夢の外資系企業に転職、その後に待ち受ける「キャリア固定化」のワナ

 

ところがここで事件が起こります。ITバブル崩壊によるリストラです。私も危うくリストラされそうになったんですが、降格降給でここを凌ぎます。リストラが実施されたため、社内では必要な人員まで削られてしまいました。ここが私にとってのチャンスでした。人がいない、少ないという事は、「一人で様々な業務をやらなきゃならない」という事です。

「それはボクの仕事じゃありません」なんて言ってる場合じゃ無いんです。目の前でお客さんが困っていたり、仕事をくれるって言ってるのに、「私は営業じゃ無いんでちょっとお待ちください」なんて言えるわけがありません。

そこで私は新たな仕事をお客さんからもらう根回しをしたり、いくらでこのサービスを売ったら儲かるのかを計算するためのコスト試算をしたり、派遣会社に連絡をして人を回してもらう準備をしたり、これ全部当時の私の職責には関係無い仕事だったんですが、これをやったんです。

そうしたら見事スポットでプロジェクトと、1年間のサービス契約をもらえちゃったんです。これが私の最初の営業として契約をもらった仕事でした。

しかもこの仕事を実施するのも私です。自分で取ってきた仕事を自分で実施する。そのために要員のやりくりをして、トレーニングをして、マニュアルを作って、利益が残るようにコストの削減もやって、さらにはこれを機にプロジェクトマネジメントの勉強もやったんです。

そしてこれが軌道に乗った時には、なぜだか部内で私の評判が上がっていたと。

それからは、いつも部内で一番厳しい仕事(仕事の報酬は仕事だって書きましたよね)が優先的に私に回って来て、それで鍛えられました。

▼サービス品質を上げるには……
▼でもコストをもっと下げるには……
▼人の教育ってどうやれば良いんだろうか……
▼何をやったら売り上げが増えるんだろうか……
▼なんですぐに人が辞めちゃうんだろうか……

これって完全に幹部クラスか経営層が持っている課題ですよね。

この時に私が、「その業務は私のジョブディスクリプションに書かれていませんから出来ません」って言ってたら、そういう経験も実績もそして知識も身に付かなかったんですよ。

その結果、程なくして部長に昇格したんですけどね。

そうしたらもっと垣根無くメチャメチャ幅広く色々な業務をやる事になったんです。それがいま、全部活きていますよ。

だからキャリアを変えたいと考えている人は、小さめの会社に転職する事をオススメします。人がいつでも、慢性的に足りなくて手を挙げればなんでもやらせてもらえる、そういう会社に行くと今までとは違ったキャリア、実績、知識を身に付けられますから。

image by:Shutterstock

 

『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』
著者/佐藤しょ~おん
高卒、派遣社員という負け組から、外資系IT企業の部長になった男の、成功法則を全て無料で公開。誰にでも、どんな状況、状態からでも自分の力で人生を変えるための情報と知性を発信する。
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