テロ頻発で世界中に緊張感。年末年始の海外旅行は大丈夫なのか?

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世界を震撼させたパリの同時多発テロ。その余波は世界中で当分続くのでは……と語るのは、メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者で、ハイパーメディア・クリエイターとして世界中を股にかけ活躍する高城剛さん。年末年始の休暇を控え、とっても気になる海外渡航について、今後の見通しを予測しています。

常に求められる「状況に合わせた瞬時の決断」

今週は多くの方からご質問を頂戴しましたパリで起きました連続テロのその後と、そして多くの方々が気になさっている今後の渡航につきまして、今週は僕の過去の経験からお話ししたいと思います。

パリの同時多発テロからおそよ二週間。テロ計画はベルギーの首都ブリュッセルに飛び火し、地下鉄や学校は全面封鎖されました。ベルギー政府は、11月末までテロ警戒レベルを最高にすると緊急発表。ミシェル首相は、交通機関や商店街、ショッピングセンターなど人が多く集まる場所が標的になりうるとの見方を公的に示しています。

また、世界的なハッカー集団である「アノニマス」のサブグループ「OpParisIntel」は、ISのサーバー侵入に成功した様子で、テロの標的となっているのはパリのほか、イタリアのミラノとローマ、米国のアトランタ、そしてレバノンとインドネシアでも計画があると発表しました(おそらく違法行為のため、手段や詳細までは公表していません)。

ローマ教皇は、「すでに第三次世界大戦が始まっている」という旨の発言を行い世界中のメディアを驚かせ、フランスのオランド首相も「フランスは戦争状態」だと演説で発言しています。事実、原子力空母シャルル・ド・ゴールは中東に向かい、ISへの空爆作戦を開始しました。

そして、トルコに領空侵犯したロシア機が、空対空ミサイルで撃墜され、今度はロシアがトルコに近いシリアに対空対ミサイルを配備すると、報復の準備段階とも思える行動を行っています。いま、世界は緊張感に満ちているのは間違いありません。

さて、今から14年ほど前の秋、のちに911と呼ばれる同時多発テロがアメリカで起こりました。その日僕はドイツにいまして、飛行機は米国から離れた欧州内の便であろうともすべて欠航。フランクフルト空港で数日間足留めをくらい(空港ベンチ泊です)、当時住んでいた東京に戻るのにかなり苦労しました。

問題は、それからです。予定していた仕事は次々とキャンセルになって、友人たちとの旅行も延期。中には結婚式やハネムーンの行き先を海外から国内へと変える人たちも続出しました。事実、911から数ヶ月間は飛行機も欠航や遅延が相次ぎ、結局、元通りになるまでおよそ半年から10か月近くかかったのをよく覚えています。

ですので、もし、このまま「欧州の911」と呼ばれるパリ同時多発テロ以降何もなくても、半年ぐらいは警戒が必要で(と各国、各航空会社は考えています)、特にイスラム人口が多い国や地域を訪れる際にはかなりの注意を要した方が良いと正直思います。危機の前兆は時々によって違い一概には言えませんので、どのように注意した方が良いのかわからない場合は、その地域への渡航は避けた方が良いと思います。こればかりは、考えても致し方ありません。

本メールマガジンの多くの皆様から、「どのようにしたらいいのか」と本当に多くのご質問を頂戴しますが、何よりスケジュールを大きく変える英断が必要です。なぜなら、これから十年以上にわたり、このようなことが頻繁に起きる可能性がとても高く、常に「状況に合わせた瞬時の決断」が各人求められることになります。それは欧州に限りません。

世界中が大きく揺れるのは、まだこれからだと思います。

image by: Sean Pavone / Shutterstock.com

 

『高城未来研究所「Future Report」』より一部抜粋

著者/高城剛(作家/クリエイティブ・ディレクター)
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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