新設された日本版CIA「国際テロ情報収集ユニット」にある弱点とは?

 

情報戦について語る人が多い中、中央機関設置のメリットばかりを謳い、上記の「情報の質の劣化」に気づいてない人は、情報戦の現場を知らない机上の空論の人たちである。しかし幸いなことに日本の公安関係者たちは、メディアなどで言論で稼ぐ人たちとは違って、この問題については、下っ端のペーペーでも実感しわかっている。情報戦の実体を体感したことない人は、スリルとサスペンスな魅力のシーンは、情報をゲットするところと思われているかもしれない。まあ、それが間違っているわけではないが、実は、情報の出し方、というのが、スパイにとっては、一発で命にかかわる。だから情報機関は、情報をもたらしてくれる人の身の安全の確率を高めてあげなければ際どい情報を提供者から出してもらえない。

数年前には台湾の政治家が、中国軍の機密情報に基づくネタを公言したことにより、台湾に情報提供をしていた中国空軍の幹部複数が処刑された事件もあった(この事件について詳細はここに書きませんが…)。情報を安易な扱い方すると、このように協力者を失い、その後の継続情報は取れなくなるだけでなく、他の情報提供者が「台湾に情報提供すると危ないから際どい情報はやめよう」となる。

日本でも官僚側のさじ加減や政治の変化によって、情報が一気に劣化したことはあり、その具体例については、今後もこのメルマガでおいおい出してゆく予定。古くなって、情報が腐って役に立たなくなってからでないと出せないカトケンの弱腰さ…。

日本の官庁には、他省庁の幹部に出向するシステムがあり、これが役所の縦割り弊害をなくすアイデアの1つになっている。しかし、公安関係の部署を数か所歴任した公安君は「出向で外部から来ている幹部ばかりになっていても、ちゃんと縦割りの壁はあり、他省庁に漏れてはいけい情報は、それなりの扱いをされてます。その方法のマニュアルはありません。日本人なら言わずとわかる『阿吽の呼吸』というヤツでしょうか」。この阿吽の呼吸のセンスを持たない人は、左遷させて重要部署に就かせなければいい。

日本の防諜の要である「日本的文化」を最も破壊したくてしょうがない筆頭は米国かもしれない。もし、日本に優秀な中央情報機関が設置され機能し始めた場合、それは米国が情報を吸い上げるメインストローにしたいところだ。だから、米国からはいろいろな元大物な要人が来て、日本に中央情報機関の設置を提案する。そしてその機関は、日本文化の慣熟者でなくても情報を吸い上げられるシステム=欧米的なシステムの組織にしてほしい。もしかしたら、日本の防諜の要ば「阿吽の呼吸、空気を読む」などの、まどろっこしい自国文化の特殊性かもしれない。

日本の情報機関は、第2次大戦以前から、いろいろとまどろっこしい。その、まどろっこしさはもちろん多くの弊害を生んでいるのだが、その、まどろっこしさゆえ、日本のスパイ機関は、1人の失敗によってスパイ網がほぼ全滅させられるという失態はほとんど演じていない。逆にヨーロッパの情報戦の記録を見ると、ちょっとしたワンミスでスバイ網全てが逮捕されたり、そのスパイ網を逆利用されたり、という例が多い。最近だと、米国のスノーデンファイルの例がある。

さて、日本の情報機関は、どっちのシステムで今後やってゆくのがいいのか。

image by: 首相官邸

 

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