忍び寄る軍靴の足音。世界は第二次世界大戦前夜に酷似してきた

 

米利上げ政策は大失敗の可能性

現在、経済大国に植民地がなく経済ブロックができないので、通貨安戦争に世界は突入したのである。こうなると、ドル・リンクしている国は不利になる。米国は利上げ方向であり、通貨が相対的に高くなるためで、ドル・リンクから離脱する動きになる。

まずは、人民元のドル・リンクからの離脱が必要であるが、資本流入があることで、中国の近代化・工業化が進んできたので、資本流出に神経を尖らす必要がある。

サウジアラビアもドル・リンクであり、ドル決済で石油を売ってきたが、米国の中東政策に不満を持ち、ドルリンクから人民元決済にして、人民元リンクとなる可能性がある。この方向を推進するため、中国はサウジに近づき始めた。パキスタンとともに原爆製造や水爆製造技術をサウジに売る可能性も指摘されている。

これは取りも直さず、ドル基軸通貨体制の崩壊につながることになる。

このような世界の動きは、1929年から始まる金融経済政策とよく似た動きであるが、その現象面では大きく違うが、参考になる。

ドルの利上げは大失敗であると、サマーズ元財務長官は言っているが、どうもドル基軸体制を崩壊に導く、それは取りも直さず米国の覇権を崩壊に導く大失政である可能性が出てきた。

関税引き上げ法であるスムート・ホーリー関税法が30年に成立したが、これに匹敵する歴史的な政策の失敗であるような気がする。

世界を大不況に追いやる失政であった可能性が高い。

さあ、どうなりますか?

image by: Shutterstock

 

国際戦略コラム有料版』より一部抜粋

著者/津田慶治
国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。日本文化を掘り下げて解析して、今後企業が海外に出て行くときの助けになることができればと思う。
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