【Feel so BAT!】凶暴ゆえに命を感じるアートな「釘バット」展

 

ニヤつくといえば、この釘バッ展は漫画ファンにとってもニヤケがとまらない目玉がある。

それが色紙

「まいっちんぐマチコ先生」のえびはら武司さんなど、高名な漫画家たちが自身の作品の登場人物に釘バットを持たせているではないか。大ベテランから若手まで、時代を超越して釘バットのもとに集い、アンソロジー化しているのが素晴らしい。

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「まいっちんぐマチコ先生」のえびはら武司さんの直筆釘バットサイン。えびはら先生はことのほか釘バットを気に入り、以来多くのビジュアルを担当してくださることに。

いったいどこでどうやって漫画家さんたちと知り合い、このようなドリームマッチがなされたのだろう。

僕は小器用だったので、ずっとパチンコ雑誌などでイラストや漫画を描いていたんです。それもあってFacebookを通じて漫画家の方々とつながりを持つようになりました。最初は僕がお願いして描いていただいて、少しづつ増えてゆき、そして釘バット色紙の画像をアップするうちに「僕にも描かせてくれ」と言ってくださる方が現れるようになり、その噂が次第に漫画家さんたちの間で広まっていったんです。

僕が初めて釘バットを手にしたとき、まず思い浮かんだのが先述したように「漫画」だった。門外漢の僕ですらそうなのだから、当事者の漫画家さんたちは、アートでありながらわかりにくさがみじんもない、さわやかで一点の曇りがないほどに邪悪な釘バットには「実写化」と言える強いシンパシーをおぼえたのだろう。

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えびはら先生公認の、マチコ先生がハートを狙い撃ちにする釘バット。これで殴られたら、まいっちんぐどころじゃ済まない。

えびはら先生公認の、マチコ先生がハートを狙い撃ちにする釘バット。これで殴られたら、まいっちんぐどころじゃ済まない。

 

「GTO」の藤沢とおる先生も参戦!

「GTO」の藤沢とおる先生も参戦!

 

「包丁人味平」のビッグ錠先生、「名たんていカゲマン」の山根あおおに先生など、大御所も黙っちゃいない。

「包丁人味平」のビッグ錠先生、「名たんていカゲマン」の山根あおおに先生など、大御所も黙っちゃいない。

そして、どうしても避けられない質問をしなければならない。これら釘バットが、なんらかの法律をおかしてはいないか、ということ。

僕自身も気になって弁護士に相談したんですが、銃でも刀でもないし、あくまで造形作品であり、鑑賞以外の用途がないことが証明できれば問題ないと。個展などでの運搬の際も展示会場まで釘で何かが傷つくことがないよう厳重に梱包しています。ただ初期の頃は職務質問をされました。河川敷で釘を打ったり塗装をしていたら「なにしてるんだ」と巡回の警察官に声をかけられたことがあります。作品を作っているんだとちゃんと説明したら、笑って「まぁ、ここではなく、家でやりなさい」と言われました。それ以来、釘バット事務局と呼んでいるゆるいアジトのあるビルの屋上などで作っています。

実際、釘バットを手にしてみると、獰猛になるどころか、むしろ日ごろ抑圧していた荒らかな感情が消え去り、気持ちがおだやかになるのを感じる。有名な漫画家たちの芯をとらえ、モデルを志願する女子があとを絶たず、11年にも渡って支持されている理由は、その安打の部分にもあるのではないだろうか。

今年は釘バットをテーマとしたファッションショーも開かれました。悪ふざけから始まった釘バットですが、「飽きるまでやりたい放題やる」という気持ちでやってきたら、いつのまにかいろんな人たちを巻き込んで、コラボ企画が生まれたり、縁ができました。これからは全国の主要都市で個展を開きたいですね。

2016年は、あなたの街で、釘バットさんがフルスイングした作品に出会えるかも。そして実際に手にしてみると、よりいっそうそのストレンジな魅力が伝わってくるのだと、釘をさしておこう

KUGIBAT.NET

一部画像・原稿:平吉ギョーコ

協力:怪奇雑貨画廊「化け猫屋敷」
    「PaletteMaidcafe」名駅店

 

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放送作家の吉村智樹とイラストレーターのせろりあんが散歩や小旅行で出会った心くすぐられるスポットやユニークな活動をしている人物を紹介する旅情あふれるメールマガジン。画像満載でお届けします。
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