原油価格下落と日本
そして、「クレムリン・メソッド」は、「日本はどうなるの?」という話をしています。
日本は現在、原発停止と円安でエネルギー輸入費が増え、「貿易赤字」が深刻な問題です。
しかし、エネルギー価格は今後下がっていくでしょうから、政府がしっかりガス輸出国と交渉すれば、今より何割か安い価格で輸入することが可能になるでしょう。
そうなると、日本国内の電気・ガス料金やガソリン代が安くなると予想されます。
実際、「原油価格暴落」は、日本に大きな恩恵をもたらしています。
「東日本大震災」で全原発が停止した。
それで、火力発電を動かすために原油、天然ガスの輸入量が激増しました。
しかも、原油価格は100ドル以上だった。
そこに、アベノミクスの「円安政策」が加わり、日本は「貿易赤字」が膨大になっていたのです。
しかし、原油価格下落で、この問題は解消されつつあります。
2015年上半期の貿易収支は、1兆3086億円の赤字。
前年同期比で76%も赤字が減っています。
そして、単月では黒字も出るようになってきました(例、10月は1115億円の黒字)。
実際、日本は、「原油価格下落」で「もっとも恩恵を受ける国」の一つです。
その日本でも、もっとも恩恵を受けるのが安倍総理です。
というのも、「原油価格下落」のおかげで、愚策「消費税増税」の悪影響が、かなりやわらげられている。
もちろん、「嗚呼、消費税をあげなければ、日本はかなりの好景気だったであろう」と残念ではありますが……。
というわけで、世界は「クレムリン・メソッド」の如くに動いています。
もちろん人の決定がかかわることですから、「全部わかる」とはいいません。
しかし、かなり未来を見通せるようになりますのが、まだの方はぜひご一読ください。
●日本人の知らない「クレムリン・メソッド」~ 世界を動かす11の原理 (集英社インターナショナル) 北野 幸伯
image by: Shutterstock
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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