【動画あり】目の付け所が斜め上すぎる、シャープの「ロボット電話」

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世界的ソフトエンジニアの中島聡さんのメルマガ『週刊 Life is beautiful』の人気コーナーの1つ、「今週のビデオ」。中島さんが気になったムービーを紹介するとともに、それぞれに要所をついた指摘やアドバイスが添えられています。今回取り上げられているのはシャープのRoBoHoNと、中島さん曰く「ツッコミどころ満載」な自転車・Walking Bikeの2つ。とくにWalking Bikeの発想はお見事ですよ。

RoBoHoN(ロボホン)コンセプトムービー

シャープのロボット型携帯電話のコンセプトムービーです。これを最初に見た時は、単なるプロトタイプだろうと思ったのですが、こちらの記事(「シャープ、二足歩行ロボット携帯電話 RoBoHoN 発表。プロジェクターも内蔵、音声や顔認識で操作」)によれば、実際に製品化をして2016年前半には発売するとのことです。

携帯電話とは思えないほどの愛くるしいデザイン

携帯電話とは思えないほどの愛くるしいデザイン

 

ロボットの目からマップを投影することも可能

ロボットの目からマップを投影することも可能

 

赤ちゃんのムービー撮影だってお手のもの

赤ちゃんのムービー撮影だってお手のもの

 

普通のスマホと同じようにメッセージだって届けてくれる

普通のスマホと同じようにメッセージだって届けてくれる

シャープらしい製品で、アイデアも悪くないと思います。iPhone の後を追いかけても決してビジネスにはならないので、このぐらい飛び抜けたものを作ることは必須だと思います。

ただし、中途半端な完成度のものを出すと、いつものシャープ製品らしく、一部のアーリーアダプダーにだけ受け入れられる短命な製品に終わってしまうので注意が必要です。

多少、発売時期が遅れても、値段が高くなっても良いので、クオリティの高い製品に作り上げて欲しいと思います。特に質感が悪いと安っぽくなってしまうので、そこだけは妥協すべきではないと思います。

プロモーションビデオの中で1つだけ気になった点を言うと、写真の撮影はもっと自然なものであるべきだと思います。「はい、チーズ」などをさせずに、イベントや旅行先で楽しんでいる自然な姿を知らないうちに記録してくれている、そんなコンパニオン・デバイスになってくれればスマートフォンを超えるものになれると思います。

このビデオを見る限り、「なぜこんなデバイスが必要なのか」というビジョンの共有がメンバーの間でちゃんと共有されていないのではないかと、少し心配になります。もしシャープの方がこのメルマガをお読みであれば、そのあたりの話を喜んで(無償で)コンサルタントなりブレストをするので、連絡を下さい。

Walking Bike 

家の中で運動するときに使うTreadmill を自転車と組み合わせて移動できるようにする、というアイデアです。「外で運動したいならば、走れば良いじゃないか」とツッコミを入れたくなりますが、「立った姿勢で乗れる自転車」という観点から見れば、今までにない発想なので考慮の価値はあると思います。

ちなみに、このバイクですが、Lopifit という商品名でオンラインで購入が可能になっています。1799ユーロ(約24万円)で、代理店も募集しているようです。

image by: RoBoHoN(ロボホン)コンセプトムービー , Walking Bike

 

週刊 Life is beautiful』より一部抜粋

著者/中島聡(ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア)
マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。
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