本当にお祝いしたければ、ご祝儀を渡すだけでもいいし、後に別に食事会を開いてあげてもいいし、いくらだって方法はあります。そこまでしてあげたいわけでもないのであれば、お互い大した仲ではないので、貴重な時間を費やすほどでもないのです。
そして、事業でも同じこと。
「何でも依頼を聞いてしまって、全部受けちゃうので、貧乏暇なしですわ」などと言う中小企業の経営者がよくいます。
「依頼を受けることで、お客様に満足して頂く」というのは、決して悪いことではありません。
しかし、他社でも普通にできることであれば、他社にやってもらうと、その他社は仕事になるし、お客様も自分が受けた場合と同じように満足するし、そして何より自分に大きな時間が空きます。
その代わり、自社は「他社に依頼しても決してできないこと」を受けられるだけの技術やサービスを磨くのです。小売業であれば、「他店に行っても決して手に入らないもの」「他店では決して与えられない情報」などを揃えていくわけです。
そうすることで、他社にできること、他店で手に入るものは自分たちの手元から排除することができますから、「他社を使って自分たちの時間的余裕を作る」ということができるのです。
それはどんどん仕事を他社に譲ることなのでもったいないと思う人が多いのですが、実際には、そうやって自社にしかできない仕事だけを残していくことで、そこに依頼をしたいという相手が他業界や諸外国からもやってくるようになるのです。
「他者でできることは、他者にやってもらう」という意識を持つだけで、「自分にしかできないことは何か」を磨く第一歩になります。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
・現在、自社の商品やサービスで「他社にはできない、自社だけにしかできない」ことにはどのようなことがあるか。自社を高く他社を低く評価せず、公正な視点で考えてノートにまとめる。
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