールや法律の裏をかくような「お行儀の悪さ」が垣間見えてしまうのです。

いくら、丁寧な言葉遣いで取り繕っていても、ひょんなところで高校時代のヤンキーが出てしまい、眉間にしわ寄せて「ゴルァ」みたいな人って、いますよね(笑)。必ず、そんな所が見えるものです。

以上、これまでご説明した10個のポイントのうち、該当する場合には要注意です。さらに冷静に調べてみることをおすすめします。

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image by:FGC / Shutterstock.com

海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』(2020年11月11日号)より
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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9年間のタイ、フィリピンでの海外移住生活から帰国し、北海道暮らしをはじめた50歳男子が、久々の日本生活から感じることや、海外生活のメリット・デメリット、そして、地方暮らしの実際について独自目線で語っていきます。

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