【Feel so BAT!】凶暴ゆえに命を感じるアートな「釘バット」展

 

釘バットさんの作品は、これら現物だけではない。明日をも知れぬ生きざまがにじみでた少女たち、女性たち、男たち被写体が釘バットを手に威圧するバイオレンスでエロティックな写真の数々もまた、すべてが衝撃だ。

未成熟な女子たちがいかつい釘バットで武装するさまは、誰しも人生に一瞬吹き荒れる明日なき暴走の季節を見事に活写している。

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これら人物と釘バットのバッテリーは、どういうきっかけで生まれたのだろう。

プロのモデルを使って撮ることはほとんどないですね。最初は友人や知り合いを撮るところから始まったのですが、現在は応募が多いです。東京の中野に「テクノブレイク」という店があって(フェティシズムの充溢した特殊なファッションや雑貨の販売店)、そこに釘バットを展示していたんです。すると、その店に来る女の子たちが釘バットを持って写真を撮るってのが流行っちゃって。しまいには僕が釘バット女子アワードの審査委員長にまでなったり。そうしてサブカル好きな女の子たちのあいだで知らないうちに勝手に僕がカリスマになっていって、「撮られたい」って娘が増えたんです。コスプレイヤーやメイドカフェの女の子だったり、ただの学生や普通のOLさんたちが噂を聞きつけて「私もやりたい」って。

なるほど、ここに写っている被写体の多くは、釘バットを握って写真を撮りたいと志願してきた人たちだった。

それにしても、どの顔も、絶望と恍惚が二律背反になった、いい笑みをたたえている。釘バットを持つことで、ブドウの皮が破れて濡れた果肉がはじけるように、幕を張っていた感情がほとばしっている。圧しこまれていたこころの飛沫をカメラが絶妙にとらえているのだ。

男女関係なく釘バットを持つとニヤつくんですよね。持っちゃいけないようなものを持つ、なんとなくのうしろめたさ。「こんなヤバいものを持ってるぜ」というイイ感じのバランスで多くの人はニヤッとするんです。

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あの(自称)超能力者も!

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