性的同意とは、性的な行為をするにあたってお互いの意思を確認すること。同意のない性行為は強姦になりえます。同意を得た証拠となる「性的同意書」を作成する動きも出てきていますが、それでトラブルを回避できるのでしょうか?私はそうは思いません。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)
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プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。
やれやれ。性的同意書(セックス同意書)など机上の空論だ
「性的同意」のない性行為は犯罪だが
性的同意(性交前にお互いの同意を確認すること)が日本でもじわじわと認知されるようになってきました。合意のない性的な行為は強姦または性的暴行と考えられる可能性も指摘されています。
そのため、その証明として「性的同意書」を作成する動きにまで発展している現代。男女交際の自然な流れの中で、現実的に可能なのでしょうか?
今回は、性的同意書の作成以前に大事な心構えについて考えたいと思います。一般論として、男性を口説く側、女性を口説かれる側として書きますが、個々のカップルの性別や立場が異なってもスタンスは同じです。
性的同意書を取る男性は女性から見ても地雷
私がメディアの報道で「性的同意書」のことを耳にしたときの印象は、「やれやれ、そんなの現実的に可能なのかな?」というものでした。
仮に同意書を交わすとして、用意して差し出すのはおそらく男性側が多いでしょう。女性から差し出すというシチュエーションもあると思いますが、本稿では割愛します。
このとき、男性サイドの目的は、冤罪など訴訟リスクを回避したいというのが主になると思います。そこで考えてみたいのですが、そんな保身願望丸出しの男性に、女性は本当に魅力を感じるのだろうかという点。
「同意したんだからな!訴えたりするなよ!これが証拠だからな!」という自己中心性、そして暗に相手の女性を信用していないことを露呈する態度に、もし私が女性だったら「お前、自分の保身しか考えてないな」「私が訴えなきゃならなくなるかもしれない男性と関係を持つ程度の女だと思ってんのか」と感じて、「ナイわ」となりそうです。
Next: 男女の行為は損得ではない。お互いにトラブルを回避する具体策は?
トラブルを回避するための具体策
ビジネスにおける契約書はトラブルを防ぐためですが、男女の行為とは損得ではなく精神の交流でしょう。
それに、女性側から「したい」とはなかなか言えないでしょうから、ムードを盛り上げ、相手の同意を目や表情やしぐさから読み取ってあげるのも、ある種、女性に対する思いやりのひとつのような気もします。
そんな場面でササっと書類を取り出し、署名捺印を求められても、「このいい雰囲気で何考えてんだおまえ」と気分がぶち壊しになるというものです(私の妻曰く「萎えるよね」とのことでした)。
なので、冤罪など面倒ごとに巻き込まれないよう男性側が必要な姿勢としては、「相手の素性がよくわからない段階で関係は持たない」「嫌がっているのか、それとも単に恥ずかしがっているだけなのか、相手の心理を読む観察眼を鍛える」ことでしょうか。あるいは「いい?」と小さく聞くのもアリかと思います。
そして、女性サイドの心構えとしては、「相手の素性がよくわからない段階で関係は持たない」ことでしょう。それに加えて、
・「NO」の意思表示をしっかりする
・思わせぶりな言動をしない
・親密になりたい相手以外と“2人きり”という状況はなるべく避ける(アルコールもほどほどに、あるいは飲まない)
ということになるでしょうか。
自分を守ることを一番に考えるべき
むろん、そんなふうに毅然と対応できるなら苦労はないよ、という意見もその通りでしょう。
しかし、自分を守ることを天秤にかけたとき、相手の圧力に飲まれるのか、関係が悪化するとしても勇気を出すのか、どちらが自分のとって有効な方法なのか、そこは判断が求められます。
「NO(ダメ)と言って嫌われたら……」と感じる人は少なくないと思いますが、本当に相手を大事だと思えば、それで一時的にスネることはあったとしても、それだけで嫌われたりはしないのではないでしょうか(とはいえ、明らかに付き合っている成人男女なのに、たとえば1年もおあずけというのはさすがに酷のような気もしますが)。
「思わせぶりな言動」とは、たとえばその気がないのに「今日は帰りたくない」「相手の部屋にお泊り」といった類いです。これはどちらも男性からすれば「OK」という意味に受け取るからです。
「それは男性の傲慢さだ」という意見あるかもしれませんが、だからといって拒否すれば、女性のプライドを傷つける可能性もあります。
相手女性からすれば「誘ってるのがわからんのか!いちいち言わせるなよ!」「OKだと読み取れよ!それともこの期に及んで勇気が出ねえのか!」などと思ってしまいそうです(知らんけど)。
ただしコロナで休校が続いたとき、10代女性からの「望まない妊娠相談」が増えたというニュースもありましたから、これには家庭の問題や性教育の問題も絡んでいるようにも思います。
Next: 「拒否したら嫌われる」と悩む10代女性。根底には性知識の不足も
根底には性知識の不足も
休校で自分の居場所がなく、彼氏の家に転がり込むしかないというのは、おそらく家庭、つまり保護者の問題かもしれません(遠方での一人暮らしなど別の要因も考えられますが)。
そして、拒否したら彼氏に嫌われるのではないかという不安からだけでなく、正確な性知識が不足していることも影響していると思われます。
これはなかなか難しい問題ですが、子どもが興味を持つ年齢になったら、大人は恥ずかしがったりはぐらかしたりせず、堂々と語る必要があるように思います。
「親密になりたい相手以外と“2人きり”という状況はなるべく避ける」ですが、昨今は飲み物に睡眠薬を入れてという犯罪も聞きますから、注意が必要です。
特に就職や仕事のあっせん、人生相談等々にかこつけて誘われるというケースはよくあるようで、仕事やチャンス欲しさについていくのは(さらに大量にお酒を飲むのは)慎重になった方がよさそうです。飲めないフリや、体調が悪いからというのも使い分けとしてアリでしょう。
ちなみに妻に聞いたところ、「ああ~、若いうちはそのあたりの分別が利かないから、ついていっちゃうだろうなあ。自分も昔は無防備だった。だから女性もそういうリスクがあるという知識と意識が必要だし、NOを言う勇気も必要よね」とのことでした。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2020年12月10日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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