【MBAの企業分析】大ウケ100均パン屋の顧客満足度が異常に高い理由

 

■売り方
Tポイントカードが使える。

 ⇒ターゲットとしている節約志向の高い方にはTポイントが貯まるのは魅力的です。

・「いつでもどこでもスマホで予約
パン一個から予約ができ、大口注文も可能です。

 ⇒欲しいパンがない(売り切れている)ことを防ぐことで、顧客の満足度を高めています。そして、当たり前ですが予約していただければ、来店していただけます。例え雨だったとしても、予約したので、お店に行こうと思っていただけるのは、客数確保のためには重要な施策となります。

・食パンとフランスパンの焼きあげ時間を表示

 ⇒おいしい焼きたてパンを提供することで、顧客の満足度を高めています。

・店内の撮影OKポスター

 ⇒SNSでの公開を促し、口コミ拡散を図っています。

・トレーは一般的な大きさのトレーと大きめのトレーの2種類用意

 ⇒大きめのトレーを使ってもらうことでより多くのパンをトレーにのせてもらうことを狙っています。

☆単価が安いので、購買点数を高める取り組みも重要です。

■売り場

・兵庫、大阪を中心に、ロードサイド店舗を9店舗展開。イオンモール内インストア店舗も2店舗展開。

・催事への出店も行っています。

・Web

まとめ(戦略ショートストーリー)

節約志向のパン好きな消費者をターゲットに手作り100円パンを開発するノウハウに支えられた「安くて種類が豊富」という強みを提供することで差別化を実現しています。

「安くて種類が豊富」という売り物の価値に加えて、「スマホで予約」や「焼き上げ時間の表示」などにより、顧客の満足度を高めることで、消費者の支持を得ています。

分析のポイント

「戦略上重視する指標」

ヤキタテイは単価が低いため、薄利多売のビジネスモデルといえます。要するに、利益を確保するために、低い利益率を販売量でカバーすることが求められるということです。したがいまして、ヤキタテイにとって販売量をいかにして増やすかが重要となります。

当たり前ですが、販売量を増やすには、まず「客数を増やす」というのが、考え方の中心になってきます。しかし、ヤキタテイは街のパン屋さんですので、それほど遠方からの集客は期待できません。ですから、出店した地域のお客様にいかにしてより多く来店していただけるかがカギになります。つまり、販売量を増やすために、ヤキタテイが重視すべき指標は「購買頻度の増加」となるということです。

「購買頻度の増加」のために、ヤキタテイは、毎月10種類以上の新商品を出すことで、顧客の来店を促しています。また、気軽にスマホで予約できることも、既存顧客の来店を促しているといえそうです。

そして、「購買頻度の増加」に加えて、ヤキタテイは販売量を増やすために、一度の買い物で購入する数である「購買点数の増加」にも取り組んでいます。例えば、大き目のトレーを用意することや大口注文できることなどが「購買点数の増加」に貢献しています。

そもそも、もともと価格が安いことも「購買頻度の増加」や「購買点数の増加」に貢献しています。なぜなら、価格が安い店は、価格が高い店よりもお店にいくハードルが下がりますし、価格が安いとついつい多く購入してしまうためです。

上記のように100円で手作りパンを提供するために、戦略上重要となる指標を押さえつつ、挑戦を続けているヤキタテイが今後、全国に拡大していくのか注目したいです。

image by: Shutterstock

 

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