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大統領選の混乱よそに株価高騰はまだ続く。出遅れ投資家の勝ち筋は?=花輪陽子

混乱の大統領選挙を経て、株式相場はどうなるのでしょうか。急騰相場に出遅れた人にも、チャンスのある地域やセクターがあります。バフェットやジム・ロジャーズの戦略とともに、今後の展望を解説します。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)

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プロフィール:花輪陽子(はなわ ようこ)
外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。

大統領選・ワクチン報道で株式市場急騰

大統領選挙を経て、株式相場はどうなるのでしょうか。

10月末にマーケットは大幅に下落をし、11月3日の大統領選挙の日からバイデン氏の勝利を織り込んで暴騰をはじめました。

今回、上院は共和党が過半数を取り、ねじれが予想されます。そのため、バイデンが掲げている増税案は議会では可決されない可能性が高いです。そういった理由からもマーケットはねじれを好感して上昇しています。

NYダウ 日足(SBI証券提供)

しかし、まだトランプ氏は敗北宣言をしておらず、訴訟が長期化するリスクも残っています。複数の州で出た結果を覆すことは至難の業だと考えますが、まだトランプ大逆転の可能性も残っているという極端な意見のサイトもあります。敗北宣言をするまでは終わらないからです。

また、11月9日にファイザーが90%超の効果のワクチンを開発したというニュースを受けて、クルーズ、航空会社、銀行、不動産株等のバリュー株の株価が急騰し、ハイテク関連が売られました。

このニュースは多くの人にとっては嬉しいサプライズですが、寝耳に水だったのではないでしょうか。

私自身も10月中旬まで株式をコツコツ積み立てていました。ハイテクや貴金属、航空会社の株や空港の株など分散投資をしていたのですが、ハイテクや貴金属は大きく下落をし、バリュー株は大きく上昇しました。

ポジションは保有したままで、特別積み増したり、売却などもせず通常通りにしています。

追加の量的緩和と財政政策

さて、大統領選挙の決着が付き、コロナパッケージ第2弾が実施されるのには時間がかかりそうです。しかし、FRBが景気2番底を警戒し、コロナ拡大なら量的緩和を拡充するというコメントをしています。

追加の量的緩和に関しては、オーストラリアで拡大をさせています。米国が拡大させるなら、日本や欧州も追随する形になるでしょう。

中央銀行が量的緩和をし、債券市場を買い支えると債券の価格が上がり、利回りが低下します。そうすると、余ったお金は相対的に配当利回りの高い株式市場に向かうことになります。また、貴金属市場にも流れます。

株式や貴金属に関しては基本的にホールドでよいのかなという見方です。心配であれば、プット・オプションなどで保険をかける方法もあります。

とあるファミリーオフィスでは、大統領選挙の後にプット・オプションのオプション料が下がってからプット・オプションを購入したようです。

保険は雨が降っていない、晴れている時に購入するほうが安いからです。株式市場は暴騰しているものの、しばらく乱高下が続くリスクが残りそうです。

Next: 11月後半からクリスマス商戦に突入、ゲーム関連に投資妙味アリ?



ゲーム関連に投資妙味アリ?

また、米国では11月からクリスマス商戦が始まります。12月の小売売上高は1~11月の月当たりの平均を15%程度上回ります。コロナが逆風になると言われていますが、ゲームなどは面白いという見方の分析もあります。

例えば、HERO(Global X Video Games & Esports ETF)というETFがあります。保有銘柄の上位を見ると、Sea Ltd、NVIDIA、任天堂、Activision Blizzard、NetEase Inc、ネクソン、カプコン、Ubisoft Entertainment、エレクトロニックアーツ、Embracer Groupなど。

こうしたETFも面白いかもしれません。というのは、アメリカでコロナが拡大していますが、ゲームはオンラインで購入ができ、自宅で楽しむことができるからです。

ワクチンニュースでNetflixやゲーム関連の株式も下落をしていますので、長期で保有するのであれば面白いのかもしれません。

アメリカよりはアジア。バブルは当面、続きそう

また、航空会社関連のETFを購入することも考えられます。すでに上がっていますが、以前の株価と比べるとまだ下落をしているからです。

JETS(U.S.Global Jets ETF)など米国の航空会社の場合はETFで保有するほうが安全でしょう。JETSのチャートを見ると、ゆっくりとした上昇トレンドが現れています。その他、JALやシンガポールエアラインなども面白いと思います。

シンガポールに関しては中国との国境が正常化しており、隔離なしでも行き来ができるようになっています。今後、アジアで旅行バブルが進んでいくことが予想されるからです。

新型コロナを抑え込めている中国やアジアでは経済の回復が進んでいます。その上に追加の量的緩和があれば大きな恩恵を受けそうです。

引き続きアジアの株は強気で考えてもよいのかと感じます。バブルはまだ始まったばかりで、これから追加の金融政策と財政政策がなされれば株価はさらに上る可能性も高いです。

収入からコツコツと積み立てるのがよいでしょう。暴落のリスクが怖いという人はプット・オプションなどで保険をかけたり、ハイテクなど上昇が早いセクターではなく、REITや観光セクターなどまだ上がりきれていないセクターを選ぶことも考えられます。

また、米国市場ではなく、まだ完全に上がりきれていない日本も含めたアジア市場に注目をすることも大切です。

Next: パニック売りは禁物、気長に分散投資で。ジム・ロジャーズの戦略は?



パニック売りは禁物、気長に分散投資で

投資はゆっくりと気長に行うことが重要です。私も大統領選挙前に分散投資をしていてもマイナスになってしまった投資口座もありました。

しかし、大統領選挙後にはプラスに転じました。1週間でかなりの損益が変わったので、パニックになって売らないことがいかに大切かわかります。

私はコアポートフォリオとサテライトポートフォリオで口座を分けています。皮肉にも個別株に集中投資をしているサテライトのほうが結果は出ています。

バフェット、ジム・ロジャーズの戦略は?

ウォーレン・バフェット氏も長期投資(期間無制限)と中期投資(5年前後)に分けて行っており、長期投資に関してはアップル株頼みだという報道も見ました。中期投資に関しては、ポジションは小さく、割と頻繁に入れ替えているようです。彼は航空会社の株をすべて売却しましたが、そのポジションは小さかったようです。

ジム・ロジャーズ氏は日本株のETFと航空会社株を買っています。ロジャーズ氏の考えは的中し、やはりワクチンニュースによって一番上昇したのはクルーズ、航空会社など一番やられたセクターでした。

また、ファミリーオフィスの顧客でもシンガポールエアラインなどの債券を買う顧客もいるようです。政府系ファンドが半分の株式をすでに取得しており、倒産しないという思惑からのようです。

いかがでしょうか。まだ投資に踏み出せていないという人も、少額から始めても面白いかもしれません。

まずは余っていたら無駄遣いをするお金を、投資に振り向けてみるとよいでしょう。日本では単元未満株式や投資信託の小口化が進んでいるために、ラテマネーで資産運用が始められます。

本日のまとめ

・大統領選挙の結果が完全に決まるまでは、裁判など時間がかかる可能性もある
・しばらくはマーケットは乱高下する可能性もある

・バブルはあと数年続く可能性もある
・追加の金融緩和や財政政策が投入されれば株式市場や貴金属市場にはプラスになる

・投資が遅れてしまった人はまだ上昇しきれていない地域やセクターを選択する方法もある

・アメリカよりもアジア
・ハイテクよりも観光セクターやREIT

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image by:VP Brothers / Shutterstock.com

花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』(2020年11月13日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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