他人の不幸を喜ぶな。家臣に激怒した家康が説く「敵に学べ」の精神

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三方ヶ原の戦いは、徳川家康が武田信玄に敗北した戦いです。その後、武田信玄は息を引き取りますが、徳川家康はその死を喜ぶ家来を叱ったそうです。その理由は現代にも多く学ぶところのあるものでした。無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』で紹介されています。

敵滅んで喜ぶか?

こんにちは。

弁護士の谷原誠です。

三方原の戦いをご存じですか?

徳川家康が、武田信玄にケチョンケチョンに敗北した戦いです。

1572年です。

徳川家康最大の敗北、とも言われていますね。

この戦いの後、武田信玄が追撃を加えていたら、江戸幕府は成立していなかったかもしれません。

しかし、武田信玄は、追撃を加えませんでした。

この戦いの数ヶ月後、この世を去っています。

徳川家康は、この信玄死亡のニュースを聞き、皆喜んだといいます。

しかし、家康は、家臣を諫めてこう言います。

「信玄のような武勇の大将は、古今まれである。自分は若いころから彼を見習いたいと思っていた。信玄こそ、われらにとって、武略の師であるといってよい。隣国に強敵があるのは幸いである。なぜなら、こちらは油断怠りなく励みまたかりそめの仕置きにも心を遣うゆえに、政治も正しくなり、家も整う。もし、隣国に強敵がなかったら、味方は武力のたしなみ薄く上下ともに、己を高く思って恥恐れる心を持たぬため、だんだん弱くなるものである。信玄のような敵将の死を味方が喜ぶ理はない

私たちは、ライバルや敵対している人、他人の不幸を知って、心密かに喜んでしまうことがあります。

ビジネスが有利になる、ということもあるかもしれませんが、その他にも、他人の不幸と比較することによって、自分の自尊心を満足させる、という面もありますね。

でも、もし、自分に向上心があるなら、もし、どんな人からでも学ぼう、という姿勢でいるなら、この家康のように、考えることができるかもしれません。

ちなみに、私は、弁護士になって初めて就職した法律事務所では、ボスがまったく弁護技術を教えてくれませんでした。

そのため、先輩達からご指導をいただきました。

しかし、一番勉強になったのは、相手方の弁護士でした。

手痛くやられた時は、その方法論を学びました。

相手方の弁護士と戦いながら、常に観察し、腕のいい弁護士の場合には、その技術を盗み取ろうと努力しました。

その後20年以上が経ち、今の私のやり方を作っています。

ライバルから学び、敵対者から学び、あらゆる他人から学ぶことができれば、私たちは、ずっと成長していくことができるでしょう。

「我以外、皆我が師」(作家:吉川英治)

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弁護士谷原誠の【仕事の流儀】
人生で成功するには、論理的思考を身につけること、他人を説得できるようになることが必要です。テレビ朝日「報道ステーション」などテレビ解説でもお馴染みで、「するどい質問力」(10万部)、「弁護士が教える気弱なあなたの交渉術」(アマゾン1位獲得)の著者で現役弁護士の谷原誠が、論理的な思考、説得法、仕事術などをお届け致します。
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